『ローマ法王の休日』ナンニ・モレッティ監督インタビュー
第54回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『息子の部屋』から10年、イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督が満を持して贈る『Habemus Papam』の邦題が『ローマ法王の休日』に決定。自らが企画・脚本・演出・出演をこなす新境地で、法王逃亡という衝撃の題材で昨年のカンヌ映画祭を沸かせた話題作だ。今回、監督のインタビューをお届けする。
●この映画のアイデアはどこから来たのですか?フェデリカ・ポントレモーリとフランチェスコ・ピッコロと私の三人で、同時に別々のアイデアを練っていました。しばらくしてから、本作の脚本に取り掛かることに決めました。あるシーンを思いついたことをきっかけに、すべてが始まりました。それは、新しく任命されたローマ法王が、彼の登場を期待して待つ信者たちの前に、なかなか姿を現すことができないというシーンです。
●宗教的な教育を受けてきましたか?神の存在は信じていますか?両親が信奉者なので、私はカソリックの教育を受けました(ほどほどにですが)。
私自身は信奉者ではありません。
●本作は明らかに2パートに分かれています。「拘束」を扱ったシークエンスがある一方、「自由」を扱ったシークエンスがあります。脚本のバランスと調和について教えてください。私は一本の映画でコメディ性とドラマ性を混ぜ合わせたかったのです、奇妙さと現実味の両立をね。作品に映し出されている枢機卿のコンクラーベはあくまでも我々の想像の産物ですが、現実のコンクラーベの儀式と教儀に敬意を払いました。