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不朽の名作『美女と野獣』の実写映画が公開となり、ますます注目を集めるディズニー作品の数々。そんな中、東京・日本科学未来館で『ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法』が開催されています。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのマネージング・ディレクター メアリー・ウォルシュさん
今回は、パパ・ママ世代のみならず、3世代にわたって楽しんできたディズニー・アニメーションの歴史を探るべく同展覧会に潜入! 開催に合わせて来日したウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのメアリー・ウォルシュさんにもお話を伺いました!
■ディズニーが続けてきた挑戦と、名作たちの振り返り!
《蒸気船ウィリー》より1928年 ©Disney Enterprises, Inc.
ミッキーマウスが誕生したのは、1920年代末。それまでの無声映画に音楽を取り入れた、世界初のトーキー・アニメーションとしても知られていますよね。
ディズニーのアニメーションにとって音楽や歌は、動く絵にいのちを吹き込む魔法のひとつ。そのアイデアは、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』といった後のミュージカル作品にも継承されていると言います。
《白雪姫》より1937年 ©Disney Enterprises, Inc.
ご存知、『白雪姫』(1937年)は、世界初の長編カラーアニメーション映画。約3年の歳月と、莫大な費用を掛けて制作された本作品は大ヒット! これによってアニメ映画はひとつの芸術として評価され、今なお続くディズニー長編アニメーションの第一歩を踏み出しました。
《白雪姫》
1950年代に入ると、『ふしぎの国のアリス』『眠れる森の美女』などの名作が次々に誕生します。特にこの時期、カラフルで独特の色彩が特徴の新進気鋭アーティスト、メアリー・ブレアによってディズニー作品はますます世界観を広げていきました。
《眠れる森の美女》
そして訪れるデジタル革新の時代。『リトル・マーメイド』(1989年)を皮切りに、CGをはじめとした最先端のデジタル技術を取り入れ、デジタルならではの表現を開拓していきます。
《美女と野獣》
中でも注目したいのが、『美女と野獣』(1991年)。高い芸術性と娯楽性を兼ね備えた作品として、アニメーション史上初めてアカデミー賞の作品賞にノミネートされた作品です。
《美女と野獣》
自分らしくまっすぐに生きる美しきヒロイン・ベルと、外見に囚われ続ける野獣が作り出すドラマチックなストーリーに、青春時代、胸をときめかせたママも多いのでは!?
劇中で印象的なダンスシーンでは、初めて3DCGを採用。手描きのキャラクターにコンピューター上で着色し、3DCGで作成した舞踏場と組み合わせる新たなシステムを導入。
伝統的な手描きのアニメーションと、自在なカメラワークや特殊効果が可能なコンピューター・グラフィックが融合することで、あれほどまでに印象的なシーンに仕上がっているのだそう。
1995年には、世界初のフル3DCG映画『トイ・ストーリー』が登場。よりリアルで、ディズニーらしい魅力的なCG表現を追求し続けることで、大ヒット映画『アナと雪の女王』(2013年)や『ズートピア』(2016年)、そして『モアナと伝説の海』(2017年)へと繋がっていくのです。
《アナと雪の女王》
■子どもと一緒に訪れたい!『ディズニー・アート展』の見どころをチェック!!
『ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法』には、約90年の歴史の中で描かれたディズニー作品のオリジナル原画、スケッチ、コンセプト・アートなど約500点を展示。
ミッキーの初主演作『蒸気船ウィリー』(1928年)から最新長編作『モアナと伝説の海』まで、年代を追って展示する日本初の試みなんです!
《アナと雪の女王》
大きなミッキーのアーチをくぐれば、そこはもう夢の世界。ファンタスティックで愉快なディズニー楽曲が流れる会場は、一歩踏み入れるだけで大人も子どももあっという間に魔法にかかってしまいます。
数々の名作にいのちが吹き込まれる瞬間を観られるのが、同展のおもしろさ。たとえば美女と野獣のエリアでは、有名なダンスシーンがモニターで流される中、ベルと野獣が制作されていく過程を観ることができます。
《美女と野獣》
グレン・キーンが描いたコンセプト・アートは、野獣が映画とは全く異なる顔。劇場公開された野獣の姿を知っている私たちにとって、衝撃的とも言える作品です。
《美女と野獣》
細かく指示が書かれた原画も展示され、作品完成までには長い道程があったことを体感できる貴重な機会。実写映画の公開が話題となっていますが、アニメーションならではの素晴らしさを再認識できるエリアになっています。