2020年11月21日 17:30
小柴昌俊さんの研究人生「支えてあげたい」と妻も結婚決意
(写真:アフロ)
東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊さんが11月12日、老衰のため亡くなった。94歳だった。
小柴さんは観測装置「カミオカンデ」を建設し87年、同装置によって超新星爆発で放出されたニュートリノを世界で初めて検出。ニュートリノ天文学を開拓したことが讃えられ、02年にノーベル物理学賞を受賞している。
さらに97年に文化勲章、03年には勲一等旭日大綬章も受賞するなど華々しい経歴を持つ小柴さん。そのいっぽうで、4歳のときに実の母親を亡くしている。
「お父さんはもともと軍人で、戦後は公職追放された人だったそうです。ですから小柴さんは学生時代から1歳上のお姉さんとともに、家族の生活を支えていたそうです」(全国紙記者)
そんな苦学生だった小柴さんの研究人生は、2人の恩師に支えられたものだった。
「小柴さんは、65年にノーベル賞を受賞している物理学者の朝永振一郎先生を人生の師としていました。東京大学の物理学科に入った年に会いにいって意気投合。『とにかく相性が良かった』といい、朝永先生から怒られたこともなかったそうです。
大学卒業時の成績は優が2つだけでしたが、小柴さんは小谷正雄先生のもと東大の助教授に。