男性の「帰る場所」になれば 唯一無二の存在に!?【黒川伊保子】
女性と違って「座標原点」をつくりたがるのが男性。帰る場所があることで、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。そして、その原点に自分がなってしまえば、右に出るものはいないほど相手にとって大事な存在になると、脳科学者の黒川伊保子さんが教えてくれました。
空間認識でものを見ている男性にとって、その始点である座標原点はとても大事です。たとえばその原点が苦労した思い出だったら、たまにその時の記憶に戻り、「あそこから自分はここまできたな~」と今を確認したり、それが妻だったら、毎日帰ってきて「ああ、家に帰ったな」と安心したりする。お祭りが楽しみな人だったら、「お祭りまであと何カ月」と数えることで、それまでの距離感を測っているのです。
男性って、美容院とか行きつけの居酒屋とか、1度決めたらよほどのことがないかぎり変えないですよね。それは、その場所を定点にしているから。
思念空間に原点といくつかの定点を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。
私の舅は「お昼は蕎麦」と決めているのですが、そこを原点にして一日の距離感を測っています。また、入院していても女房がいない寂しさで、ムリを言って帰って来てしまう人もいます。普段は無口でそっけない夫でも、妻がいるところにどこからでも戻ってきたがるのは、そこが定点だから。
座標原点になってしまったら、勝ったも同然です。それには、わざわざ居心地のいい女性になる必要もありません。むしろ、ガミガミ言っても大丈夫。終始うるさく当たっていたとしても、8割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので自然体でOKなのですよ(微笑)。