2015年2月11日 10:00|ウーマンエキサイト

頭の中ではじけた声【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第13話】

慎吾は顔を上げて3人の男達をキっと睨んだ。

「今はフットサルをしてる。こいつと離れる事はできないって思ったから」

ボールを手のひらの上に乗せてスっと彼らの前に差し出した。

「お前らもフットサルやれよ。試合を挑むよ。絶対負けない自信がある」

3人は、黙って顔を見合わせる。

「…へえ…そうか。ま、いつかフットサルやろうや」

「あ、ああ。
いいね、フットサル…」

その場を繕う言葉が続く。

「じゃあな、慎吾」

3人は背中を丸めて立ち去った。

「おにいちゃーん、ボール、おねがいしますー、そっちに転がったあ」

小学生の男の子がサッカーボールを追いかけて走って来た。

コロコロ転がってくるボールを足で止めて、

「おにいちゃんも練習に混ぜてくれよ」

と慎吾は笑った。

「ほんと? 教えてくれるの? おにいちゃんプロ選手でしょ」

男の子がニカっと笑う。

「なんで、プロなんだよ?」

「立ってるだけでわかるよ。ボール持って立ってる姿がチョー様になってる。ただ者じゃないって感じ」

「おもしろいこと言うなあ。
チーム名教えてくれよ」

慎吾はボール二つを両手に抱えて男の子と歩き始めた。

(続く)

【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】
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