片栗粉で失敗しないために 食品メーカーが教える『とろみ』のつけ方とは?
料理にとろみを出すために『水溶き片栗粉』を使うことがありますね。
例えば『揚げ出し豆腐』はその代表格。ほかにも中華料理のあんかけにも使われています。
水溶き片栗粉を加えたものの、だまになったり、逆に水っぽくなったりして、うまくとろみがつかないという経験はないでしょうか。
本記事では、100年以上の歴史を持つ老舗メーカーで、片栗粉の加工・販売を行っている前原製粉株式会社(以下、前原製粉)に取材。とろみをつける際に失敗しない方法をうかがいました。
※写真はイメージ
片栗粉はカタクリの粉だった
2026年4月現在、市販される片栗粉の主原料は、ジャガイモ由来のでんぷんが大半を占めています。
前原製粉によると、片栗粉はもともと、日本の北東部の原野に自生するユリ科のカタクリの根茎から採れるでんぷんの粉だったとか。
「無味無臭で光沢のある粉末で、昔から幼児食や病人食のほか料理や菓子の材料などに幅広く使われてきた」そうです。
しかし、カタクリの粉が高価になるにつれ、多くがジャガイモ由来に変わっていきました。
ジャガイモとカタクリの2つに共通している『でんぷん』こそが、とろみの秘密です。
片栗粉の性質について、前原製粉は「片栗粉のでんぷんが水を吸い、加熱することによってふくらみ、粘りになります」と説明。粘りがある状態を『糊化(こか)』と言い、糊化したでんぷんを加えることで、料理にとろみがつくそうです。
水溶き片栗粉は水加減が重要!加熱はその次
前原製粉によると、とろみがつきにくい場合、調味料の影響を受けている場合があると言います。
火入れしない醤油など、酵素が多く含まれる調味料を合わせると、とろみがつきにくくなることがあります。
『有機』『生』などの表示がある食品を使った際に粘りが出ないようなら、その影響を疑うのが正解かもしれません。
水溶き片栗粉を使う際、調味料のパッケージを確認してから、調理を始めるのがいいでしょう。
調味料を確認した上で、だまになったり、逆に水っぽくなったりして、うまくいかないのであれば、片栗粉と水の比率を間違えている可能性があります。片栗粉と水の分量は「片栗粉に対して、同量~2倍の量の水」で、2つを合わせたらよくかき混ぜることがポイントだそうですよ。
水またはぬるま湯を使うのが基本。片栗粉は水で溶いてから加熱しましょう。
水溶き片栗粉で付けたとろみは、料理が冷めるとなくなっていきます。前原製粉によると…。
いったん糊化したでんぷんは、冷める過程で元の状態に戻ろうとし、吸収していた水分の一部を放つため粘りが失われていきます。
料理の温度は60~80℃で粘度は最高になりますが、温度が下がるにつれてシャバシャバとした状態へ変化してしまうのです。
この現象はでんぷんの性質によるものなので、一度冷めてしまうと、温めなおしても元の強さほどには戻りません。
したがって、必ずしも温度が高ければいいというわけではなく、冷えるとほぼ確実にとろみは失われてしまいます。
水溶き片栗粉を作る時には、片栗粉と水の分量をよく計り、加熱はその次という順番を守ってくださいね。
前原製粉のアドバイスを守れば、失敗することもなくなるでしょう。
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[文・取材/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]