間違った練習をするほどサッカーは下手になる サッカーへ取り組む意欲、上達にもつながる基礎となるのは「正しい姿勢」
「現代の子どもの運動能力」について、様々なところで懸念されていますが、実際指導の現場ではどう感じているのでしょうか。
サカイクキャンプの菊池健太コーチと「タニラダー講習会」を主宰する谷真一郎さんの対談、後編をお届けします。
前編では、現代の子どもたちの運動能力低下や二極化する身体能力の現状、そして自己肯定感を高める方法について語ってもらいました。
後編では、姿勢と学習能力の関係性、低学年からのトレーニングの効果、そして日常生活とサッカーの関連性など、具体的なアプローチにフォーカスし、子どもたちの可能性を引き出すヒントをお伝えします。
(構成・鈴木智之)

(写真は少年サッカーのイメージです)
前編記事:転んだ時に手が付けない、サッカーするうえでもベースとなる運動が正しくできていない......、子どもの運動能力低下の原因と課題
■姿勢と学習能力の関係性、サッカーでも良い選手は「良い姿勢」でプレーしている

(写真は少年サッカーのイメージです)
菊池健太(以下菊池):谷さんにお聞きしたいのが「姿勢」についてです。私は姿勢が学習能力や学校の勉強にもリンクするのではないかと思っています。
サカイクキャンプの開会式で、子どもたちに座ってもらうと、猫背の子や斜めに座る子がいます。姿勢が整うだけでも、学力に影響があるのではないかと強く感じています。
谷真一郎(以下谷):私たちは今、お尻で座っていますよね。お尻で座ると、骨盤が後傾しやすく、背中も丸まりがちです。
私の知り合いで三笘薫選手と同じ時期に筑波大学で学んでいた人がいるのですが、彼はハムストリングス(太ももの裏)で座るというんです。そうすると骨盤が立ち、背中も自然と真っ直ぐになる。
彼はずっとこの姿勢で授業を受けていました。彼に言わせると「これもトレーニング」とのことです。お尻ではなく、太ももの裏で座るという意識も大切なポイントです。
菊池:私たちはよく「オフ・ザ・ピッチ」と「ピッチ上」の関連性について話すことがあります。姿勢の話もその一つですね。
子どもたちに「良い姿勢とは何か」を伝えることで、集中してサッカーノートを書くことができるようになるでしょうし、考える力の向上にもつながると思います。保護者からは「うちの子はサッカーノートが続かない」「やる気がなさそうに見える」といった相談が多いです。確かに気持ちの問題もありますが、姿勢や取り組み方、環境も重要な要素です。