会話泥棒の直し方! 「同意と共感」を知って気持ちいいコミュニケーションを
「この間、こんなことがあって、落ちこんでるんだよね」
「あー、わかるわかる~! 私も似たようなことあった~! そのときにさー(自分の話をはじめる)」
「あ、うん…(私の話が、途中で終わってしまった…)」
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こんな風に、相手の話を聞くのもそこそこに自分の経験談を話してしまうことを、私たちは日常的にしてしまいがちではないでしょうか。
軽い話なら盛りあがる会話のスタイルかもしれませんが、もしもこれがあなたの大切な人の深刻な悩み相談だったら? あなたの深刻な打ちあけ話が、ほかの誰かの体験談にすり替えられてしまったら? おそらく消化不良に感じてしまうのではないでしょうか。
家族間、友人関係、もちろん仕事場でも使える、「会話泥棒」にならないで、よりよい関係を築ける話の聞き方を、ご紹介します。
■相手の心に「スペース」をつくる
まずは、ゆっくり思いうかべてみてください。いまあなたは、誠実な関心や興味を向けて、笑顔で話を聞いてくれる相手と会話をしています。想像するだけでも、あなた自身の心と体の感覚が、少し変化しませんか?
心地よく、楽しく、そして何より「この人は私のいっていることを、十分に理解してくれている」という確信があるとき、会話は私たちの心を落ちつかせ、気持ちを軽くしてくれます。
そして、「十分に理解された」と感じたとき、安心感やすっきり感から、自分の心に余裕という名の「スペース」が生まれます。
たとえば、ストレスがたまっているときや、つらい思いをしているときなどに、誰かに頼まれごとをしても、拒絶してしまうかもしれません。
私たちが人の話をきちんと受けとれる状態というのは、その「スペース」がちゃんと存在するかどうかが鍵になるのです。
この「スペース」はハッキリと目に見えるものではありません。「話す」は「放す」と同じ発音の言葉だというのは、興味深い点なのですが、つねに相手に先に話をさせることで、目には見えないさまざまな思いや感情を「手放す」ことをしてもらうのです。
そのためには、相手にあなたの誠実な関心を向けることが大切です。そして、相手が「きちんと話を理解してもらえた」と感じられたら、今度は、相手の「スペース」にあなたが伝えたい言葉を受けとってもらえます。
つまり、そのころには、相手があなたを十分に理解する準備が整っている、ということなのです。
相手に先に話させることは、お互いが満たされる“Win-Win”な会話を生むきっかけになります。関係性もよい意味で深まることでしょう。