最終回・あなたは私のスペシャル【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第33話】
慎吾の背中はあたたかい。
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右の頬をぴたっと背中にくっつけたまま桃香は唄う。
「メリークリスマス。世界中が今日を祝うスペシャルデイ。私はあなたに伝えたい。愛してる。あなただけ。あなたは私のスペシャル。」
慎吾はじっと動かずに桃香の歌を聴いた。
「あの、桃香さん…桃香って呼んでいいかな」
「うん、もちろん」
「僕のこと、外に連れ出してくれてありがと。桃香がいたから、ボールをまた蹴る気持ちになった。桃香がいたから、専門学校に行って社会人になる覚悟ができた」
桃香は抱きついたままコクっと頷く。
「僕の…僕だけのスペシャルになってください」