昔の子ども、今の子ども。
ママやパパが子どものころ遊んでいたアイテムやサービス。長く愛され続ける理由はどんなところに隠れているのでしょうか。取材してみると、昔と今、長い時間を掛けてちょっとずつ変化している部分がたくさんあることに気づきました。
ママやパパが子どものころ遊んでいたアイテムやサービス。長く愛され続ける理由はどんなところに隠れているのでしょうか。取材してみると、昔と今、長い時間を掛けてちょっとずつ変化している部分がたくさんあることに気づきました。
のび太とドラえもんの声優が語る「のび太が映画版で活躍するワケ」【昔の子ども、今の子ども。】
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
今年もやってきました、映画『ドラえもん』の季節! 3月3日(土)公開の『映画ドラえもん のび太の宝島』は、大長編劇場版シリーズ38作目。太平洋上に現れた謎の宝島を目指し、ドラえもんたちが史上最大の冒険に出かけます。
今回は、ドラえもん役の水田わさびさん、のび太役の大原めぐみさんにインタビュー。子どものころに抱いていたドラえもんのイメージ、そして声優を務めるようになった今、あらたに感じる作品への思いを語っていただきました。
ドラえもん役の水田わさびさん(左)、のび太役の大原めぐみさん(右)
■今回の映画は「親子の愛情の温度差」がテーマ
© 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
――まずは、映画『ドラえもん』ならではの魅力について聞かせてください。
大原めぐみさん(以下、大原):仲間と協力することのすばらしさを描いていることもそうですが、『のび太の宝島』に関していうと、テーマとして「親子愛」があります。
親は、良かれと思って子どもにいろいろと言ってしまうことが多いじゃないですか。本当は見守ることも大切だとわかってはいるけれど、つい先回りして言いたくなってしまうんですよね。
それが、子どもの「僕たちの気持ちを尊重してくれない」という気持ちとぶつかってしまう…でも、それってどちらも愛情なんですよね。
今作は本当の悪者がいなくて、描かれているのは“子どもが欲している愛情”と、“親が与えている愛情”にある温度差のようなもの。
子どもと一緒に観ると、子どもの頃に感じていた親への思い、自分が親になって感じること、その両面の感覚で観ることができるというのが魅力になっていると思います。
―――私も作品を拝見して、「子どものため」と思い込みすぎることで、子ども自身が見えなくなっていることがあるのではとハッとさせられました。では、お二人が思うテレビアニメ版と劇場版の違いを教えてください。
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
水田わさびさん(以下、水田):映画では、キャラクターのすべての人物が主人公になれるように描かれていると思います。テレビだと、どうしても毎週のび太くんが主人公になってしまう。でも、劇場版ではゲストのキャラクターも含めて、みんなの心理状態をそれぞれ追える形になっているかと。
逆にドラえもんは、映画になると一歩引いているような感じがありますね。
――たしかに、ドラえもんとのび太くんの立ち位置が変わる感じはありますよね。大原さんは、演じる上で意識の違いなどはありますか?
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
大原:自分がのび太を演じる上で、“のび太くんの気持ちの流れ”を的確に捉えられてるかなとは常に思っています。でも、それはテレビ版でも同じこと。
ふだんはドラえもんに助けてもらっている印象が強いですが、だからこそ自分ができるときには「助けてあげたい」。そんな気持ちも、(テレビも映画も)すべてつながっていると思うんです。「ドラえもんを大切に思っている」というところをベースに、そのときの感情を乗せて発しているだけなので、あまり変わらないですね。
――水田さんは、演じる上での違いについてはいかがでしょう。
水田:収録時間が長いので、燃費を悪くしないようには気をつけています。収録は2日間なのですが、待ち時間がほとんどなくずっと演じ続けているので、すごく濃い2日間なんです。体調管理はとにかく大事にしていて、劇場版の収録が終わったら「ふっ」と一息つく感じはありますね。
――ほかに、『映画ドラえもん』で大切にしていることはありますか?
水田:スタジオの空気の話になりますが、やはりゲスト声優の方をあたたかく受け入れる雰囲気作りを大切にしています。
自分も逆の立場のとき、先輩に声をかけてもらったことがうれしかったという経験があるので。とくに、番組が長く続いていれば続いているほど緊張してしまうものだと思うので、私は休憩時間にはゲスト声優の方に近づいたりして、話しかけたりしています(笑)。
シルバー(大泉洋さん)©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018