子育て情報『元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは』

2022年4月7日 18:00

元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは

2020年度の高校サッカー選手権大会で2度目の日本一に輝いたのが、山梨学院高校です。立役者となったのは、監督として指揮を執った長谷川大さん。イヤホンを耳にし、ベンチから指示を送る姿が覚えている人も多いのではないでしょうか。

優勝の原動力となった的確な試合分析に加え、選手育成にも定評があり、前任の神奈川大学監督時代には日本代表のMF伊東純也選手(ベルギー・KRCヘンク)を指導しています。

昨年度限りで山梨学院高の監督を退任し、この春からはS級ライセンスの取得を目指す長谷川さんに育成年代での指導に関する考え方をお聞きしました。
(取材・文:森田将義写真提供:長谷川大監督)

目次

・再現性を生むためには、自分で答えを見つけようとする姿勢が大事
・指導者を始めたばかりの頃はゲームのスイッチボタンを押しているだけだった
・教育としてサッカーを教えるなら、自分で考える土壌を作らなければいけない


元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは


選手たちに支持を与える長谷川監督。選手たちとは対話を大事にしていたという

■再現性を生むためには、自分で答えを見つけようとする姿勢が大事

「純也はこうしなさい、ああしないさないと強制的に指導されてきたら、たぶんサッカーをやめていたと思います。ずっとノビノビ自由にやってきたから、今がある」。


伊東選手について評する通り、長谷川さんも神奈川大時代は選手の自主性を大切にする指導を行ってきました。選手に具体的なアドバイスを送るのは選手が壁にぶつかった時のみ。基本的には選手自らが考え、判断するよう促してきました。

象徴的なのは、伊東選手が4年生だった頃のエピソードです。シュートが入らなくなったため、ドリブルスピードを落とし、顔を上げる事でシュートの質を上げようとしていた伊東選手に対し、「外しても良いよ。だったら、今まで5本打っていたのを8本打ってみろ。そうすれば1本ぐらい多く入るかもしれない。君はシュートを増やして、点をとるタイプだ」とアドバイス。
その結果、再び大学サッカーで活躍し始め、その後の飛躍へと繋がりました。

スランプに陥る前にアドバイスするのも一つの手ですが、長谷川さんの考え方は違います。

「指導者が正解を教えてしまうと再現性が生まれません。一番大切なのは、自分で答えを見つけようとする姿勢を育む事。幼少期にやっていた「かくれんぼ」を思い出しても、誰かに居場所を教えて見つけるより、自分で工夫して見つけた時の方が喜びは大きい。成功体験を1度味わうと、子どもは同じ方法を再現しようとする。成功した時にちゃんと誉めてあげるぐらい、指導者がちゃんと見てあげていれば、また同じ事をやってみようとなる。

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