1997年12月にインターネット上でシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を開設。3度の結婚、離婚、再婚の経験を活かし、離婚カウンセラーとして活躍。2014年シングルマザーとステップファミリーを支援するNPO法人M-STEPを設立。『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版社)など著書多数。メディア出演多数。
夫との関係に行き詰まりを感じて離婚を考える主人公・かなこと一緒に 「幸せになるための離婚」 を学ぶシリーズの後編です。 離婚の手続きや制度についてをまとめたベストセラーをマンガのストーリーでよりわかりやすくした『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』。離婚問題だけでなく、 子育てにまつわるお金の知識も身に付く のが特長です。 このマンガの主人公・かなこの悩みはけっして特別なものではなく、結婚した以上、誰にでも訪れる可能性のあるもの。離婚を考えたときに生まれる等身大の葛藤を、離婚カウンセラーの新川先生が丁寧に解決していきます。 ■別居にこぎつけた主人公が次にすべきことは? 表向きは「関係改善のための冷却期間」として、別居生活を始めた主人公。生活費を出し渋る夫には、「家庭裁判所に調停を申し立てる」と伝えることで婚姻費用の分担に成功しました。 「知識は自分を守る武器になる」 と再認識した主人公を待つのは、数々の面倒な手続き。でも、事前に離婚の流れを把握しておけば恐れることはありません。 まず、前編でも登場した主な3つの離婚タイプのうち、自分たちがどれに当てはまるのかを考えます。 ・協議離婚 ・調停離婚 ・判決離婚 「協議離婚」なら公正証書を作ります。これは、将来的に養育費の不払いなどが起きたときに催促や取り立てなどの法的手段をとれるようにするためのものなので、欠かせません。 ・最優先して決めるべき3つのこと そして、子連れでの離婚で決めなくてはいけないのは「親権」「養育費」「面会交流」について。これらは子どもの権利であり、「どちらの親のもとで育った方が安定した生活環境で、子どもの利益になるか」を最優先して考えるべきだと新川先生はいいます。 <子どものために話し合うべきこと> ■親権 親の権利義務。子の責任者のことを指し、父母が未成年の子を一人前の社会人となるまで養育するため監護教育し、子の財産を管理する。 ■面会交流 子どもと離れて暮らすことになった親が定期的に会ったり、連絡を取り合ったりして交流すること。子どもの福祉の面で考慮されるものなので、虐待などの悪影響がある場合は別。 ■養育費 子どもの権利として、離婚によって「離れて暮らす親から子どもが受け取るべき」もの。親は自己と同等の生活レベルを子どもに保障しなくてはならない。 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』より引用 ただ、 養育費の支払い率は3割未満 というのが現状。 養育費の取り決めをしなくても離婚届は受理される ので、離婚を急ぐあまりに取り決めがうやむやになってしまったり、取り決めても支払いが滞ってしまったりするケースが多いそう。 ・養育費を支払わせる方法 それを防ぐためには、 支払いの強制ができる「債務名義」を作成しておく こと。養育費の不払いが起きても法の力に頼ることができます。 本書では第一章から継続して、離婚のステップを説明しています。最初は離婚のパターンについて、そして次第に具体的な取り決めについて段階を踏んで進んでいくので、主人公と一緒に繰り返し学ぶことができるんです。 ■知っておきたいお金や保険、老後の備え 心の中では離婚を決意していた主人公でしたが、夫の和人は「離婚はしない」「おまえが我慢すればいい」という態度をずっと崩しませんでした。 しかし、別居をして、週末に子どもの面倒を見るうちに自分の間違いを自覚するように。離れて暮らすことがお互いにとって良いのかもしれないと、離婚を受け入れます。 やっと離婚が現実になり、ほっとしたのも束の間。二馬力だった家庭が、一馬力になり、自分ひとりで子どもたちを支えていくことに不安を感じる主人公。 ・お金と保険の専門家に教わるおカネの対策 ですが、計画を立てて保険に入る、ひとり親家庭への支援制度を理解しておく、お金を貯めておくなどできることはたくさんあります。新川さんは、対策を立てておけば安心につながると提案。 子どもの教育、保険、自身の老後 についてなどを 保険ジャーナリストの森田直子さん、ファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さん から教わります。 まずは 生活費の3ヶ月分を予備費として蓄えておく ことを提案。