一体なぜ? 踏切の色がすべて『黄色』と『黒』な理由
街中で見かける踏切の遮断機や、工事現場の立ち入り禁止ロープ。
日常の風景に溶け込んでいるこれらの場所には、なぜか共通して『黄色と黒』のシマシマ模様が使われています。
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実は、この色の組み合わせには、人間の視覚や脳の仕組みを巧みに利用した、命を守るための科学的な理由があるのだそうです。
カラービジネスコンサルタントの武田みはるさんに、私たちの無意識に働きかける『警戒色』の秘密をうかがいました。
隣り合う色の明るさの差がポイント
――なぜ、黄色と黒の組み合わせが警戒色として多用されるのでしょうか。
黄色と黒は、色が見えやすくなる『視認性(しにんせい)』と、無意識に目を引く『誘目性(ゆうもくせい)』がもっとも強い配色だからです。
色の見やすさは、隣り合う色の明るさに差(明度差)があるほど高くなります。
黄色は、有彩色(色味のある色)の中でもっとも明るい色であり、黒は無彩色の中でもっとも暗い色です。
この極端な明るさの差が、圧倒的な見やすさを生み出しています。
――見やすさだけでなく、目立ちやすさにも理由があるのですね。
鮮やかな色(黄色)と暗い無彩色(黒)の組み合わせは、人間の目が無意識にとらえてしまう性質があります。
もっとも明るい色と、もっとも暗い色の組み合わせだからこそ、昼夜を問わず瞬時に視界に入り、危険を知らせる『警戒色』として最強の効力を発揮するのです。
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――黄色と黒のシマシマ模様を見た際、人間の心理や脳にはどのような反応が起きますか。
脳が「危険」「危ない」「近づいてはいけない」というメッセージを瞬時に感知します。
実は、色というのは眼だけで見ているのではありません。光の『波長』として眼の奥に入り、それを脳が感知しているのです。
黄色と黒の組み合わせは、脳に対してもっとも強い刺激として伝わるため、私たちは考えるよりも先に「ここは危ない場所だ」と直感的に理解できます。
――街の中で、同じように色彩心理の効果を狙った事例はありますか。電車や駅のホームで見かける『非常停止ボタン』がよい例です。あれは、白地に鮮やかな赤で描かれています。
赤は『非常事態』を象徴する誘目性の高い色です。普段の安全な時には景色としてスルーできますが、いざという時には、すぐに目に入るように設計されています。
ほかにも、車道と歩道の間にある自転車レーンの色分けなども、同様の効果を狙ったものです。
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――この配色の効果を、家庭や地域で生かすアイディアはありますか。
例えば、地域の通学路の道路を色で分ける工夫が挙げられます。
「ここから外に出ると危険である」というメッセージを、色を塗るだけで直感的に子供たちに伝えることができます。
通学バッグや衣服の一部に、黄色や黒を効果的に取り入れるだけでも、周囲の大人やドライバーに対して強い警戒をうながすことが可能です。
無言で私たちを守り続ける『色』の力
何気なく見過ごしている踏切の『黄色と黒』。
それは、言葉を使わずに私たちの脳へ危険を訴えかけ、事故を防ぐために働き続ける『無言のガードマン』でした。
色が持つ波長や心理効果への正しい理解は、大切な家族や自分自身の安全を守ることにつながります。
次に街中で黄色と黒の模様を見かけた際は、その色が発している『脳へのメッセージ』を意識して、少しだけ安全に気を配ってみてはいかがでしょうか。
カラービジネスコンサルタント/kotonoha代表。
20代でパーソナルカラーを学び、現在は行動色彩心理学を用いたカラー戦略、人財の安定を図るカラーコミュニケーション研修まで幅広く展開。
HPや看板、内装外装のカラーコンサルはすぐに新規客が掴め、売上増に繋がると好評を得ている。お酒と文学をこよなく愛する「色彩オタク」。
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[文・取材/LUIS FIELD構成/grape編集部]