2020年6月10日 11:00
通所は9割に経営の影響が…介護施設が「大量倒産」の危機に
飲食業や観光業の窮状、あるいは医療関係者の奮闘はあらゆる媒体で日夜報じられているが、それに比して、見落とされがちなのが介護事業者だ。いま、現場は非常に厳しい闘いを強いられている。
「自粛生活開始後“1カ月しのげば元に戻る”と期待していましたが、新型コロナとは長い闘いとなりそうです。とくに通所介護施設は中小、零細でやっている事業者が多く、自転車操業。返済が苦しいので融資も躊躇します。この状態が続けば数カ月後にはバタバタとつぶれていく可能性があります」
そう話すのは、通所介護事業を行う「DAYS BLG!」(東京都)スタッフ代表の佐藤亜美さん。
こうした声を受け、「全国介護事業者連盟」は4月、5月の2回にわたり、同連盟会員の事業者を中心に、新型コロナウイルス感染症に係る経営状況への影響についての緊急調査を行った(有効回答数・合計約3,600)。同連盟の専務理事・斉藤正行さんが分析する。
「あらゆる業務で売り上げの悪化が見られます。特に通所介護の利用控えは顕著で、9割が経営への影響があると回答」
介護サービスの事業者の利益率は、介護報酬の設定によって2〜3%ほどに抑えられている。