「RPGをやったことのある人に刺さる」オダウエダ植田が語る『ダンジョン飯』の面白さとは
grapeでは、2025年9月からお笑いコンビ『オダウエダ』の植田紫帆さんとの書評連載企画を開始!
漫画を愛してやまない植田さんによる選りすぐりの漫画を、毎月1作品ずつ紹介してもらいます。
第10回目となる今回は、漫画家の九井諒子さんが描く『ダンジョン飯』を取り上げます。
画像提供:吉本興業株式会社
『ダンジョン飯』の魅力をオダウエダ植田が紹介
RPGというジャンルのゲームをやったことはあるだろうか。
有名なところだとドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったところの作品がこのジャンルで、魔物が潜む迷宮や暗い森、雪原や火山などに勇者や戦士、魔法使い、回復役や盗賊など4人ぐらいのパーティを組み奥地に挑み、ボスを倒すといったシステムのゲーム。
ゲームを全くやったことがない人以外にはわざわざ説明するまでもない、ゲームの中でも有名で人気のあるジャンルなのだが、そんなRPGをやっているときにふと疑問に思うことがある。
彼ら、勇者御一行は魔物の巣窟の最深部に各々の目的を持って挑むわけだから片道10分20分で到着って訳にもいかない。
そら早く着く場合もあるとは思うけど、FF3のクリスタルタワーが現実でいうところのショッピングモールみたいな長さとは考えられない。
実際挑むとなると日を跨いで複数日かかることになるのは避けられないと思う。
そうである場合、では日常的な、生物としての生理現象はどうしているというのであろうか。
寝るのはわかる。
宿屋で寝てる描写はよくあるし、外のバトルフィールドでもテントを広げたりしてる。
トイレは想像できる。
そのあたりにするのであろう。
ダンジョンの端っことか、仄暗いところで。
女冒険家にとっては辛いが。
ただ、食事はどうしているのであろうか。
往年のRPGの作中だとカバンの中を見ても、食べられそうなものといっても薬草やポーションぐらいの回復アイテムしかない。
残りは剣や鎧などの装備品や各種鍵、オーブ、よくわからんパーツ、貴金属、戦利品がぎっちり詰まってる。
よくてパセリとかミントみたいな味がする草や、よくてマウスウォッシュみたいな味がしそうな液体を飲み食いして腹が満たされようか。そう考えるとMATHERは発売当時からすると、回復アイテムがちゃんとご飯だったりするのは画期的だったんでしょうね。
ダンジョン内にピザのデリバリー出来ましたから。
まぁ、王道RPGものには迷宮内でご飯を食べる描写なんてありもしない。
ご飯食べずに二、三日。
なんなら数ヶ月。
そんなん、魔物よりも魔物ですやん。
そんな疑問にお応えするのが「ダンジョン飯」なのである。
(C)九井諒子/KADOKAWA
ファンタジーグルメ漫画である。
ダンジョンの奥深くでドラゴンに喰われた妹を探す主人公・ライオス、魔法使いのマルシル、鍵師のチルチャックたちは再びダンジョンに挑む。
ダンジョンで出会ったドワーフの戦士・センシと共に、ダンジョン内の魔物を食べながら。
(C)九井諒子/KADOKAWA
この世界でも魔物を食べることは異食とされてはいる。
虫を食べる、みたいな感じ。
食料はあらかじめ持って行ってるけど、無くなったらダンジョンの魔物を食べて食い繋ぐ。
なんて現実的でファンタジー。
(C)九井諒子/KADOKAWA
この魔物を食べる描写も、やはりいっても当書はグルメ漫画であるので美味しそうに描かれていて魅力的。
ただ、魔物というと当然RPGの定番、寒色のドロドロ、スライムとかが出てくるわけである。
まさか、と思うが、それを食する訳である。
たべますねん。
(C)九井諒子/KADOKAWA
10年以上も魔物食の研究をしていたセンシは慣れた手つきでスライムを鍋料理に調理していく。
それはまさに鍋料理につき物の春雨の如くである。
マロニーちゃんが無い日はスーパーなんかに行かず、ダンジョンに潜ってスライムを狩ればいい。
他にもファンタジー物でお馴染みのバジリスクやマンドレイクも出てくる。
この辺りは現実にある食物と形が似ているので食材としての利用方法はわりかし想像出来るが、作中には動く鎧や動く宝石なんかも出てきて、それを美味しく調理しちゃうんですよね。
(C)九井諒子/KADOKAWA
ダンジョン飯は、魔物があらためてどういう生き物でどういう構造で活動してるかを分析して、独自の考察と認識で描いてくれるのでファンタジー生物図鑑としてもめちゃくちゃ面白いです。
さらに美味しく料理するわけですから最高ですよね。
RPGのゲームをやったことのある人に刺さりまくる要素満載の漫画ですのでぜひ読んでみてください。
ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)
九井 諒子 (著)
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前回の書評:第9回『孤独のグルメ』
[文/植田紫帆構成/grapeマンガ編集部]