O型と穴開けパンチ 【彼氏の顔が覚えられません 第4話】
心理学で配られたプリント。夜、部屋の中。ベッドの上に寝転がって眺めてる。
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O型は合理的で根気に欠ける。A型は積極的で単純。B型は安定志向で型にはまり気味。AB型は革新的でマイペース。どれもよく聞くようなことが書かれてる。
その日の授業は、血液型別の性格分析かと思ったら、違った。
「いま、みなさんの中から『わかるわかるー』なんて声も聞こえましたが、ここに書かれていることはデタラメです」
プロジェクターでスクリーンに映し出されたプリントに、先生は赤ペンで修正を入れる。OをABに、AをOに、BをAに、ABをBに。
「バラバラに入れ替えていたのに、誰も疑問を持ちませんでした。厳密なところには何も触れず、誰にでも当てはまるようにしか書かれていないから。血液型での性格分けなんて、その程度です」
ハッとした。なるほど、確かに。今までかたくなに天動説を信じてたのに、ロケットでいきなり宇宙まで飛ばされた気分。
「ね? 丸かったでしょ、地球」みたいな。じっさい目で見せられたら、素直に自分の間違いを認めるほかない。
だけどカズヤは、隣で寝てた。「授業終わったらノート写さして」って言って。
「だって俺、B型だから」