夫を捨てたい。いくたはなが本音でつづる壊れかけた夫婦の風景
■なんで私ばっかり…母親たちが抱える苦しみの本質
本作は“夫婦の危機”という主テーマを通して、現代の母親たちが抱える切実な問題を浮き彫りにしていきます。
主人公のはながかつては結婚したいと願うほど好きだった夫を「捨てたい」と思うに至るのも、そんな夫婦2人だけの問題とは言い難い現実があるように…。
『夫を捨てたい』より
小さい子どもを抱えながら働けば、周りに迷惑をかけてしまうことは避けられない現実。だけど仕事を辞めたら辞めたで社会からの疎外感に苦しむことにもなる…。
一体何が正解なのだろうと悩む辛い日々。
だけど、もっと辛いのは夫がその苦しみを理解してくれないことなのでした。
『夫を捨てたい』より
妻に働くことを望むにも関わらず、育児もすべて妻任せの夫。日々の結婚生活は幸せを分かち合うというよりもむしろ、苦労をひとりで背負わされているかのような暮らしでした。
そんな日々のなかではなの心に浮かんだ一つの疑問。
「そんな夫、私に必要?」
その後2人目の妊娠を機に、ますます夫婦の溝は深まっていきます。