連載記事:妊娠・出産でもらえるお金2018
つわりや切迫早産で使える「傷病手当金」とは【妊娠・出産でもらえるお金2018 Vol.6】
■傷病手当金とは?
© Monet - stock.adobe.com
病気休業でお給料がもらえなかった場合に、生活を補償するための制度。病気やケガで連続3日以上休んだママが、休業4日目からお給料が支払われない場合に休業手当として支給される。
ちなみに、傷病手当金を受給中に産休に入った場合は、出産手当金が優先され、傷病手当金の支給は停止する。出産手当金の支給が終わったのち、傷病手当金の受給条件を満たしていれば、再び傷病手当金を受け取ることも可能。
■傷病手当金のもらえる金額は、いくら?
日給(※)の3分の2に相当する金額 × 連続して休んだ日数 − 3日
もらえる期間は、休んだ4日目から最長で1年6ヶ月。お給料が支払われている場合でも、その金額が傷病手当金より少ない場合は差額が支払われる。
※日額:標準報酬月額÷30
(標準報酬月額とは社会保険料などを計算するためにお給料や交通費を含めた金額を50等級『健康保険の場合』に分けたもの。具体的な額が知りたい場合は、担当窓口に問い合わせするのが良い)
■傷病手当金をもらえる人は、どんな人?
勤務先の健康保険(共済組合)に加入していて、連続した休みが4日以上になった人。働くママでも、健康保険が国民健康保険の人は、残念ながらこの制度は使えない。
(国民健康保険には、傷病手当金の制度がないため)
■傷病手当金 手続きの概要
①勤め先に報告
安静または入院が必要なことを勤め先に報告する。原則として、傷病手当金を受け取るためには、医師による診断書が必要になる。
②申請書の記入、必要書類を提出
傷病手当金の申請書を入手し(健康保険組合のホームぺージからダウンロードできる場合も多い)、必要事項を記入。その他、必要な書類をそろえ、勤務先の担当窓口に提出する。医師の診断書を入手・申請書記入以外は、勤務先の担当窓口が手続きをしてくれることもあるので確認を。
◆コラム:傷病手当金が妊娠に関係するケース◆
●つわり ●切迫早産 ●流産 ●妊娠高血圧症候群 ●子宮頸管縫縮術
© Monet - stock.adobe.com
プレママたちには、体調が芳しくない時、是非とも、母胎最優先の妊婦生活を送って欲しいと思う。かくいう私自身、最初の妊娠時、仕事を優先して無理をし、不正出血をしてしまったことがある。あのとき、仕事を優先した気持ちを、どんなふうに表現すれば良いのだろうか? 待ち望んで妊娠したはずなのに、気持ちはまったく「母親」に着地できていなかったという感じ!?
不正出血をして入院した病院で、「母胎は、赤ちゃんにとって大切な保育器。
あなたにとって妊娠期間は数か月だけれど、赤ちゃんにとっては、一生を左右する問題なのよ!」と、看護婦さん言われた。ものすごくハッとして、心に残っている言葉だ。
赤ちゃんが産まれれば、いや応なしに、「子ども最優先の生活」が始まる。それは残酷なまでに、「それまでの生活」とまったく違う生活だ。「妊娠期間は、『母親』に着地するための助走期間」くらいに受け止めておくと、気持ちのシフトが楽かもしれない。
■傷病手当金 DATA
※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
景井ひな&草川直弥主演ショートドラマ「とあるラブホテルの最上階にて」配信