ほかにも教育資金や老後資金など何が必要なのか整理して、 目的と目標額 を書き出します。 お金の増やし方については 「つみたてNISA」など資産運用についても紹介 。離婚をする、しないに関わらず、知りたいお金周りのことがサクッとわかります。 ・備えておくべき「もしも」とは? でも、もし自分が倒れてしまったら? 「もしも」のときのために備えておくのも、親として大切なこと。起こる確率の高い順番からリスクをリスト化して、予算を確保します。 <もしものリストランキング> 1. 自分が入院したときの医療費や生活費の確保 2. 自分が病気やケガで長時間働けないときの収入の確保 3. 自分が死亡したときのその後の子どもの学費や生活費の確保 4. 子どもの学費の積立て 5. 子どもが入院したときの医療費の確保 6. 自分の老後の積立て 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』より引用 また、ひとり親への支援を受けるためには「積極的に情報を取りにいく姿勢が大事」だと新川先生。病気や事故など「もしもの事態」からは、つい目をそらしたくなってしまいます。しかし、きちんと現実と向き合って、順序立てて対策をしていけば、不安はずいぶん減るはずです。 ■「より幸せになるため」子どもに前向きに伝えてはいるものの… 「パパとママは離れて暮らしたほうが仲良くなれる」と、離婚について前向きに子どもに伝えてきた主人公。しかし、離婚をしてからしばらくするとふいに後悔の気持ちが襲います。 ・「離婚ブルー」になった時には 新川先生によれば、それは「離婚ブルー」と呼ばれるもの。主人公は「かわいい子どももいるし、離婚もしたくてしたのに、ふっと誰かに寄りかかりたくなる」と素直な気持ちを告白します。 ・普段の子育てにも◎「マイカウンセリング」って? しかし新川先生は「子どものお父さんが欲しい」「経済的に楽になりたい」という考え方は、少し心配だと警鐘を鳴らします。再婚相手に精神的、経済的に依存するようになってしまう可能性があるからです。 「離婚ブルー」は誰もが経験するものだから、きちんと解決策があります。それが「 マイ・カウンセリング 」です。 <子育てにも活用できる! 「マイ・カウンセリング」とは?> 人の行動を構成する4つの要素「思考」「行為」「感情」「生理反応」を理解し、自分でコントロールができる「行為」を切り替えること。例えば、自分が何をしているときに気分が良いのかを考え、日常生活で 簡単に取り入れられる気分転換方法 をできるだけたくさん用意しておくこと。 マイナスな気分になる「行為」をしていると気がついたら、すぐに切り替えること。そして 自分の長所を探す癖をつける こと。それが自分を好きになることにつながり、言動に責任と自信を持つことにつながるそう。 このようにマイカウンセリングで自身のメンタルを整えることが、離婚後の親子関係を健やかにし、元夫婦の関係の改善にもつながります。そうすれば、前向きでない再婚(経済的に楽になりたい等)で、子どもを危険にさらすことも防げるはずです。 親のメンタルを安定させることは、普段の子育てにも良い影響がありそうですね。 ■離婚の面倒な手続きに備えるために 手続きや制度を学び、お金の不安が減っても、離婚は気力と体力を使います。だからこそ、離婚届の提出や住民票の移動、マイナンバーカードの記載内容の変更など細々とした手続きは、効率良く済ませたいもの。 そういった実務面でも本書は役に立ってくれます。自身や子どもの手続について、効率的で上手な進め方をまとめられているので参考にしてみてください。 離婚は、誰にでも起こりうる選択のひとつ です。離婚カウンセラーの新川先生は「幸せになるためには 何度結婚しても、何度離婚してもいい 」と背中を押してくれます。 そして離婚はけっして不幸なことではありません。子どもたちと前を向いて歩いていくために、備えておくことは決して無駄にはなりません。まずは分かりやすいマンガで知識を蓄えておきましょう! \ ご紹介した書籍 / 『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』著/新川てるえ 漫画/ふじいまさこ(日東書院本社)1,540円(税込) Amazonページ 17刷ロングセラーが待望の漫画化! 親権、養育費、面会交流、子どもへの伝え方など盛りだくさんの内容をよりわかりやすく、情報をアップデートして、今どきのお悩みにも対応。3組に1組が離婚する時代、離婚家庭がより幸せになるための全ての情報がこの1冊にまとまっています。 <著者紹介>新川てるえさん 作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1997年12月にインターネット上でシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を開設。3度の結婚、離婚、再婚の経験を活かし、離婚カウンセラーとして活躍。2014年シングルマザーとステップファミリーを支援するNPO法人M-STEPを設立。『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版社)など著書多数。メディア出演多数
