コミックエッセイ:夫婦・子育ていまむかし
奴隷から総理大臣に! どんなピンチも とにかく明るい高橋是清とは?【夫婦・子育ていまむかし Vol.25】
留学したら奴隷として売られた…!
なんと仲介した貿易商に渡航費や滞在費を着服され、さらにホームステイ先では英語がわからないのを良いことに騙されて奴隷契約にサインさせられてしまうのです!!
凡人ならここで自分の境遇を悲観したり呪ったりするところですが…。
ここで是清の天性の才能と生きる力が発揮されます。
というのも…是清は自分が奴隷になったことに
『気づいてなかった』
「留学って厳しい勉強だなぁ」
と納得して働いていたそう。
14歳という若さでまだまだ世の中を知らなかったというのこともありますが、窮地を窮地と思わない
鈍感力というかポジティブというか…。
いろんな家庭に転売され、辛い思いをしながらも、英会話を習得した是清は奴隷契約に気づき、江戸幕府からサンフランシスコの名誉領事を嘱託されていた人物を頼り、契約を取り消すことに成功!
ようやく日本に帰るのです…が!
時は1868年、明治元年。
つまり…明治維新真っ只中でした!
留学前とは全く違う景色が目の前に広がっていたー。
故郷である仙台藩は幕軍、つまり征伐される側の賊軍になっていたわけで…帰るべき場所もなく途方に暮れた是清。
しかしここで救いの手が。同時期に帰国して外国人判事の職を得ていた森有礼から声をかけてもらい、森の書生として働いて、英語教師としての職を得ます。ところが、茶屋遊びなどで遊んでしまいその職を失います…。その後、文部省(現在の文部科学省)に入省するんですがーー。
てことで、足軽の養子から奴隷を経て文部省の官僚までいったんだから、これでめでたしめでたし…。
というわけにはいかず、ここからまた嘘でしょ!?という転落を経験します。