処女といえない百絵に注目。東京版SATCな漫画『9時から5時まで』
■お坊さんにエリート商社マン、そしてイケメン外国人と男子のレベルが高過ぎる!? 本作の魅力は、登場する男性キャラクターのなかに潜んでいるといえるでしょう。普段なかなか接点のない東京大学出の僧侶という異色のヒーロー像に加え、潤子が学生時代からひそかに好意を寄せていた相手・三嶋聡は海外赴任をいい渡されたエリート商社マン。
高いプライドが邪魔をしてなかなか胸中を明かせずにいたものの、星川の台頭により潤子への想いに気がつく展開は、まるで理想の王子様! しかし切ないかな、ときすでに遅し…それが恋愛というものですよね。
加えて、潤子の同僚講師として登場するアーサーのイケメンっぷりも、女性の心をつかんで離さないひとつの要因といえるはず。奥様世代の女性生徒たちから引っ張りだこの美形外国人講師なのですが、じつは性格が超悪魔的というツンデレ系男子。
これまでは日本人女性と見たら片っ端から手を出していたアーサー先生ですが、百絵との出会いではじめて“本当の恋”を知るなんて…そんな理想的な恋あります!?
■女性キャラクターの台詞がズシンと突き刺さる! 学ぶべきことの多い一作そして最後に、読者の胸にズシンと突き刺さる、ちょっぴりイタ~いセリフの数々も癖になるのでご紹介しておきましょう。
「素直に“好き”といえない」キャリア系女子の主人公・潤子を中心に、メインとなるのは三人の女性たち。なかでも人気なのが、「大人だって、したことがあるとは限らない」と心の中で葛藤し続けるクールビューティーバージン・山淵百絵の恋です。
潤子と公私共に仲の良い百絵ですが、BL好きの濃いオタクだということは打ち明けられても、恋愛経験がないことはなかなか言い出せずにいました。決して周りに責められたわけではないのに、みずからどんどん固いバリケードを張ってしまう気持ち…読んでいてとっても響きますよ~!
そしてもうひとり、「“頭がいい”より“可愛い”といわれたい」をモットーに生きているゼクシィこと毛利まさこの振り切った恋愛術が素晴らしいので、お見知りおきを。幸せな結婚をするためなら手段を選ばず、だれかを蹴落としてでも前に進んでいこうとする姿勢にアッパレでございます。
以上、いかがでしたか? 読んでキュンキュン、ときどきほろ苦い…まさに、その起伏こそが漫画の醍醐味といえるのではないでしょうか。いつの日か実写化される日が来るかも!? この春注目の一作として、ぜひチェックしてみてくださいね。
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