この上なく美味しい映画『大統領の料理人』で伝説の女性シェフを演じたカトリーヌ・フロ、インタビュー
フランス大統領官邸史上、唯一の女性料理人として1980年代に2年間ミッテラン大統領に仕えた女性シェフ、ダニエル・デルプシュの真実を描いた映画『大統領の料理人』。
ひょんなことから、大統領のプライベートキッチンを任されることになった女性シェフが、型破りな豪快さと絶品料理でお堅い官邸の常識と大統領の「心」までも変えていく様を描きます。
本国フランスでも大ヒットし、ミシュランのスターシェフ監修の元、当時のレシピを再現した、とても「美味しい」映画であると共に、スパイスの利いた人間模様が、時には鋭く時にはユーモアに溢れて表現されています。
そんな実在する伝説の女性シェフを演じたカトリーヌ・フロのインタビューが映画のキーともなる「世界の果て」から届きました。
Q: 「世界の果て」とも言えるロケーションからの撮影開始ですが、ここから始めるということは、あなたが役を演じるにあたって意味のあることですか?この映画は、ここから始まるんです。どう言ったらいいかしら…。そもそも意味のあることなんです。大変なのは、結果的に後で起きる出来事、つまり4年後の出来事を先に撮影するということね。
私たちは、まるで世界の果てにいるようです。
ですから、私は彼女が世界の果てに来た姿を想像できます。おそらく、何かを流し去るという目的もあって来たのかもしれません。そう、単純でない何かを流し去るためにね。
たとえエリゼ宮で多くの感動や出会いなどがあったことを思い返したとしても、ここはある意味、自分自身を洗い流せる場所だと思います。この土地を見て、彼女がそれまでに経験したことを洗い流すのです。