連載記事:【親子で楽しむ絵本の時間】
フルパワーで走り抜け! 運動会のかけっこ絵本【親子で楽しむ絵本の時間】 第19回
■うまちゃん かけっこなら まけないもん!
文:中川 ひろたか/絵:ふくざわ ゆみこ/出版社:ポプラ社
「うまちゃん かけっこなら まけないもん!」
いつも1等賞をとっている、かけっこの得意なうまちゃん。絶対に勝つと思っているから、走る前から自信満々! けれど思わぬハプニングでほかの動物に抜かされて、ショックを隠し切れずにゴールに向かうのがつらいうまちゃん。でも待っていたのは拍手喝采でした。得意なことはかけっこだけだと思っているうまちゃんにはとっても優しい「友だち思い」な一面があり、そのことをゴールで待つみんなが知っていました。拍手をもらえるのは1等賞の子だけじゃないんですね。12の干支にちなんだ動物たちが主役となるシリーズの一冊です。
■こねこのプーフー (2) かけっこいっとうしょう
作:アン&ゲオルグ ハレンスレーベン/訳:ふしみ みさを/出版社:小学館
「こねこのプーフー (2) かけっこいっとうしょう」
「きょうね、すごいことがあったんだよ!」「まあ、いったい何があったの」こねこのプーフーは眠る前にパパとママに、その日あったことをお話しします。「リサとガスパール」「ペネロペ」シリーズの生みの親が新たにスタートさせたこちらの絵本は、まさに寝る前の読み聞かせにぴったり。主人公・こねこのプーフー はかけっこで1等賞になりますが、その理由がおもしろい! 子どもって思いもかけない行動を起こすことがありますが、プーフーはその例そのもの。でも、そのおかげで1等賞になれちゃうんだからあなどれません。楽しいお話を聞かせてもらいながら、ママもウトウト眠くなってくるかもしれませんね。
■1ねん1くみ1とうしょう
作:後藤 竜二/絵:長谷川 知子/出版社:ポプラ社
「1ねん1くみ1とうしょう」
物語の軸となるのは元気でいたずらっ子なアクの強いキャラクター、くろさわくん。そして、そんなくろさわくんにいつもふりまわされている気弱なぼく。回を重ねるごとに2人の友情が少しずつ育まれていくシリーズものとなっており、今作ではかけっこがテーマとなっています。いつもビリのぼくに「俺についてくれば2等だ!」と声をかけるくろさわくん。本番当日、はたして結果は…? 等身大だけれど真逆ともいえる2人の関係性が物語の肝になっており、どちらの気持ちにも感情移入できるシーンがありそうです。成長していく姿を絵本で楽しめるのもいいですね。
自信がある子、苦手な子、競争心のある子、競争したくない子…。運動会のメインイベントもいえるかけっこへの思いは、子どもそれぞれですよね。
1等賞は誰でもうれしい! けれど1等になることだけが、すべてじゃない。そんなことを絵本を通して子どもに伝えられたらいいですね。
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