【エンタメCOBS】おいしかったアルバイト
街を歩いているとティッシュやチラシを配っている人が目につきます。筆者は大学生のころ、ほぼ週2回のペースでチラシやティッシュを配るバイトをしていたのですが、チラシとティッシュでは通行人の反応が雲泥の差だといつも思っていました。そして一度だけ、拘束時間が4時間だったにも関わらず開始後すぐにティッシュがなくなってしまって、1時間働いただけなのに日給4,000円を手にした、というおいしい思いをしたことがありました。
そこで、今回はアルバイトでおいしい思いをした経験があるのか、COBS ONLINE読者701人にアンケートを採ってみました。
調査期間:2011/1/28~2011/1/31アンケート対象:COBS ONLINE会員有効回答数 701件(ウェブログイン式)
その結果、318人から「アルバイトでおいしい思いをしたことがある」との回答をいただきました。もちろん「おいしい」の基準は人によって違いますが、シビアなことばかりでもないようですね。では、具体的に皆さんはどんな経験をしたのでしょうか?
■ふたつの意味で「おいしい」
まず目についた回答は「アルバイト先で食べ物をもらえた」というもの。パン屋さんやケーキ屋さん、コンビニなどで余ったり賞味期限が切れたりしたものをもらった、飲食店のアルバイトでまかないがおいしかったという意見を多数いただきました。
なかには「コンビニのバイトはおいしかった。廃棄されるおにぎりやお弁当、サラダが食べ放題でバイトしている間は食費が全然かからなかった」(24歳/男性)や「羽田空港の洋菓子屋さん。余った商品を両手いっぱいに持ち帰ったことや、お弁当屋さんの人と交渉してケーキとお弁当を交換してもらったことがある」(27歳/女性)というちゃっかりした人も。
また、定番のケーキやお弁当以外にも、「果物の出荷場でのアルバイトはかなりきつかったけど、農家の人から商品にならないものの状態がいい果物をもらえた」(26歳/男性)という意見もありました。
また、食べ物を扱う仕事ではありませんが、「家庭教師。時給2,000円で家庭によってはおやつも出してくれたので」(24歳/女性)、「家庭教師。時給がいいこと以外にも、生徒の母親から手料理とかお菓子とかいろいろわけていただいたから」(26歳/男性)のように、家庭教師のアルバイトで食べ物にありつけたという意見もありました。また、「法律事務所でのアルバイト。
弁護士の先生あてにお歳暮やお中元として届く、ゴディバのチョコレートや青森産のホタテ貝柱などの高級品をおすそ分けしてもらった」(25歳/女性)ということもあるようです。
■食べ物ではないけれど
それ以外の仕事でも、「時給は特に高くなかったが、ドラッグストアのバイトでは不要になった化粧品のテスターや試供品をもらえたので、とても助かった」(30歳/女性)や「本屋のバイトで雑誌のあまった付録がもらえた」(23歳/女性)などのように、アルバイト先で配布しているものをもらうことができたという回答も多数いただきました。
また、映画館でのアルバイト経験者からは「映画をただで見られた」、コンサートスタッフ経験者からは「仕事中にライブを見ることができた」という話も。
さらに、「石垣島のリゾートバイト。住み込みで食事もついて、毎日4時間の勤務で1日6,000円くらいもらっていました。毎日、日中は遊び放題でした」(26歳/女性)、「スキー場の泊まり込みのアルバイトで、スノボし放題だった」(26歳/女性)のようにアルバイト先のリゾート地でめいっぱい遊ぶことができたという意見も届きました。
■サボり放題?
