まずは何から始めればいい? 防災インテリアの対策手順と部屋別のポイント【整理収納アドバイザーMisaさんに教わる防災インテリア術 Vol.2】

整理収納アドバイザーMisaさんに教わる防災インテリア術

整理収納アドバイザーMisaさんに教わる防災インテリア術

心地いいインテリアをキープしつつ防災対策をするには、どこからはじめればよい? 整理収納アドバイザーMisaさんに「防災インテリア」のヒントを教えていただきました。

(C)Misa

© Misa


3月は防災月間! さらに4月からの新生活を迎えるにあたって、改めて見直したいのが家の中の防災対策。家族にとって心地いいインテリアはキープしつつ防災対策をするには、どこからはじめればいいのでしょうか?

そこで、『おしゃれ防災アイデア帖 日々の暮らしに馴染み、“もしも”の時は家族を守る70の備え』(山と渓谷社)の著者で、整理収納アドバイザーMisaさんに、防災とインテリアの両立のコツについて伺いました。

第2回は、防災インテリアの対策手順と部屋別の防災ポイントについて。

まずは何から始めればいい? 防災インテリアの対策手順と部屋別のポイント【整理収納アドバイザーMisaさんに教わる防災インテリア術 Vol.2】Misaさん プロフィール

整理収納アドバイザー・地震ITSUMO講座認定講師。夫と息子二人との4人暮らし。2018年に起きた大阪府北部地震をきっかけに、暮らしに馴染む備えを考えはじめる。インスタグラムは15万人以上のフォロワーを持つ。著書に『北欧テイストのシンプルすっきり暮らし〜散らかっても10分で片づくアイデア〜』(マイナビ出版)『おしゃれ防災アイデア帖 日々の暮らしに馴染み、“もしも”の時は家族を守る70の備え』(山と渓谷社)がある。
HP:https://ruutu73.com/
Instagram:@ruutu73@kurashi_bosai


インテリアの防災対策 3ステップ

連載第1回めでお伝えしたとおり、好きなものと防災を両立させているMisaさんの防災インテリアのコツは、100%完ぺきな状態を目指すのではなく、自宅の環境や家族の価値観に合わせてバランスを考え、楽しみながら取り入れること


まずは何から始めればいい? 防災インテリアの対策手順と部屋別のポイント【整理収納アドバイザーMisaさんに教わる防災インテリア術 Vol.2】

Misaさんの著書『おしゃれ防災アイデア帖 日々の暮らしに馴染み、“もしも”の時は家族を守る70の備え』(山と渓谷社)


それを大前提として、まずは家の中の防災対策として意識するといいこと3ステップでご紹介します。


ステップ 1:家の中で一番背の高い家具をチェック
ステップ 2:家具の向きは出入り口を塞がないかチェック
ステップ 3:家の中で絶対に安全な場所をつくり、家族で共有する


【ステップ 1】
家の中で一番背の高い家具をチェック

まずは家の中で一番背の高い家具はどれか確認して、対策することからはじめましょう。

家の中のすべての家具を固定しましょうというのは難しいしお金もかかるもの。もっとも危険な背の高い家具はどの位置にあって、どの方向に倒れる可能性があるのか、想定しておくことが大切です。

また、基本的に災害時は大きな家具は倒れるものだと捉えておくこと。倒れないようにするというより、倒れるまでの時間を稼ぐ=減災対策と考えるのがベターです。

突っ張り棒だけだと外れる可能性もあるので、耐震ジェルマットを下に敷いて二重で対策するのが理想的。でも、見た目が気になるならばどちらかだけでもOK
家族の価値観と照らし合わせて選んでください。

また、重心を意識することも大切。上には軽いもの、下には重いものを入れて、割れものはなるべく上に置かないといった工夫も減災につながります。

【ステップ 2】
家具の向きは出入り口を塞がないかチェック

防災のことを考えると極力家具をおかないことがベストですが、利便性や暮らしの豊かさなどを考慮すると、何もおかない状態にするのはなかなか難しいもの。

ここでも減災を意識して、
・災害時に家具が倒れたときに出入り口や通路を塞がないか
・寝ている家族の方へ倒れてこないか

家具の向きを確認しましょう。

家具の縦と横の幅を考えれば、倒れる向きは想像できるはずです。

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万が一ドアの前で家具が倒れてしまい、なかにいる子どもが助けられなくなってしまったら? 想像するだけで寿命が縮む思いがしますよね。

出入り口の確保はとても重要なので、家具以外にも塞ぐ可能性のあるものをおいていないか、家族みんなで意識しておくといいですよ。

【ステップ 3】
家の中で絶対に安全な場所をつくり、家族で共有する

すべての部屋を完ぺきに防災対策するというのはハードルが高いので、家の中でここは絶対安全という場所をひとつは確保し、それを家族みんなで共有しておきましょう。

一番安全な部屋をつくるポイントは、
腰より低い高さの家具だけにする
出入り口付近にものはおかない
…こと。

我が家は子ども部屋を一番安全な場所にしているのですが、もし大きな地震がおきたら、テレビや大きな家具から離れるなど最低限の身の安全を確保して、そのあとは家から飛び出したりママとパパを探し回ったりせず、一番安全な子ども部屋で待っていてねと伝えてあります。

これは、我が家が自宅避難できる環境であることが前提になりますが、いざというときにここに居れば安全という場所があると、安心感がアップしますよ。

部屋別の防災ポイント

続いて、部屋別に防災インテリアのポイントについても伺いました。

【キッチン】

一番危険なのは食器棚

体験談として聞いてはいたけれど、実際に大阪府北部地震のときに前にカタカタとせり出してきて中の食器が飛んできたのを経験したので、以降は食器棚の脚を外して高さを低くし、耐震ジェルマットを敷くようにしました。

また、重たい大皿は一番下にしまい、積み重ねるのではなくディッシュスタンドを使って立てて収納するようにしました。


コップなどの棚にも滑り止めシートを敷いて、ぶつかり合うのを軽減しています。

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また、オープンシェルフを利用している場合は、頭から上の位置におくものは万が一落ちても割れないものや当たっても怪我をしない、缶や木製のカゴを活用するのがおすすめ。見た目もかわいいですよ」

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【リビング】

「最近のテレビは薄くて軽いので以前ほど危険ではないですが、耐震ジェルマットを敷いていた方が安全です。

意外と忘れがちなのが、観葉植物。リビングに植物があるだけで癒し効果がプラスされるので取り入れている方も多いですが、とくに吊るしている観葉植物の鉢はプラスチック素材を選ぶようにしましょう。


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最近はプラスチックでも陶器のようにおしゃれでかっこいいものも増えましたし、遠目なので素材感は案外目立ちません。

また、ポスターフレームもフロントパネルがプラスチック製で軽くて割れにくいものがおすすめです。

そして、陶器の置物など落ちると壊れる可能性のあるもので、暮らしを豊かにするために飾ることを優先したいお気に入りのものは、裏に滑り止めとしてジェルテープを小さく切って貼りつけておくといいですよ」

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次回の第3回は、実際にインテリアとしても使えて、じつは防災のときに役立つ便利なアイデアやグッズをご紹介します。

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