「自然に授かる」を過信しすぎないことも大切かも 最近の不妊治療の実態
不妊治療大国の日本。いまや社会現象になりつつありますね。「自分は不妊なんて…」そう考えるのが当然かもしれません。しかし現実は、思いどおりにいかないこともあるのです。
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友人や知人のなかに不妊治療をおこなっている人がいたとしても、センシティブな話なので、深く話を聞くことはできません。なかなかオープンにならない問題だからこそ、知っておく必要性があるのではと考えます。
今回は、結婚10年目、9年の不妊の末に待望の赤ちゃんを授かったカップルのお話をもとに執筆させていただきます。
■子どものいる同期を見て、不妊治療を決意
「結婚10年目に入りました。
まさか自分が不妊治療に通うとは思いもよらなかったです」。そう語るのは、IT企業の営業をつとめ、男性に負けずおとらず働いてきたSさん。愛らしい笑顔の裏には、さまざまな苦労がありました。
独身時代は寝る間もなく働いていたとのこと。男女の雇用は均等で、仕事量も出世のスピードも男性との差はなかったため、仕事に対してのやりがいはとても感じていたそう。
しかし、結婚して5年。まわりを見渡せば、同時期に結婚した同期は、すでに2人の子どもを産み育てていました。
「なんで自分は子を授からないのだろう? もしかして、子どもができない体なのかもしれない」。
そこでやっと不妊治療をする決意をしたSさん。ここからが、苦悩する日々のはじまりでした。