2019年10月7日 00:00
子どものおねしょは治療が必要?家庭でできる10の工夫!【パパ小児科医コラムvol.15】
おねしょはいつまで続く?
おむつが取れてトイレにいけるようになっても、夜に漏らしてしまう「おねしょ」は誰もが通る道ですよね。しかし、小学生に入るころまでおねしょが続いていると「なんとかしたほうが良いのでは?」と考える保護者の方もいるでしょう。
小さいころは排尿の機能が未熟なため、おねしょをする子どもが多いのですが年齢とともにおねしょはなくなってきます。ただし個人差があり、5〜6歳で約20%、小学校低学年で10%ほどおねしょがあります(※1)。
これくらいの年齢になると、保護者だけでなく本人も何とかしたいと考え出し、「夜尿症」という病気として相談が必要となります。
おねしょが起こるメカニズム
幼いうちは膀胱の容量が小さく、脳から分泌される抗利尿ホルモン(尿量を減らすホルモン)の分泌が未熟です。尿は夜のあいだも作られ膀胱にたまっていくので、膀胱の容量に対して、夜に作られる尿が多い場合に尿がもれてしまうのです。
成長とともに膀胱の容量が大きくなり、脳から分泌される抗利尿ホルモンの分泌も盛んになるので、おねしょは減っていくでしょう。
おねしょは「甘えが原因」「親のしつけのせい」などと言われがちですが、根拠はありません。身体の機能の問題として対策すべきものです。夜に尿が漏れることは夜尿症だけでなく、そのほかの腎臓病やホルモンの病気のこともあります。
まずは小児科や泌尿器科を受診して、夜に尿が漏れることが「夜尿症」なのかどうか区別してもらうことが大切ですよ。
夜尿症の治療は必要?
夜尿症は年齢とともに自然に治っていきますが、小学生くらいの年齢になると「恥ずかしい」という思いから強いストレスを感じますし、自分への「自信のなさ」にもつながります。
お泊りの行事などで困ることも増えてくるでしょう。また頻度は高くないですが、成人に持ち越すこともあります。
治療をすることによって、夜尿の消失が早くなり、精神的な負担が軽減されることに大きな意義があります。
夜尿症の対策方法!家庭でできる10の工夫とは?
夜尿症であることが濃厚であれば、抗利尿ホルモンを補充するお薬の治療や、尿が出たらセンサーが感知するアラーム療法というものがあります。しかし、症状が軽い子であれば生活の工夫だけでもある程度よくなる子もいますし、お薬の治療も生活の工夫をしなければうまくいきません。
まずは以下のような生活の工夫(※2)