ピュアな心を取り戻したいあなたへ 【結婚式の泣けるストーリー:中編】

「こうしているとね、自分の寿命が分かるんです。来月は、たぶん、無理でしょう。焦らず、盛大ないい結婚式を挙げてやってください。その封筒もお願いしますよ」

「……」

強い光をたたえた目で見つめられながら、一つひとつの言葉をゆっくりお話されるお父さまに、これ以上、何も言うことはできませんでした。「とりあえず」ということで、封筒をお預かりし、帰途に就くのが精いっぱいだったのです。

お父さまの前ではどうにか涙をこらえることができたものの、帰りのバスの中では、ハンカチを顔から離すことができませんでした。家に帰り、預かったテープを再生してみようかと思いましたが、怖くてどうしてもできず、そのまま机の奥にしまいました。


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