連載記事:30代から考える「自分年金」

マネー業界大トピック発動! 知っている人だけトクする制度【30代から考える「自分年金」 第3回】

30代から考える「自分年金」

30代から考える「自分年金」

だれもが当事者となる「老後」。この老後不安を抜け出すためには、30代~40代の過ごし方によって変わってくる。ファイナンシャル・プランナー山中伸枝さんから、「今やっておくこと」を教えてもらった。

30代がもらえる年金で老後は大丈夫?
毎月いくら足りない? 年老いた自分を養うにはの続きです。

老後資金を考えるのなら、「確定拠出年金」がキーワードとなる。引き続き、ファイナンシャル・プランナーで「確定拠出年金相談ねっと」代表の山中伸枝さんは、「マネー業界大トピックが起こる!」と話す。
マネー業界大トピック発動! 知っている人だけトクする制度【30代から考える「自分年金」 第3回】

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■確定拠出年金という言葉を知っている?

そもそも、「確定拠出年金」という言葉は、ご存じだろうか?

じつは、わが家自体は、数年前から夫が会社の確定拠出年金制度に入っている。夫の会社が確定拠出年金を導入したとき、妻である私は、「何か難しそう…」と、夫がもらってきた書類一式を放置していた。

そんなあるとき、私が参加したファイナンシャル・プランナー向けの確定拠出年金の勉強会で、もっとも具体的に切りこんで質問していたのが、今回取材させていただいた山中さんだ。

「いま、確定拠出年金が注目されているのは、2017年1月1日から、個人型確定拠出年金の加入資格者が拡大し、『だれでも』加入できるようになったからです」と、このことがマネー業界の大トピックであると、山中さんは話す。

ひと口に確定拠出年金といっても、「企業型」と「個人型」がある。
これまで確定拠出年金に入ることができたのは、「会社が制度を導入したから」自動的に入っていた「企業型」の加入者だ。しかし2017年1月からは、「個人型」の確定拠出年金に加入できる人の範囲が広がるのだ。

■確定拠出年金のメリットって?

「だれでも個人型確定拠出年金の加入できるようになったことが、そんなに大トピックなの?」と、多くの人は素朴な疑問が沸くことだろう。
最大のメリットは、確定拠出年金に加入すると、節税ができる

けれども、「節税!? それが、そんなに良いことなの」と、思う人も多いだろう。


■節税とは、根にある「実」!?

「『金利』はわかるけれど、『節税』はわからないという方は多いみたいですね。たとえるならば、『金利』は木に花が咲いて実がなるイメージ。『節税』は、お芋みたいに土を掘ってみないとわからないものなんです」(山中さん)

実がなる(お金が殖える)という意味では、「金利」も「節税」も両方とも同じ。けれども、目に見える形で殖えないので、主婦にとって節税は遠い話になりがちだ。

「でも、節税の方が、じつは確実なんですよ。市場の動向によっては、金利(木の上になっている実)は、嵐がくれば落ちてしまうこともあります。けれども節税(木の下にある実)は、大丈夫。この目に見えない部分を意識していくことは、お金を殖やす上で、とても大切なことなんです」(山中さん)。


貯蓄をしようと考えたときに、節約やら収入を殖やすなどは考えるのに、税金を節約することは抜け落ちがち。でもじつは、節税というものをしっかり考えていくことも、老後の準備をする上では、とても大切なことだ。

次回は、節税というメリットがある確定拠出年金制度の「おトク」3つを解説!

※この記事は2016年11月の取材を基づいて書いています。


■今回取材にご協力いただいた山中伸枝さんの著書
マネー業界大トピック発動! 知っている人だけトクする制度【30代から考える「自分年金」 第3回】

ど素人が始めるiDeCoの本
(山中伸枝/翔泳社 本体1,500円+税)

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