飲食店の『入店制限』、どこまでOK? 『子連れ客お断り』は問題ないのか
2026年3月末、ある飲食店がSNSに投稿した『声明』が大きな波紋を広げました。
その内容は、トラブルが頻発していることを理由に『未就学児(6歳未満)の入店をお断りする』というもの。
この投稿は多くの反響を呼び、SNS上ではさまざまな声が上がってました。
・店の雰囲気やほかの客を守るためには仕方ない。
・英断だと思います。きっとずっと苦労してきたのだと思う。
・個人的には残念だけれど、当然の対応なのかな。
・迷惑をかけないよう、マナーを守る子連れ客まで巻き添えになるのは悲しい。
また、観光地などでは『外国人入店お断り』といった貼り紙が話題になることもありますよね。
お出かけを楽しみたい客側と、店を守りたい店側。果たして、店側が客を制限することに法的な問題はないのでしょうか。
弁護士「『客を選ぶ自由』がある。しかし…」
飲食店などの施設が、特定の条件で入店を断ることは許されるのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――『子連れお断り』のように、店側が客を制限することは法律違反になりますか?
結論からいうと、原則として法律違反にはなりません。
日本には『契約自由の原則』という考え方があります。お店も私的な商売である以上、誰とどのような契約(サービス提供)を結ぶかは自由です。
そのため、『静かな環境を提供したいから未就学児は不可』『お酒を楽しむ場なので未成年は不可』といったルールを設けることは、店側の正当な権利として認められます。
※写真はイメージ
――どんな制限でも問題ないのでしょうか?例えば『外国人お断り』はどうですか?
そこには明確な境界線があります。
年齢やマナー、あるいは『ドレスコード』といった合理的な理由に基づく制限は認められますが、人種や国籍、信条などを理由に一律に排除する行為は別です。
これは憲法が定める法の下の平等に反し、公序良俗に反する差別的行為と見なされる可能性があります。
過去の裁判例でも、国籍を理由に入店を拒否したケースで損害賠償が命じられたことがあります。
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お互いが気持ちよく過ごせる社会のために
この問題は、法律で白黒つける以上に、私たち一人ひとりの『歩み寄り』が大切なのだと感じます。
店側は、なぜそのような制限を設けているのか、理由を丁寧に明示する。
客側は、そのお店がどのようなコンセプトで営業しているのかを理解し、マナーを守る。
『子連れで行けるお店』と『大人が静かに過ごすお店』。
それぞれの場所が役割を分かち合い、共存していくことが、結果として誰もが暮らしやすい社会につながるのではないでしょうか。
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『お断り』という言葉の裏にある、店側の想い。
そこに少しだけ想像力を働かせることで、春のお出かけがもっと優しいものになるといいですね。
[文・取材/LUIS FIELD構成/grape編集部]