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エモノ捜索とテナーボイス 【彼氏の顔が覚えられません 第2話】

ウーマンエキサイト
スタバから出て、ユイは背伸びをしながら、眠そうな声で「じゃあ、男でもつかまえてくるかなー」なんて言った。


エモノ捜索とテナーボイス 【彼氏の顔が覚えられません 第2話】

画像:(c)Paylessimages - Fotolia.com



「5時から授業じゃないの?」



聞くと、平気で「きょうはサボリ」って返してくる。



「勉強より恋でしょ。残り短いモラトリアムなんだから、恋しなきゃ。イズミに先越されないようにー」



べつに、私は先越したいなんて思ってない。ユイは昔、何人もの男にかじりついては、マズイって言って、平気で吐き捨ててきたそうだ。で、恋人募集中。というか、エモノ捜索中。




私は、カズヤが最初の人。そういうイミでは、ユイの方がぜんぜん先行ってる。ま、私もユイみたいにいろんな男とつきあいたい、とは思わないけど。カズヤさえいてくれればいい。とりあえず、今のところ。



「そう、止めないけど。必修科目でしょ。単位落としたら、ソク留年だよ」



私が言うと、わかってる、ダイジョブダイジョブーって、ユイは言いながら歩き出す。




「四分の三は授業出てればゼッタイ単位取れるからって、マナミが言ってたから。じゃ、オツカレー」



なんて。マナミって、ユイの友達。私も会ったことあるらしいけど、思い出せない。きっと、特徴のない体つきなんだ。やせても、太ってもないだろうし。ユイいわく、顔はすごい美人らしいけど。整ってれば整ってるほど、私にはのっぺらぼうに見える。



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