2025年03月16日いまや3組に1組のカップルが離婚をする時代。人生の選択肢のひとつとして「離婚」は、決して珍しいことではありません。しかし結婚とは違って複雑な手続きや難しい制度、さらにメンタル面など「離婚」には乗り越えなくてはいけないハードルがあるのも事実です。 そこで今回は、自身も離婚経験があり、離婚カウンセラーとして活躍する著者・新川てるえさんのロングセラーをマンガ化した『 [マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本 』著/新川てるえ 漫画/ふじいまさこ(日東書院本社)を紹介します。 ■<著者紹介>新川てるえさん 作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1997年シングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を開設。3度の結婚、離婚、再婚の経験を活かし、離婚カウンセラーとして活躍。2014年シングルマザーとステップファミリーを支援するNPO法人M-STEPを設立。『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版社)など著書多数。メディア出演多数。 まだ離婚についてうっすら考えているだけの人も、決意が固まりつつある人も、幸せになるために結婚をしたはず。だから新川先生は 「離婚をした方が幸せになれる」 と思えたときに最終的な決断をしてほしいと言います。 では、 幸せになる離婚をする ためには、どんなことをすれば良いのか? 使える制度や備えについて本書はマンガでわかりやすく解説しています。 ■私さえ我慢すれは丸く収まる…それでいいの? マンガの主人公は40代で専業主婦のかなこ。子どもが二人いますが、夫は家事や育児に非協力的で、違和感を覚える日々を過ごしています。 亭主関白な夫の態度に結婚を後悔し「離婚」の二文字が頭をよぎる主人公。夫婦間で家事育児や仕事に対する考えのすれ違いなど、同じように悩む人も少なくないのではないでしょうか。 かなこは「自分さえ我慢すれば良い」と「離婚したい」との間で気持ちが揺れ動きます。そんな主人公を支えるのが、地元の同級生で離婚歴がある友人たちと、 離婚カウンセラーの新川先生 です。 ひと口に「離婚」と言っても、それぞれのカップルごとに原因や事情はさまざま。ひとりで悩むのではなく、 相談先を探すことから 離婚の準備は始まります。状況によっては 複数箇所に連絡をした方が良い こともあるそう。 ・相談できる先はいろいろある! 本書では、 相談先のチェック表 や手続きを進めるための フローチャート などが用意されていて、自身の状況を冷静に判断しながら読み進めることができます。 【もし離婚の文字が頭をよぎったら?】 □無料で離婚の法律相談をしたい →法テラス、家庭裁判所の家事相談、行政の無料法律相談 □多くの離婚情報を知りたい →男女共同参画センター、インターネット(SNS) □家庭内暴力(DV)の情報を知りたい →配偶者暴力相談、支援センター □ひとり親家庭支援について知りたい →行政窓口、インターネット(SNS) など 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』 こうして相談先がいくつもあることが分かると少し冷静になれそうですね。 ■「もう離婚!」と感情的になった時には? 地元の友人たちと再会し、さらに離婚への思いを強める主人公。さらに、夫とケンカになった勢いで突っ走りそうになりますが、両親がもめている姿を見て傷つくのは、「子ども」です。 新川先生は、まだ離婚を迷っている人には「今は決めるタイミングではない」と伝えているそう。そして、何よりも 子連れ離婚には「準備と順番」が大事 だと繰り返します。 配偶者とのケンカやすれ違いで「離婚だ!」と感情的になってしまうのは、不安に思う気持ちが大きいから。まずは、子連れ離婚をするときに大事な取り決めについて知っておきましょう。 例えば、親権や養育費、そして子どもの面会に関すること。これらは夫婦だけの問題ではなく、子ども自身の権利に複雑にからみあってくることです。 さらにマンガに登場する主人公の友人たちにはそれぞれ、性格の不一致、配偶者の浮気、家庭内暴力(DV)などで離婚歴があります。