保育士の就業継続年数は平均7.6年--自治体取材でわかった保育士確保の課題
「神奈川県などが実施の『地域限定保育士』で、保育士不足は解消されるのか」と題した前編では、保育士不足の現状や制度導入の利点についてご紹介した。そんな中、各自治体ではどのような点を保育士確保の課題と捉えているのか。担当者に聞いた。
○潜在保育士の掘り起こしが課題
まず第1に課題として指摘されたのは、保育士の資格を持ちながら保育士としては働いていない「潜在保育士」の掘り起こしだ。千葉県の担当者によれば、「希望する勤務時間や場所がマッチングできない」「ブランクがあった後にいきなり現場に出るのが怖い」などを背景に、資格保有者の再就職が進んでいない現状があるという。そんな中でも、新たに資格を取得する人の数は限られているとして、「再就職を促す施策に力を入れていく」と語った。
また大阪府では、潜在保育士が再就職をためらう理由として、「条件にあった職場を自力で探すのが難しい」「保育事情がわからず不安」などがあると分析。今年度から潜在保育士を対象にした「大阪府保育士・保育所支援センター」を開設し、求職の相談に応じているほか、セミナーや保育体験を通して、現在の保育情勢を学んでもらう取り組みを始めている。