くらし情報『コム デ ギャルソン 2025年春夏コレクション - ヴェールが織りなす〈現れ〉』

コム デ ギャルソン 2025年春夏コレクション - ヴェールが織りなす〈現れ〉

コム デ ギャルソン 2025年春夏コレクション - ヴェールが織りなす〈現れ〉

コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2025年春夏コレクションが発表された。テーマは「UNCERTAIN FUTURE」。

襞なす襞、存在の〈現れ〉
「unveil(=ヴェールをとり払う)」という単語に見られるように、「ヴェール」とは一般に、覆い、包み、遮ることで、物の在り様を隠すことに結びつけられる。衣服もまた、身体を隠すためのものだと捉えられやすい。たとえば、西洋絵画の伝統を思い起こすのならば、真理を表す女性像は、布をまとわぬ裸形の姿で表された。ヴェールとは、存在を隠蔽するものであらざるをえないのだろうか。

思うに、コム デ ギャルソンにとってその答えとは「否」ではなかろうか。そこでヴェールとは、存在の〈現れ〉にほかならない。
半透明のヴェールは、幾重にも重なり、褶曲し、縺れる。あるいは、量感に満ちみちたパファー素材をその裡に含みこむ。1枚の平面としてはヴェールは、こうして大胆なボリュームを獲得し、身体のフォルムから遊離した造形──譬えるのならば、19世紀後半のクリノリンやバッスルによるドレスのように──を生みだしているのだ。

実際、存在を覆う幾重ものヴェールをうち払えば、ヴェールの先にある存在が明らかになるのだろうか。

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