家庭優先の出世欲のない夫…妻の言ってはいけない一言で訪れた”夫婦の危機”に読者の反応は?
バリバリ働く妻と、家庭のことを優先してくれる夫。そのバランスの夫婦だったはずなのに、あることをきっかけに、妻は夫に不満をもらしてしまい、取り返しのつかない事態になってしまいます。
家庭が最優先! な夫に感謝しつつも…
私は奈々子。デザイン会社でデザイナー兼ディレクターをしています。
夫の隆は老舗家具メーカーの事務関係。私と結婚した時に転職してもうすぐ8年になりますが、育児に家事にと、率先してやってくれます。


夫は私が仕事で帰宅が遅くなっても嫌な顔ひとつせずに、夕食を作って待ってくれている…とてもありがたかったです。
一方、私は大きなプロジェクトに関わることが増えて忙しくなり、平日担当しているのはお皿洗いとゴミ出しだけになってしまっていました。

実は、夫は今の職場に勤めて5年目ぐらいから「仕事がしんどい」とこぼすようになり、最近は必要最低限のパワーしか割きたくないとまで言うようになっていたのです。
そんな言葉を聞いているので、毎日定時に帰ってきて家のことをやってくれるのはとてもありがたいのですが、会社のほうは大丈夫なのかと心配でもありました。


もしかして夫は、仕事から逃げる口実に家事をしているってことはない? 今はいいけど、子どもたちもいるし、先々は大丈夫?
……不安になってしまいました。
そこで、学生時代からの友人で私たち夫婦のことをよく知る由貴に相談してみました。


たしかに、仕事から「逃げている」わけではないのかもしれない……。


そもそも「家庭を持つならもう少し安定した仕事についてほしい」と夫に頼んだのは私でした。彼はその願いをかなえようと、安定した今の会社に転職。そして、今の安定を優先してくれている。
由貴と話したことで、私は今の夫の状況を理解してあげられたような気がしました。
帰宅すると、夫は子どもたちと一緒に寝ていました。
その光景を見て、私はとても幸せに感じたのに……後日、夫にひどいことを言ってしまうのです…。
夫にキレてしまった私。感謝しているはずなのに……
そんなある日のこと。私は社長に呼ばれました。

思いがけない話に、とても嬉しく、誇らしい気持ちになったのですが、社内では「実力が伴わないくせに」「女だから引き立てられただけ」といった批判的意見も漏れ聞こえてきて、私はストレスを感じていました。

私の父親は仕事の愚痴一つこぼさずに、私たち家族のために働いてくれました。
そんな父親が大好きだった私は、目の前の仕事の愚痴を吐く夫についキレてしまったのです。