【夏の甲子園】1回戦・岡山学芸館 - 鳥取城北 両校の地方大会戦績を紹介
第108回全国高校野球選手権大会は8月9日、阪神甲子園球場で第5日を迎える。
午後1時30分から1回戦第2試合として岡山学芸館(岡山) - 鳥取城北(鳥取)が行われる。
3年連続5回目の岡山学芸館と、3年連続8回目の鳥取城北。ともに地元で3連覇を果たして夏の甲子園への切符をつかんだ中国地区同士の顔合わせだが、勝ち上がりの中身は正反対だった。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆岡山学芸館(岡山)― 5試合中4試合が1点差、19得点で3連覇
岡山大会 全戦績
2回戦(7月15日) 岡山学芸館 7-0 津山東※7回コールド
3回戦(7月19日) 岡山学芸館 1-0 岡山城東
準々決勝(7月22日) 岡山学芸館 3-2 岡山理大付
準決勝(7月25日) 岡山学芸館 3-2 おかやま山陽※延長10回タイブレーク
決勝(7月27日) 岡山学芸館 5-4 倉敷商
【通算】5戦全勝 19得点・8失点(1試合平均3.8得点・1.6失点)
初戦の完封コールド以降、4試合すべてが1点差
58校が参加した岡山大会を、学芸館は2回戦から戦った。津山東との初戦は板谷航太郎(3年)が4回を無安打に抑え、佐貫悠己(3年)、的場悠仁(3年)とつないで7回ノーヒットノーラン。5番・藤原颯大(3年)の2ラン本塁打などで7回コールドを決めた。
だが点が入ったのはここまでだった。3回戦の岡山城東戦は0-0で最終回へ。9回表に先頭の繁光広翔(3年)が二塁打で出塁し、久野僚介(2年)の犠飛でようやく生まれた1点を、先発の原野聖矢(2年)とエースの田路惣一朗(3年)が守り切った。
準々決勝の岡山理大附戦も0-2の8回裏まで沈黙。藤原の2点適時三塁打と池本優司(3年)の適時打で一挙3点を奪い、3-2とひっくり返した。田路は9回を160球で投げ切っている。
準決勝は10回サヨナラ、決勝は6回裏の3連打
準決勝の相手は春の岡山大会準優勝のおかやま山陽。
4回裏に池本の適時三塁打とパスボールで2-1と逆転したが、8回に追いつかれてタイブレークへ。
田路は10回を1人で投げ抜き、148球で2失点。決勝の倉敷商は昨秋の岡山大会覇者。田路が4回1/3を4失点と崩れ、2-4と2点を追う苦しい展開だったが、6回裏に代打・久野から3連打で2死満塁とし、小林の適時内野安打と繁光の内野ゴロの間に3点。5-4と逆転した。2番手の的場が残る4回2/3を無失点に抑え、令和で初めてとなる岡山大会3連覇を決めた。
夏の岡山大会3連覇は岡山南、倉敷商に続く3校目となる。
佐藤貴博監督は優勝報告で、打率は低いが固め打ちと守りで勝ち上がったチームだと振り返った。
県内最多の部員106人を抱える学芸館は、2024年、2025年と夏の甲子園で2年連続ベスト16入りしている。
◆鳥取城北(鳥取)― 4試合で3完封、32得点で3連覇
鳥取大会 全戦績
2回戦(7月18日) 鳥取城北 8-0 米子松蔭※8回コールド
準々決勝(7月22日) 鳥取城北 7-0 米子西※8回コールド
準決勝(7月24日) 鳥取城北 5-0 境
決勝(7月26日) 鳥取城北 12-3 米子東
【通算】4戦全勝 32得点・3失点(1試合平均8.0得点・0.8失点)
準決勝まで3試合連続完封
開会式で山本尚太主将(3年)が選手宣誓を務めた城北は、2回戦から登場した。米子松蔭戦は13安打で8-0の8回コールド。為壮煌斗(3年)が三塁打を含む4打数3安打、宮野快生(3年)が3打数3安打2打点と打ち込み、下浦一心(3年)が8回を被安打2、無四死球で無失点に抑えた。
準々決勝の米子西戦も0-0の5回裏に相手野選と山本の適時二塁打で3点を先制し、7-0の8回コールド。代打で出場した谷優翔(3年)が2打数2安打3打点と活躍した。下浦は8回を被安打4、8奪三振で無失点。
準決勝の境は春の鳥取大会覇者だったが、4回表にダブルスチールと小笠原輝(1年)の適時二塁打で突き放し、5-0。下浦が142球を投げて被安打5、7奪三振で完封した。ここまで3試合連続の零封である。
決勝は8回に打者一巡の7得点
決勝の米子東戦は、3回表までに0-2とリードを許す苦しい入り。3回裏に3点を返して逆転すると、5回に追いつかれた直後の同じ回に為壮の適時打で勝ち越し、7回にも1点。8回裏には山﨑寛大(2年)、中村悠星(2年)、秦慎之介(2年)が続けて適時打を放ち、宮野の適時二塁打、為壮の2ラン本塁打まで打者一巡の一挙7得点で12-3とした。宮野は4打数4安打5打点、為壮は5打数3安打4打点。下浦が4回3失点で降板したあとは、田中煌大(2年)が4回を無失点、刈屋遙斗(3年)が最後の1回を締めた。
