2018年6月28日 20:00|ウーマンエキサイト

「母からの呪縛」を解き、娘と母が共存するために必要なこと【母が重たい娘たち 第4回】

楢戸ひかる
ライター
楢戸ひかる
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母が重たい娘たち

母が重たい娘たち

「母にされて嫌だったことを、自分もわが子にしてしまうかもしれない…」。そんなふうに感じたことはありませんか? 「いま、虐待の世代間連鎖を怖がるママが、とても多いのが気がかりです」と話すのは、信田さよ…

母という存在がなぜ苦しいのか

© kei907 - stock.adobe.com


「実の母との関係に苦しむ女性の『出口』には、2つの側面があります」と言うのは原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子先生。一つ目は、母と物理的な距離をとる「外科的な処置」。最終回の今回は、「母からの本質的な脱却」について、お話しを伺いました。

■「自分のこと」を語れない娘たち

母という存在がなぜ苦しいのか

© naka - stock.adobe.com


信田先生は、「現在の自分の生きづらさが、親との関係に帰因する」と自認している35歳以上の女性を対象にしたグループカウンセリングを、1995年からずっと続けています。

「このグループに参加する女性たちは、『自分のこと』を、最初はほとんど語れないんです。自己紹介も含めて『自分』を抽出することが困難であることに、最初は、正直驚いてしまいました」(信田先生)

そんなときは、こんなふうに伝えるそうです。「お母さんについて述べてください」「あなたのお母さんがどれほどヘンな人だったかを説明してください」。こう前置きすることで、参加者の方たちは、語り始めることができるそうです。

■「被害者性」を自己承認するために必要な3つのステップ

ところで。「私が被害を受けてきた」と、「お母さんが●●した」というのは、一見、同じような言い回しに感じますが、じつは、微妙に異なります。

前者では「被害を受けた自分」が認識の出発点ですが、後者は母からの被害の状況を語っているにすぎないからです。「なかなか自分を出発点に話ができないこと。それが、長年母親との関係に悩んできた方々の、大きな課題でもあるのです」(信田先生) では、どうしたら良いのでしょうか?

「自分を出発点」に話ができるようになるためには、3つのステップが必要です。最初は、母が自分に対して行った言動を表現すること。 次に、それが自分にとって一種の虐待(加害)行為であったと認め、結果的に自分が被害を受けたことを承認することです。
<被害者性の承認までの3ステップ>
(1)理不尽で腑に落ちない母の行為を描写する

(2)母の行為を評価する(ひどい、無自覚、無神経、残酷)= 母の加害性を認める

(3)自分の反応(つらくて苦しい、怖いなどの情緒的反応、緊張で呼吸が速くなるような身体的反応)が当然と思える = 被害者性の承認

■「母親を研究する」ことが母からの呪縛を解く

母という存在がなぜ苦しいのか

© patrykolczak - stock.adobe.com


娘が、「被害者性の承認」ができるようになったら、いよいよ最終仕上げです。ここでも、DVと重ねるとわかりやすいそう(※)。信田先生は、言います。「DVをふるう夫の認知の仕組みや成り立ちについて知識をもつことが、最大の力になります」
※母と娘の関係性とDVの構造はよく似ている。
妻はDV夫に対して、さんざんコミュニケーションの必要を訴えても、彼らはそれを聞かずに、暴力を振るい続ける。しかし妻が夫の関係を無理だと気が付いたとたん、夫はコミュニケーションを取ろうと言い出す。母娘の関係も、娘が母から離れるという強い危機感を感じた段階で、やっとコミュニケーションをとろうと母は言ってくる。

母親の場合もしかり。「母親という一人の女性をどのようにとらえるか? なぜあのような生き方しかできなかったのか? 何が母にとって大きな挫折・転機・トラウマだったのか? そういったことを研究することが、母の認知の仕組みや成り立ちについての知識を持つことになるのです」(信田先生)

つまり、「母親研究」とは、「母の形成過程」を知ること。「母の形成過程の解析・文脈化こそが、母の強力な磁場に取り込まれないための力になり、母からの呪文を解くカギにもなるのです」(信田先生)。

最後に、信田先生からのメッセージをお伝えして、この特集を終えましょう。

母娘問題を考えるときに重要なのは、「母と娘の力の不均衡」を前提とすることです。母は、「世間の常識」と「親の力」という力をバックにしていますが、娘は「それに対する反逆者」という烙印を押され、罪悪感に満ちてしまっています。

母への恐怖や忌避感がある程度減少するまでは、ご自身の味方になってくれる人を、とにかくいっぱいつくりましょう。建物の土台にあたるのが、その人たちとのつながりです。もちろん本連載のような記事や、書籍でもよいでしょう。娘たちは、この「積み上げた土台」の上に立つことで、やっと両者の力の不均衡が和らぎます。そして、「娘と母との共存」が、はじめて可能になるのです。
母という存在がなぜ苦しいのか

© beeboys - stock.adobe.com


■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作
『母・娘・祖母が共存するために』信田さよこ
『母・娘・祖母が共存するために』(¥1,512(税込)/朝日新聞出版)
子育て中にママにこそ、読んで欲しい!
母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)

信田 さよ子さん
臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。

読者アンケートにご協力ください (全4問)

Q.1 実の母親との関係性で悩んだことはありますか? (必須)

Q.2 Q1 で「ある」と回答した方に伺います。悩んだ内容で当てはまるものを教えてください。 (複数選択可)

Q.3 年齢をお聞かせください (必須)

Q.4 「私の母はこんな毒親でした」「毒親との付き合い方」「もしかして私も毒親?」など、「毒親」にまつわる体験エピソードがあればお聞かせください。 (最大1000文字)

 
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