連載記事:ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」
別居しても離婚はしない、夫婦を続けるために一緒に住まない選択【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第12回】
イラスト:中村こてつ
こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。
これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。
そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。
今回は、
「うちの夫婦は仲良い? 悪い? 明暗分ける5つのチェックポイント」という記事に寄せられたお悩みです。
記事では、5つの項目において夫婦仲の良し悪しをチェックするポイントをご紹介しましたが、「別居して距離を置いたほうが夫とうまく付き合える」という方からのお話です。
■質問:別居して距離を置いたほうが夫と仲良くできるのはどうして?
夫とは、籍を入れたままですが、別居中です。記事にあった仲の良い夫婦のチェック項目は、全く◯がつきませんでした。やっ ぱり、夫とは離れて良かったんだと痛感しました。
悲しいけれど、毎日顔を合わせず、たまにメールするくらいの今の距離のほうが、思いやりをもって相手に接することができるようになりました。
■回答:離婚しないための別居が選択肢の一つになってもいい
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ご相談者様は現在すでに別居をされていて、その結果、一緒に住んでいらしたときよりも夫に思いやりを持てるようになったことに気がついたのですね。
その決断にいたるまでは、おそらくいろいろな葛藤や迷いがあったと思います。しかし、実際に距離を置いた現在、お互いに快適な状態に落ち着いたようで、まずはその点については良いご判断だったといえますね。
かつて、女性にとって結婚が永久就職先であり、極端な話、それ以外には生きていく道がないかのような風潮でした。一旦結婚したら女性は夫の家族の一員となり、子どもを生み育てて生涯を共にするため、「お嫁にいく」「嫁をもらう」といわれていたのでしょう。
しかし、女性が仕事をすることが普通になり、実に女性(15歳以上)の2人に1人が働いています(厚生労働省
「平成29年版働く女性の実情」)。女性ひとりでも生活を自分で支え、経済的に自立できるようになった今、妻は「夫の家に就職する」以外の選択肢も選べるようになりました。
そのため、お互いが納得し快適と感じていれば、夫婦の生活スタイルは必ずしも同居にこだわらなくてもよくなったといえるでしょう。
おそらくご相談者様もそういう背景があり、夫婦を続けるために別居という選択肢を選んだのだと思います。