全4試合で2桁安打を記録し、宮野は12打数11安打で打率.917。加藤重雄監督は投手を中心にした守りと、大胆さを失わないプレーを甲子園でのテーマに挙げている。
城北は2024年、2025年と2年連続で初戦敗退しており、山本主将はチーム目標として初戦突破を掲げている。
数字だけを並べれば城北が圧倒しているように見えるが、コールド勝ちが平均を押し上げているわけではない点に注意したい。
準々決勝以降の3試合に絞っても、城北は24得点3失点、学芸館は11得点8失点。城北は接戦らしい接戦を1試合も経験せずに鳥取大会を終えており、学芸館は逆に1点差以外の勝ち方を初戦以降していない。
投手起用は対照的なようでいて、実は似ている。
下浦が全4試合に先発して計29回、田路が5試合中3試合に先発して計24回1/3。
1回戦の見どころ
第一に、今大会から夏の選手権で初めて導入されたDH制がどう働くか。
学芸館の田路、城北の下浦はいずれも地方大会で140球超の登板を経験した左右のエースで、打席を外して投球に専念させる選択が可能になった。長いイニングを託す前提のチームほど、この制度の恩恵は大きい。
第二に、鳥取県勢の初戦連敗である。鳥取県勢は2015年以降、夏の甲子園で10大会連続の初戦敗退中。最後の白星は2014年に八頭が挙げたもので、城北が勝てば県勢にとって12年ぶりとなる。
2022年の仙台育英から2025年の仙台育英まで4大会連続で完封負けを喫しており、まずは1点を取ることそのものが節目になる。
第三に、試合の主導権をどちらが握るか。学芸館は3回戦・準々決勝と、8回以降に試合をひっくり返して勝ち上がってきた。序盤にリードされても崩れない一方、自分から突き放す力は数字に表れていない。城北は決勝でこそ先行を許したが、そこから打者一巡の集中打で試合を決めている。序盤に城北が主導権を握れば大差に、学芸館が0点台で耐え続ければ終盤勝負に、という分かれ方をしそうだ。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は午後1時30分プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
午後1時30分から1回戦第2試合として岡山学芸館(岡山) - 鳥取城北(鳥取)が行われる。
3年連続5回目の岡山学芸館と、3年連続8回目の鳥取城北。ともに地元で3連覇を果たして夏の甲子園への切符をつかんだ中国地区同士の顔合わせだが、勝ち上がりの中身は正反対だった。
試合を前に、両校が地元でどんな戦いをしてきたのかを振り返る。
◆岡山学芸館(岡山)― 5試合中4試合が1点差、19得点で3連覇
岡山大会 全戦績
2回戦(7月15日) 岡山学芸館 7-0 津山東※7回コールド
3回戦(7月19日) 岡山学芸館 1-0 岡山城東
準々決勝(7月22日) 岡山学芸館 3-2 岡山理大付
準決勝(7月25日) 岡山学芸館 3-2 おかやま山陽※延長10回タイブレーク
決勝(7月27日) 岡山学芸館 5-4 倉敷商
【通算】5戦全勝 19得点・8失点(1試合平均3.8得点・1.6失点)
初戦の完封コールド以降、4試合すべてが1点差
58校が参加した岡山大会を、学芸館は2回戦から戦った。津山東との初戦は板谷航太郎(3年)が4回を無安打に抑え、佐貫悠己(3年)、的場悠仁(3年)とつないで7回ノーヒットノーラン。5番・藤原颯大(3年)の2ラン本塁打などで7回コールドを決めた。
だが点が入ったのはここまでだった。3回戦の岡山城東戦は0-0で最終回へ。9回表に先頭の繁光広翔(3年)が二塁打で出塁し、久野僚介(2年)の犠飛でようやく生まれた1点を、先発の原野聖矢(2年)とエースの田路惣一朗(3年)が守り切った。
準々決勝の岡山理大附戦も0-2の8回裏まで沈黙。藤原の2点適時三塁打と池本優司(3年)の適時打で一挙3点を奪い、3-2とひっくり返した。田路は9回を160球で投げ切っている。
準決勝は10回サヨナラ、決勝は6回裏の3連打
準決勝の相手は春の岡山大会準優勝のおかやま山陽。
4回裏に池本の適時三塁打とパスボールで2-1と逆転したが、8回に追いつかれてタイブレークへ。
10回裏、1死から小林暖(2年)が犠打を決め、繁光が申告敬遠で2死満塁となった場面で、2番・森下絢心(2年)がサヨナラ打を放った。
田路は10回を1人で投げ抜き、148球で2失点。決勝の倉敷商は昨秋の岡山大会覇者。田路が4回1/3を4失点と崩れ、2-4と2点を追う苦しい展開だったが、6回裏に代打・久野から3連打で2死満塁とし、小林の適時内野安打と繁光の内野ゴロの間に3点。5-4と逆転した。2番手の的場が残る4回2/3を無失点に抑え、令和で初めてとなる岡山大会3連覇を決めた。