「なにかをもらえた」という意見以外で多かったのが、「仕事がかなり楽だった」というもの。具体的には、「スーパーのカートを片づける仕事、夜はなかなかカートがたまらなくてほとんどすることがなく、うろうろしているだけだったので」(24歳/男性)や「住宅展示場のバイトで平日はほとんどお客さまが来なかったので、本を読んだりお菓子を食べたりと自由な時間を楽しんでいました」(27歳/女性)のようにたまに仕事をするだけだったという回答がありました。
さらに、仕事が少ないというのではなく「受信のみのコールセンターのバイトで電話がまったく鳴らなかった。しかも、時給1,600円で時間ぴったりに帰れた」(24歳/女性)や「うどん屋でバイトしていたが、6~9時の間に誰も客が来なかったことがある」(28歳/女性)などのように、まったく仕事がなくて、楽でおいしかったというケースも。
また、「賞品のつかみ取りプレゼントの短期バイトが、時給が高くて楽しかった。しかも、予想より人気が出て賞品が早くなくなってしまい、夕方までの予定だったのに昼すぎに終わった」(27歳/女性)や「イベントで着ぐるみを着るバイトに応募したものの、当日天気が悪くて中止に。それでも給料の半分をもらった」(25歳/女性)などのように、何らかの事情で仕事が速く終わったり、中止になったりしたのにお給料がもらえたという人もいました。これは、冒頭に書いた筆者の経験と同じパターンですね。
中には、「ビラ配り。特にノルマや監視がなく、ファミレスで暇つぶししたのにお金をもらったこともあった」(28歳/男性)と、堂々とサボってしまった人も。
本当にバレていなかったのか気になります。
ただし「仕事がヒマだった」という人の中には、「選挙の期日前投票所で受付の仕事は、内容は全然つらくないのに時給が1,300円だった。唯一の難点は暇で時間がたつのが限りなく遅く感じること」(25歳/女性)や「市役所の非常勤職員。やることがなさすぎて逆につらかった」(27歳/女性)などのように、ヒマであることを苦痛に感じる人もいるようです。確かに、仕事に行ったのにすることがなければ「どうして自分はここにいるんだろう?」と自問自答してしまいそうですね
■研究施設、大学
また、「研究施設や大学で楽な仕事をした」という意見も多数ありました。たとえば、「めがねをかけた人が角度によってどう見えるかというデータをとるためのモデル。15分くらいで4,000円もらえた」(24歳/男性)や「研究施設で、パソコンに出てくる人の顔を見て『どちらが好きか?』といった質問に答えていくというものなど、何回か同じ研究施設の実験対象になった。拘束時間も短く、楽でおいしい仕事だった」(33歳/女性)などなど。
後者の回答をくれた方以外にも、「心理学実験に協力した」という回答は何件か届きました。
そして、大学でのアルバイトについては、「大学に行ってパソコンのソフトのインストールをするだけのバイト。1人100台くらい受け持って時給1,500円だった」(26歳/男性)や「大学でパソコンの授業のアシスタントをした。生徒の質問に答えるだけなので、簡単な授業のときはほとんど立っているだけだった」(23歳/女性)、「大学の付属図書館の受付。文献のコピーなどの与えられた仕事が終わればすることがないので、雑誌を読んだり寝たりと好きなことをしていた。それでも、以前に働いていた居酒屋より時給が高かった」(26歳/女性)という意見が。
存在を知っていたら、学生時代に一度はやってみたかったバイトばかりです。一体どうすれば見つけられるのか、非常に気になります。
また、「予備校の模擬試験のモニターはただ問題を解くだけだった」(31歳/女性)や「大手予備校の自習室管理はただ座っているだけのことが多く、睡魔との戦いだった」(26歳/女性)と予備校で働いたというエピソードもいただきました。
■きつかったけど
上とは対照的に、「仕事は大変だったけどおいしいと感じた」という意見も寄せられました。例としては、「ファミレス。仕事はつらいし時給は安いけど、自分だけのためにデザートや料理を作って休憩時間に食べることができた」(23歳/女性)や「一流ホテルの宴会スタッフ。立ち仕事で、客の前で皿の上げ下げなど緊張感はいつもあったが楽しかった。日程の融通も利いたし、時給も街のレストランより高かった」(29歳/女性)というもの。きつい仕事だけど、大きなプラスアルファがあるから、おいしかったと感じる場合もあるようです。
また、業種は不明ですが「繁忙期のときに残業を毎日のようにして、土曜日の出勤も毎週のように続いていて、体がクタクタで寒くて本当に倒れそうでした。
でも、その甲斐あって無事にノルマをクリアし、その分給料も高くなっていて、本当にうれしかったのを覚えています」(22歳/女性)のように、おいしい話というよりは、ちょっとイイ話も寄せられました。
■番外編
最後に少数派の得したエピソードをご紹介。
「時給が特別に高かったわけではないが、一緒に働いたバイト仲間がとても男前だったので毎回とても楽しかった」(32歳/女性)
バイト先に好みのタイプがいると仕事にも気合が入りそうです。でも、ヘタにアプローチしてフラれてしまったら一気に居心地が悪くなるでしょうね。
「友人に誘われて塾講師のアルバイト。個人でやっているような小さな塾だったので、子どもたちと遊んで終わったという印象でした」(28歳/女性)
「教材販売会社での電話応対の事務。電話がなければ暇だし子どもたちへの電話も楽しいので、全然苦ではありませんでした」(26歳/女性)
子ども好きにとって、子どもにかかわる仕事はまさに天職。このほかにも、「遊園地のアトラクションで子どもたちと触れ合うのが楽しかった」という意見もいただきました。
そして、筆者が一番驚いたエピソードがこれ。
「ホテルでアルバイトをしていたとき、お客さんに気に入られてそのまま就職が決まった」(23歳/女性)
回答者の年齢を考えると比較的最近の話のようです。アルバイトからスカウトされるなんて、正社員になることが難しいこのご時世に、なんと幸運と実力を持った人なんでしょうか。
「どんなアルバイトでも自分の財産になる」なんて言えればカッコイイですが、「やっぱり仕事はおいしい方がいい」というのが世の常なんですよね。
(初桐有@dcp)
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