「PTA活動ができない理由」を追及される理不尽【はじめてのPTA 第2回】

2017年4月28日 19:00
 

大塚玲子 ライター
大塚玲子

教室

(c) maroke - Fotolia.com



さて、前回は日本のPTAの成り立ちについてお話しました。戦後、日本でPTAをつくることになったとき、「とりあえず自動強制加入」にしたのがずっと続いてしまったわけですが、ようやくその見直しが始まっている、というのが今の状況だと思います。

ではあらためて、自動強制加入だと何がまずいのでしょうか? 「これまでずっと、それでやってきたんだから、変えなくてもいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。それを、なぜわざわざ変える必要があるのでしょうか。 

現状の自動強制加入のやり方によって、具体的にどんな問題が起きているのか、それを今回はお伝えしたいと思います

■1.ずばり「楽しくない」

学校行事

(c) tatsushi - Fotolia.com


まずはこれです、自動強制加入では活動が「楽しくない」ということ。PTAが今これだけ嫌われてしまっているのも、加入方法が強制であることに根があります。

人はふつう何かするとき「これをやったら、どんないいことがあるかな?」と考えて、その行動をとるものですが、強制加入ではそういったメリットを考える余地がありません。最初から「やりなさい」といわれてしまうので、なかなか楽しめないのです。

たとえば「学校に通う」とか「税金を払う」といったことなら、必要性もわかるし、法律で決まっているんだから、と思いますが、PTAは残念ながら必要性がはっきりしない仕事がよくありますし、「必ずやらなければいけない」という法的な根拠もありません。

それで強制されるのでは、「やりたくない」「つまらない」と感じる人が多いのは無理のないことでしょう。

■2.「詐欺」に加担してしまう

会議での拍手

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端的な表現ですみませんが、実際のところ、現状のPTAのやり方は「詐欺」と言われれば否定できないところがあります。法的な根拠がないのに本人の同意を得ずに会員にして、会費を徴収するというやり方は、ふつうの団体ならありえません。

保護者は子どもが学校に入ると自動的に会員になるので、なかにはPTAが学校と別団体であること、PTAが任意加入であることを知らずに会費をおさめている人も少なからず存在します。そういう人から集めた会費を使って活動するのは、後ろめたいところがあります。

たとえば、多くのPTAは学校に備品等を寄付していますが、本来寄付というのは自由意志に基づくものです。同意なく加入・徴収したお金で寄付を行うのは、ある意味、だましとったお金によるプレゼントのようなもの。渡すほうも、受け取るほうも、胸を張ることができません(そのためPTAによる学校への寄付は、あまり表に出てきません)。

普段の活動でも同様です。たとえば筆者も、活動中にPTA予算で買ったおいしいお菓子をいただくことがありますが、うれしい反面「もしかすると、PTAが学校の一部だと思って無理して会費を払った人のお金を含んでいるかもしれない」と思うと、申し訳なく感じます。

■3.事情のある人が嫌な思いをする

手をあげる人

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保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。ひとり親、闘病中の人、介護中の人など、みんながみんなPTA活動をできる状況にはありません。でも自動強制加入だと、そういう人が「できない」というためには、個人的な事情を他人に伝えなければならなくなります。

「それは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。PTAといえば、4月の保護者会でお母さんたちが順番に「できない理由」を言うのが風物詩のようになっていますよね。でもそれも、一般の団体だったら起こり得ないことです。

スポーツクラブでもクリーニング屋さんでも、ふつうは申込みをした人が会員になりますから、会員にならない人がわざわざ「入らない理由」を告げる必要はありません。むしろ、告げたらヘンでしょう。

でもPTAは違います。自動強制加入で会員になってしまうから、「できない理由」を、みんなに説明せざるを得なくなったりするのです。

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