2020年7月28日 13:58
オンライントレーニングに潜むケガリスク、Jクラブのドクターが忠告する「痛みを発症する原因」とは
"コロナ自粛"の影響で、スポーツ界にオンライントレーニングが広がりました。場所を問わず、フィジカルトレーニングができる便利さが受け、多くの選手やチームが取り入れています。
ですが、正しく行えていないとケガのリスクもあるのだとか。
そこで、日本サッカー協会のスポーツ医学委員でJクラブのドクターも務める大塚一寛先生(上尾総合病院スポーツ医学センター長)に「オンライントレーニングをする際に気をつけたいこと」について、話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之)
上手くなるために大事なのはケガしないことと正しい姿勢でトレーニングすること(写真は少年サッカーのイメージ)
■アライメントが崩れているとオスグッド→シンスプリントなど芋づる式にケガをする可能性
大塚先生がまず強調したのが「正しい姿勢でトレーニングを行うことの大切さ」です。
オンライントレーニングは一気に身近になりましたが、痛みの発生につながることもあるので注意しなければなりません。
「正しい姿勢でトレーニングをしないと、体が"代償"を覚えてしまいます。代償とは、代わりとなる部位の筋肉が動くことで、本来鍛えたい箇所に負荷がかからなくなり、トレーニング効果が得られません。
画面を見て、ただ『型』をマネするような形になってしまうので気をつけましょう」
と、間違った姿勢でトレーニングすることのリスクを教えてくれました。
ジュニア年代でも、オンライントレーニングでフィジカルに刺激を与える取り組みを、たくさんのチーム、指導者が実施しています。サカイク編集部にも「何歳から筋トレをしたほうがいいですか?」という質問が届くなど、保護者の関心が高いジュニア年代での筋トレの情報。
ですが、大塚先生は「ジュニア年代であればまずは正しい動きづくり、いわゆる"アライメント"を高めるトレーニングをする方が良いと思います」とアドバイスを送ります。
アライメントとは骨、軟骨、間接の配置のことで身体の連動性にも影響します。たとえばシュートを打つときは、ボールに直接触れるのは足ですが、両手を振って、上半身と下半身をねじって、パワーを生み出して、足をボールに当てるという動作をします。
この上半身と下半身の連動性、各パーツの動きが連続して行われることがケガをしないために大事なことなのです。「アライメントが崩れていると、慢性障害(痛み)につながる恐れがあります。