連載記事:老後までに2000万円貯められる?

じつは「老後に2000万円必要」とは報告されてなかった!?【老後までに2000万円貯められる? 第2回】


■キーワードは、「人生100年時代」

じつは「老後に2000万円必要」とは報告されてなかった!?【老後までに2000万円貯められる? 第2回】

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年金の問題を考える時、キーワードは、「人生100年時代」です。今では当たり前のように使われている「人生100年時代」というフレーズですが、そのキッカケは、『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社刊)という本がよく売れたことにあります。

この本の初版は、2016年10月なので、約3年前、にわかに「人生が100年になった」=「長寿化が現実味を帯びた」といったイメージでしょうか。

『LIFE SHIFT』の中では、「人生の組み立て方が、今までとは違ってくる」と提言されています。端的に言えば、「教育→仕事→引退」という三つのステージで人生を考えるのは、長寿社会では無理だということなんです。

100年という時間を、自分らしく生ききるためには、「学び直し」をしたり、「複数の仕事を同時に持つ」など、これまでの違う考え方で、人生を捉えていく必要があるとされています。


■年金だけで暮らせる人は1割

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私たちの親世代は、「教育→仕事→引退」というライフステージを送り、仕事を引退した後は年金だけで暮らしている人も多いでしょう。けれども、私たちが仕事を引退する頃は、高齢化が進んでいます…。

「端的に言っておきましょう。これからの日本では、年金だけではほとんどの人は暮らしていけません。ほとんどいうのは全体の8~9割くらいの人です」(横山さん)

つまり、年金だけで暮らせる人は1割。「老後は年金があるから何とかなるだろう」という発想があるとしたら、それ自体、今の現役世代にとっては現実的ではないのです。「この記事をキッカケにして、ぜひ、その考え方から離れて欲しいと思います」(横山さん)

■老後に向けて、今、私たちがやるべきこと2つ

では、どうしたら良いのでしょうか? 横山さんより、私たちがやるべきことをポイントを絞って2つ教えてもらいました。

●今、私たちがやるべきこと2つ
1)自分自身の年金受取額の見込みを把握すること
2)今とこれからの社会状況を認識した上で、『将来の自分の場合はどうなのか』を知っておくこと
1)の自分自身の年金受取額の見込みを把握する方法については、今後詳しく説明します。
まずは、上記の2つをクリアした上で、「自分は将来どういったライフスタイルを目指すのか?」を考え、「そのためには、どうしていけばいいのか?」を、各人が探っていく必要がありそうです。

「人に勧められるままに内容を理解せず投資をしたり、極端な節約生活を続けていくのは老後の生活が危ういだけでなく、長続きしません」(横山さん)

●「老後までに2000万円貯められる?」第2回のまとめ
1)「老後資金2000万円問題」、年金を自分事として考えるキッカケにする
2)「人生100年時代」は、今までとは違った生き方をしていく必要がある
3)「今、私たちがやるべきこと2つ」を知っておく

次回は、年金を自分事として感じられるよう「2000万円より必要な人、少なくて済む人」について、具体的に考えてみます。

※本特集で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。


<参考サイト>
金融庁:金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)

■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍
『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?
人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』

じつは「老後に2000万円必要」とは報告されてなかった!?【老後までに2000万円貯められる? 第2回】(横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))


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