30代がもらえる年金で老後は大丈夫?
毎月いくら足りない? 年老いた自分を養うには
マネー業界大トピック発動! 知っている人だけトクする制度
節税力がスゴい! 確定拠出年金の3つの「おトク」大公開
専業主婦はメリットあるの? 確定拠出年金を始める3つのポイントの続きです。
「30代から考え始める『自分年金』」特集も、今回は最終回。それでは現実的に確定拠出年金に加入しようと思う人はどれくらいいるのか、率直なところをフィナンシャル・プランナーで「
確定拠出年金相談ねっと」代表の山中伸枝さんに質問してみた。
© beeboys - Fotolia.com
投資デビューをするなら個人型確定拠出年金で
本特集の冒頭で、「『老後のためのお金』を考えるとき、(現役時代の)収入が多い・少ないよりも、
計画を立てて準備していないことが命取りになります。」と書いた。
私自身は、この「計画を立てて、準備をすること」の中に、「投資をすること」はマストだと思っている。なぜなら月額7万円(「
毎月いくら足りない? 年老いた自分を養うとは【30代から考える「自分年金」 第2回】」)という金額は、貯蓄だけではためることはとても難しいからだ。
だからこそ、投資が必要だと考えている。
そのうえで、私自身が、ひとつだけ提案できることといえば、「
投資を始めるのであれば、個人型確定拠出年金から手をつけたら良いのでは?」という思いだ。
なぜ、投資デビューに個人型確定拠出年金?
1.個人型確定拠出年金は選びやすい
個人型確定拠出年金としてラインアップされている投資商品は、多くて10数本(金融機関によって違う)。普通の投資信託だけでも5、000本あるといわれているほかの投資商品より、目移りせずに選びやすい。
2.販売手数料が原則無料
個人型確定拠出年金として扱っている商品は、販売手数料が原則無料だ。同じ証券会社の投資商品が販売手数料3%だとしても、個人型確定拠出年金は販売手数料が無料となる。
3運用手数料が安く設定されている
投資信託の運用手数料である「信託報酬」も、比較的安く設定されている商品が多い。つまり、投資コストを低く抑えることができるのだ。
すぐさま始める人は100人に2人
それでも個人型確定拠出年金への気持ち的なハードルは、すごく高いのではないだろうか? 今回、特集を担当してみたものの、「やっぱり、よくわからない」。これが2016年現在の多くの人の感覚だろう。
山中さんは言う。「個人型確定拠出年金についてお話をして、『じゃあ始めよう!』とすぐさま思う人は、
100人に2人くらいですね。」
少し、ホッとした。いや、かなりホッとした。1対1の対面で伝えても、そのくらいのヒット数なのか、と。山中さんは、個人型確定拠出年金への加入をためらうお客様にこんなふうに伝えることもあると言う。
「大丈夫ですよ。
今日、決められないのであれば、今日はそういうタイミングなんだと思います。そのかわり、どこかのタイミングで、『やっぱり、やってみようかな』と思ったら、また、いらしてくださいね」
すこしとっぴな例えかもしれないが、個人型確定拠出年金を始めるための気持ち的な階段が10段あるとしたら、本特集は、その1段になれば良い。また、何かのキッカケで1段あがる、次は3段あがる…。堂々巡りも意味があるし、なにも無駄にはならないのだ。
出遅れを心配する必要はない
個人型確定拠出年金について、出遅れを心配する必要はまだない。
「現段階(2016年11月取材時)では、商品構成が発表されていない金融機関もあります。まだ、まだ、これから商品のラインナップなどには動きがあるでしょう」。(山中さん)
ちなみに、個人型確定拠出年金は「投資」商品だけ扱っている訳ではない。
「投資」商品以外のもの、たとえば、「預貯金」や「年金保険」などもある。
2017年1月1日から、個人型確定拠出年金の加入資格者が拡大し、
『だれでも』加入できるようになった。この事実を知り、「個人向け確定拠出年金には、どんな商品があるのだろうか?」と、商品のラインアップについて、興味を持ってみる。そんなところから、
「自分年金」づくりを始めてみてはどうだろうか?
※この記事は2016年11月の取材を基づいて書いています。
みずがめ座は「しんどさをバネにする1週間になる」