結婚と違って、離婚をするためにたどる道筋はカップルごとに違うため、 自分たちに合った方法を探すこと から始まるのです。 【離婚の方法と流れ】 ・夫婦で協議して合意がある。 →離婚届を出すだけの 「協議離婚」 が成立。 ・夫婦で合意ができない。 →裁判所に 「調停」 を申し立てる。 ・「調停」でも合意ができない。 →離婚したい側が 「訴訟」 を起こす。 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』 ・裁判で離婚が認められる5つの理由 訴訟によって、裁判で離婚を認められるのは、主に下記の5つの理由です。 1. 配偶者が不貞行為(浮気)をした場合 2. 配偶者に悪意を持って遺棄された場合 (暴力から逃れるためなどは除く) 3. 配偶者の生死が3年以上不明の場合 4. 配偶者が強度の精神病で、回復の見込みがない場合 5. その他、重大な理由 (家庭内暴力、ギャンブルや宗教へののめり込み、借金など) 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』 まずは自分と配偶者に、どのタイプの離婚が当てはまるのかを知っておくだけでも大丈夫。本書にはもっと詳しい条件や、離婚を判断するための考え方について触れられています。 ■協議離婚より裁判がおすすめ!? そのメリットとは? さまざまな離婚パターンを学んだ主人公は、「準備さえしておけば紙切れ一枚で離婚できる」と安心します。しかし、その考えは友人たちから「甘すぎる」と一刀両断されてしまい…。 なぜなら、 一方が「離婚したくない」と考えている限り、協議離婚はできない から。もし裁判になってしまったらと考えると、少し気が重くなってしまいますね。しかし新川先生は 「協議離婚よりも調停離婚の方がおすすめ」 と驚きの提案をします。それは、いくつかのメリットがあるからです。 【調停離婚のメリット】 ・「調停調書」が作られる。 (養育費など金銭の不払いに法的手段が取れる) ・裁判所からアドバイスをもらえる。 ・調停委員らが間に入って話し合える。 出典:『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』 普段の生活で「弁護士」や「裁判」というと、縁遠い世界の話のように聞こえますし、依頼することや費用面に尻込みしてしまう人もいるかもしれません。 しかし弁護士に依頼する流れやおおまかな費用感を知っておけば、「よくわからないから怖い」という感情は薄れるのではないでしょうか。これこそが、本書で新川先生が伝える 「準備の大切さ」 です。 もちろん本書では協議離婚をする場合について「公正証書を必ず作る」など重要なポイントをカバーしています。 ■親権や養育費の話し合いはいつするの? 主人公は、友人から「離婚できるけどしない」と「離婚できないからしない」は違うと励まされ、生活費を確保するためにも働くことに…。 夫の顔色を伺うのをやめ、仕事に一生懸命向き合っていくなかで、次第に 「自分も捨てたもんじゃない」と前向きな気持ち を取り戻していきます。 ・別居を切り出す前に知っておきたいこととは? しかし夫の態度は変わりません。金銭面で不安が残り、別居を切り出すのをためらう主人公…そんなときに思い出してほしいのが、 配偶者と 「婚姻費用の分担」 ができる ことです。 これは民法で定められた「同居・別居に関わらず、夫婦には助け合う義務」。だから、もしも話し合いで婚姻費用(生活費)の折り合いがつかないときは、 それを求める調停もできます 。 ・別居を強引に進めすぎると…? ただ離婚前の別居を強引に進めると、「いざ離婚」となったときに不利になってしまうことも。「結婚生活維持のための冷却期間」であることをきちんと夫婦間で話し合い、 メールや録音などで記録を残しておく方がいい と新川先生。 ほかにも、専業主婦であっても財産分与はできること、持ち家のローンについて、慰謝料(和解金)が生じる場合についてなど「離婚」に関わるお金のことが、本書でひと通り身につきます。 マンガのストーリーでは、主人公が働き始めてからも夫の態度は変わらず、家事や育児には協力しないのに「俺と同じくらいかせいでみろ」と言います。この先、主人公はどんな未来を選ぶのでしょうか? \ ご紹介した書籍 / 『[マンガ]子連れ離婚を考えたときに読む本』著/新川てるえ 漫画/ふじいまさこ(日東書院本社)1,540円(税込) Amazonページ 17刷のロングセラーが待望の漫画化! 親権、養育費、面会交流、子どもへの伝え方など盛りだくさんの内容をよりわかりやすく、情報をアップデートして、今どきのお悩みにも対応。3組に1組が離婚する時代、離婚家庭がより幸せになるための全ての情報がこの1冊にまとまっています。
2025年03月16日