厄介な女心【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第26話】
「言っただろ。高校ん時から思ってたって。あんときはいくじなしのガキだったから言えなかったけど、今なら自信ある。桃香を幸せにする。クリスマス、俺と会ってくれれば誰と過ごすより楽しい日にしてやる」
「ちょっとびっくり…」
桃香は頬が熱くなるのを感じた。日中は慎吾の動きにドキドキしていたくせに。女心は厄介だと感じた。
「慎吾と約束があるかなんて俺には関係ないから。
もし慎吾と付き合うならはっきり断ってくれていいよ。潔くゆずる。スポーツマン精神にのっとって」
冬馬の言い方がおかしくて、桃香は急に力が抜けてリラックスした。フフっと笑いながら答えた。
「オリンピックみたい」
「そうだな。ちょっと俺、馬鹿だな」
冬馬がクシャっと笑った。緊張していた空気がスっとゆるんだ。
「遠回りしないか。
夜景が見えるところに連れてってやるよ。俺のナンバーワン夜景スポット」
(続く)
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