ピュアな心を取り戻したいあなたへ 【結婚式の泣けるストーリー:中編】
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彼女のお父さまは点滴をした状態で、ベッドに横になっていました。以前お会いした時よりやせ細ってはいらっしゃいましたが、意識ははっきりされていて、私がうかがうと「おお」と、半身を起そうとされました。
「そのままになさってください。お加減はいかがですか」
「来てくれてありがとう。ちょうどよかった。預かってほしいものがあるんですよ。身内には言えないから、いつかあなたに預ける機会がないものかと、ずっと思っていました。そこの戸棚の引き出しのいちばん奥にある封筒を取ってもらえませんか」
病室に備え付けの小さな戸棚の引き出しを開けると、小さな封筒が出てきました。