夏の岡山大会3連覇は岡山南、倉敷商に続く3校目となる。
佐藤貴博監督は優勝報告で、打率は低いが固め打ちと守りで勝ち上がったチームだと振り返った。
行田凌大主将(3年)は岡山大会で出場機会がなく、ベンチからの声かけでチームを支えた。
県内最多の部員106人を抱える学芸館は、2024年、2025年と夏の甲子園で2年連続ベスト16入りしている。
◆鳥取城北(鳥取)― 4試合で3完封、32得点で3連覇
鳥取大会 全戦績
2回戦(7月18日) 鳥取城北 8-0 米子松蔭※8回コールド
準々決勝(7月22日) 鳥取城北 7-0 米子西※8回コールド
準決勝(7月24日) 鳥取城北 5-0 境
決勝(7月26日) 鳥取城北 12-3 米子東
【通算】4戦全勝 32得点・3失点(1試合平均8.0得点・0.8失点)
準決勝まで3試合連続完封
開会式で山本尚太主将(3年)が選手宣誓を務めた城北は、2回戦から登場した。米子松蔭戦は13安打で8-0の8回コールド。為壮煌斗(3年)が三塁打を含む4打数3安打、宮野快生(3年)が3打数3安打2打点と打ち込み、下浦一心(3年)が8回を被安打2、無四死球で無失点に抑えた。
準々決勝の米子西戦も0-0の5回裏に相手野選と山本の適時二塁打で3点を先制し、7-0の8回コールド。代打で出場した谷優翔(3年)が2打数2安打3打点と活躍した。下浦は8回を被安打4、8奪三振で無失点。
準決勝の境は春の鳥取大会覇者だったが、4回表にダブルスチールと小笠原輝(1年)の適時二塁打で突き放し、5-0。下浦が142球を投げて被安打5、7奪三振で完封した。ここまで3試合連続の零封である。
決勝は8回に打者一巡の7得点
決勝の米子東戦は、3回表までに0-2とリードを許す苦しい入り。3回裏に3点を返して逆転すると、5回に追いつかれた直後の同じ回に為壮の適時打で勝ち越し、7回にも1点。8回裏には山﨑寛大(2年)、中村悠星(2年)、秦慎之介(2年)が続けて適時打を放ち、宮野の適時二塁打、為壮の2ラン本塁打まで打者一巡の一挙7得点で12-3とした。宮野は4打数4安打5打点、為壮は5打数3安打4打点。下浦が4回3失点で降板したあとは、田中煌大(2年)が4回を無失点、刈屋遙斗(3年)が最後の1回を締めた。
全4試合で2桁安打を記録し、宮野は12打数11安打で打率.917。加藤重雄監督は投手を中心にした守りと、大胆さを失わないプレーを甲子園でのテーマに挙げている。
城北は2024年、2025年と2年連続で初戦敗退しており、山本主将はチーム目標として初戦突破を掲げている。
数字だけを並べれば城北が圧倒しているように見えるが、コールド勝ちが平均を押し上げているわけではない点に注意したい。
準々決勝以降の3試合に絞っても、城北は24得点3失点、学芸館は11得点8失点。城北は接戦らしい接戦を1試合も経験せずに鳥取大会を終えており、学芸館は逆に1点差以外の勝ち方を初戦以降していない。
投手起用は対照的なようでいて、実は似ている。
下浦が全4試合に先発して計29回、田路が5試合中3試合に先発して計24回1/3。
ともにチームの投球回の大半を1人で背負った。違いは控えの厚みで、学芸館は原野、板谷、的場、佐貫と複数の投手が実戦で無失点の登板を経験しているのに対し、城北で下浦以外に登板が確認できるのは決勝の田中と刈屋のみだ。
1回戦の見どころ
第一に、今大会から夏の選手権で初めて導入されたDH制がどう働くか。
学芸館の田路、城北の下浦はいずれも地方大会で140球超の登板を経験した左右のエースで、打席を外して投球に専念させる選択が可能になった。長いイニングを託す前提のチームほど、この制度の恩恵は大きい。
第二に、鳥取県勢の初戦連敗である。鳥取県勢は2015年以降、夏の甲子園で10大会連続の初戦敗退中。最後の白星は2014年に八頭が挙げたもので、城北が勝てば県勢にとって12年ぶりとなる。
2022年の仙台育英から2025年の仙台育英まで4大会連続で完封負けを喫しており、まずは1点を取ることそのものが節目になる。
第三に、試合の主導権をどちらが握るか。学芸館は3回戦・準々決勝と、8回以降に試合をひっくり返して勝ち上がってきた。序盤にリードされても崩れない一方、自分から突き放す力は数字に表れていない。城北は決勝でこそ先行を許したが、そこから打者一巡の集中打で試合を決めている。序盤に城北が主導権を握れば大差に、学芸館が0点台で耐え続ければ終盤勝負に、という分かれ方をしそうだ。
大会は8月5日から22日までの18日間(休養日3日を含む、雨天順延)。この試合は午後1時30分プレーボールの予定だ。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。