2015年9月7日 11:00
巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (2) AMD、マーケティングで1年持ちこたえる:Am5x86 CPU登場
○K6登場までAMDを支えるアイディアが必要だった
K5の遅れがはっきりした今、NexGen買収により入手した最新デザインNx686のバスを、Pentiumと互換(ソケット7)にするために、早速AMDのエンジニア達はNexGenから合流したエンジニア達と一緒にバス部分の再設計に取り掛かった。
超特急でやれという指示であるが、早くても1年はかかる。その間も、IntelはPentiumを強化してくるし、その後継品第6世代とされるPentium Proが発表される(1995年11月)。
K5プロジェクトの遅延に対しIntelの攻勢は容赦なかった。 Pentium Proは当初はサーバーなどのハイエンドを意識して投入されたが、その基本アーキテクチャには革新的な点が多く、その後のIntelの高性能の製品の基礎となったものである。事実上、この時点でIntelはAMDの2世代先に駒を動かしていたのである。 こんな状況であったので、設計チームはNx686のCPUコアの再強化にも取り組まなければならなかった。K5は、前述のように翌年1996年3月に何とかリリースにこぎつけたが、市場の反応は思わしくなく、AMDの屋台骨を支えるには力不足である。