「お酢を入れて洗濯したら生乾き臭が消える」は本当? 専門家が実験してみた結果
雨が多い時季の洗濯は、必然的に部屋干しの機会が増えます。
場合によっては、うまく乾かず、生乾きの嫌なニオイに悩まされている人もいるかもしれません。
そんな生乾き臭への対策として『お酢を入れて洗濯すると洗濯物や洗濯槽の殺菌になる』といった情報を見かけたことはないでしょうか。
撮影:grapeライフハック編集部
お酢の防腐効果は古くから知られ、寿司や酢漬け、しめサバなど保存食品や調理に幅広く利用されてきました。
この防腐効果を殺菌効果ととらえ、洗濯に利用するというものです。
本記事ではお酢の殺菌・防腐効果が本当なのか、検証してみました。
お酢を入れて洗濯をすると…
まず、洗濯物の細菌はお酢で殺菌できるのでしょうか。
黄色ブドウ球菌を染み込ませた5cm角の布片を洗濯物に、水温20℃の水300㎖を入れたビーカーを洗濯機にそれぞれ見立てます。
水だけと、お酢1.5㎖を加えたビーカーにそれぞれ布を入れ、1分間、攪拌(かくはん)した後に採水し、1㎖あたりの黄色ブドウ球菌数を比較しました。
添加したお酢は洗濯槽50ℓの水に対して、250㎖の量に相当します。
結果はこのようになりました。
※検証:エフシージー総合研究所
お酢を加えても菌数はほとんど変わらなかったことが分かります。
つまり、お酢を加えて洗濯しても、洗濯物やすすぎ水に含まれる細菌を除去することは難しいようです。
お酢の防腐効果は?
では、防腐効果についてはどうでしょうか。
普通のご飯と酢飯の細菌数を、調理直後と24時間後で比較してみました。
※検証:エフシージー総合研究所
調理直後はご飯と酢飯の細菌数に大きな差はありません。
しかし、24時間後、ご飯は多数の細菌が増殖していたのに対し、酢飯は微増した程度。
酢飯は普通のご飯に比べ、細菌数を10万分の1ほどに抑えていました。これらの結果から、お酢の効果で優れているのは『殺菌』ではなく、細菌の増殖を抑える『静菌』であることが分かります。
ただし、お酢は食品の腐敗防止に効果を発揮しますが、静菌効果は他の用途に応用しにくく、使用の場面は限られます。
お酢は洗濯には不向き
お酢には糖分やアミノ酸も含まれており、食品以外で静菌作用を利用すると、細菌やカビの栄養源として増殖を手助けしてしまう可能性があります。
したがって、洗濯にお酢を利用することは適切とはいえません。
洗濯物のニオイ対策をするのであれば、細菌の除去に力を入れるより、水分を除去して細菌を増やさない工夫をすることが大切です。
部屋干しの際には、サーキュレーターや、扇風機、除湿機などを利用して早く洗濯物を乾かすことを心掛けましょう。
エフシージー総合研究所
[文/エフシージー総合研究所構成/grapeライフハック編集部]