連載記事:老後までに2000万円貯められる?
じつは「老後に2000万円必要」とは報告されてなかった!?【老後までに2000万円貯められる? 第2回】
イラスト:ありま
2019年は、公的年金だけでは
「2000万円足りない」問題が注目されたことにより、「老後について、本気でどうにかしなきゃ!」と、危機感を感じた人も少なくなかったのかもしれません。
「老後に2000万円足りないって、本当?」お金の超プロフェッショナルである
横山光昭さんにお話しを伺ってきました!
この記事は、
第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」の続きです。
横山 光昭(よこやま・みつあき)さん
家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。
■老後2000万円足りなくなるって、本当?
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取材の冒頭、「老後資金が、2000万円足りないって、本当ですか?」という、素朴な疑問を横山さんにぶつけてみました。
横山さん曰く、「結論から言えば、ウーマンエキサイトのパパママ世代の方は今から、『自分の場合は?』と、
年金を自分事として考え始めれば大丈夫です」とのこと。
ほッ! 良かった! では、年金を自分事と考え始めるためには、何が必要なのでしょうか? いわゆる
「老後2000万円問題」の整理から始めましょう。
コトの発端は、6月上旬に公表された金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書です。全51ページの、たった一文(太線部分)だけが切り取られ、大騒ぎになりました。
●金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書
年金だけが収入源となる無職のある高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)。夫婦の年金収入が約21万円なのに対して、支出は約26万円かかっています。
その収入と支出の差となる不足額が毎月5万円。
これが20年間続くとすると、30年間で約2000万円が必要になるという試算です。
参考文献:金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書(全51ページの21ページ目)
■「絶対に2000万円が必要だ」などとは書いていない
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報告書は、ネット上で誰でも目をとおすことができます。「私も報告書が公表されてすぐに目をとおしましたが、あの報告書では、
『老後の生活に、絶対に2000万円が必要だ』とは書かれていません。紹介されていたのは、ある平均的な夫婦の老後の資産(例)です」(横山さん)
「ある平均的な夫婦の老後の試算(例)」についての解説は次回行うとして、ここでは、この報告書のポイントを整理しておきます。とても大切な報告書なので。
●ウーマンエキサイト世代のパパママが知っておくべき3つのポイント
1)長寿化はこれからどんどん進んでいく。
2)充実した人生を送るためには年金だけでは足りない。
3)自分事として準備しましょうと「自助努力」を促す。
筆者作成
ところで。皆さんは自分の年金について、
「いつから」「どのくらい」もらえるのか知っていますか? 年金について、今、何か準備していることはあるのでしょうか?
「自分の年金について考えたことのなかった方、これまで誤った情報に惑わされていた方に、この連載を通じてメッセージをお伝えしたいと思っています」(横山さん)