フードスタイリストの飯島奈美さん。
栄養豊富でカラダにもよい身近な食材
「梅」。でも、梅干しは食べ方も限られるし、そもそも酸っぱくて
小さな子どもは苦手なことも多く、なかなか日々の食事には取り入れにくいと思っているママも多いのでは?
「実は、梅干しはそのまま食べるだけでなく、
調味料として使うこともできるんですよ。加熱することで酸っぱさが和らぐうえ、料理の味にぐっと
深みがでます。かんたんに味がきまるので調理の
時短もできる優秀食材なんです」と語るのは、映画『かもめ食堂』『海街diary』やドラマ『ごちそうさん』などで知られるフードスタイリストの
飯島奈美さん。
飯島さんも愛する
「梅」の魅力と、お子さんと一緒においしくいただける
梅料理レシピをご紹介します。
■飯島奈美さんも愛用! 時短料理に活躍する「梅干し」と「梅酢」
飯島奈美さんは、梅の名産地である和歌山で
「梅酢」に出会ってから梅干しや梅酢を料理に積極的に活用するようになり、いまではオリジナル梅酢「紀州の、うめ酢」をプロデュースしているほど大の梅好き。
左:飯島さんの梅酢レシピ本『難のがれレシピ』 右:飯島さんプロデュースの『紀州の、うめ酢』
梅酢とは、梅干しを作る過程でできる
栄養たっぷりのエキス。市販品もありますし、梅干し専門店などで梅干しを買うとおまけでもらえることもあります。梅酢は液体なので、そのまま調味料としてかんたんに使えます。
左から、たたいた梅、ちぎった梅、まるごと梅
梅干しを料理に使う場合は、まるごと、もしくはちぎったり、たたいたりしたものを使います。最近はいろいろな味の梅干しがありますが、料理に使うなら昔ながらの塩だけで漬けた梅干し
“白干梅”が使いやすいそうです。たたくのが面倒なら、ポリ袋にいれて、上からつぶしてもよいとのこと。
飯島さん監修『まいにち元気31日の梅レシピ!』(発行:和歌山県みなべ町)より
「梅干しや梅酢は本当に大好きです。梅は調味料として使うと食べやすいですよ。トマトを切ってたたいた梅とシンプルに和えるだけでもおいしいですよね」(飯島さん)
■飯島奈美さん流 「梅」のおいしい使いかた
すべて梅や梅酢を使った料理。 飯島さん監修『まいにち元気31日の梅レシピ!』(発行:和歌山県みなべ町)より
「まずは、いつも醤油を使っていたところを
半分梅酢におきかえると、なじみやすく食べやすいですよ。 お子さんがいると、ちょっと変わった料理を作ると食べてもらえないということもあると思うので、ふだんの料理をベースにするのがおすすめです」(飯島さん)
梅は、
塩、醤油、味噌などの調味料とおきかえやすく、塩分量に合わせて多少量の調節をすればOK。もちろん和食以外の料理にも使えます。
「梅酢は
オリーブオイルとも相性がよいですよ。マヨネーズと混ぜても味が締まるので
ポテトサラダに使ってもいいですし、
カレーなどに隠し味として少し入れてみても。殺菌効果もあるのでお弁当やお惣菜にも便利です」(飯島さん)
飯島さん監修『まいにち元気31日の梅レシピ!』(発行:和歌山県みなべ町)より
梅の味は
海外でも好評だそうで、以前フランスでの撮影時のケータリングで、モッツアレラとカキとイチジクに梅酢とオリーブオイルをかけたものを出したところ、「どうやって作ったの?」と驚かれたとか。「梅は醤油や味噌と並んで
世界に誇れる調味料だと思います」と飯島さん。
■子どもも大満足! 時短でおいしい梅レシピ3選
そんな飯島さんが先ごろ関わったのが、梅レシピ本
『まいにち元気31日の梅レシピ!』。日本一の生産量を誇る梅の町、和歌山県みなべ町が発行した1カ月31日分の梅レシピ本です。このレシピ本は、みなべ町のホームページから誰もが無料で
ダウンロードすることができます。
『まいにち元気 31日の梅レシピ!』。和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」や和歌山県東京事務所、“紀州わかやまフェア”ほか、イベント等で配布予定。みなべ町のHPからもダウンロード可。
この本は、みなべ町で活動する7団体が「31日の梅レシピ制作委員会」として参加し、日本の伝統の食文化である梅を身近に感じてもらえるような梅レシピをまとめたもの。飯島さんはアドバイザーとして参加し、監修やオリジナルレシピの制作を担当しました。
飯島奈美さんと31日の梅レシピ制作委員会のみなさん
今回は本の中から小さな子どものいるファミリーにとくにおすすめのレシピをご紹介します。
▼ついつい手がでるおいしさ!「梅酢からあげ」
みなべ町では学校給食でも出る郷土の味。実際に食べてみると、うま味と塩味が絶妙でついつい手が伸びます。味つけが梅酢だけなので時短にも。子どもも大人もハマる味です。
【材料】(2人分)
鶏もも肉 300g
梅酢 大さじ3
片栗粉 大さじ3
揚げ油 適量
【作り方】
1. 鶏もも肉をひと口大に切る。
2. 1と梅酢をポリ袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、軽く揉んでから1~2分おく。
3. 2の水分を軽く気って片栗粉をまぶし、170~180度の油で揚げる。
※梅酢のかわりに、たたいた梅小さじ2~2と1/2でも可
▼子どもにも大人気! 「梅酢カルボナーラ」
子どもが大好きなカルボナーラ。
大人にはちょっとソースがこってり重いイメージがあるかもしれませんが、梅酢を使うとさっぱりして家族みんなが食べやすい味に。
【材料】(2人分)
パスタ 180g
水 2リットル
塩 20g
オリーブオイル 大さじ2
にんにく 1かけ
酒 大さじ1
パスタの茹で汁 大さじ1
厚切りベーコン 50g
エリンギ 1パック
<ソース>
生クリーム 100cc
粉チーズ 大さじ2~2と1/2
卵 2個
梅酢 大さじ1
こしょう 少々
粗挽きこしょう 適量
【作り方】
1. 沸騰させた湯に塩を入れ、パスタをパッケージの表示よりも1分短く茹でる。
2. エリンギを食べやすくスライスする。ベーコンを1cm幅の短冊に切る。
3. ボウルにソースの材料を混ぜ合わせる。
4. フライパンに、オリーブオイルとスライスしたにんにくを入れて火にかけ、香りが立ってきたらベーコンとエリンギを加え炒める。茹で汁と酒を入れ、火を止める。茹で上がったパスタを入れる。
5. 3のソースを4に加えて混ぜ合わせる。
6. お好みで、粗挽きこしょうをふる。