チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (167/342)
あべ美幸の同名漫画が原作のミュージカル『八犬伝―東方八犬異聞―』二章が、11月23日に開幕した。本作は、犬塚信乃や犬川荘介ら8つの玉に導かれた若者たちが、それぞれの真実の願いや戦う意味をみつけていく冒険ファンタジー。2015年8月に上演された初演の続編で、今作では犬阪毛野や犬山道節との出会いや、琥珀とのエピソードを描く。『八犬伝―東方八犬異聞―』二章 チケット情報前作に引き続き、演出・音楽は浅井さやか(One on One)、脚本は空想組曲のほさかよう。犬塚信乃役の坂口湧久ら続投メンバーに加え、犬川荘介役の松村龍之介、犬坂毛野役の安里勇哉(TOKYO流星群)、犬山道節役の山本一慶、九重役の帆風成海、琥珀役の岡村さやかが今作から出演する。舞台は全員での歌唱で幕を開けた。感情の温度まで伝わってくるような一人ひとりの歌唱はもちろん、全員で歌ったときのハーモニーも美しく印象的。劇中のコーラスもすべて出演者が袖で歌っているという。歌もナチュラルで聴きやすく、ミュージカルが苦手な人でも入り込みやすいはず。浅井によるオリジナルの楽曲はどれもキャラクターに寄り添うような温かさを感じた。ストーリーに妖や異形のもの(刀、動物)が登場する本作だが、前作同様、映像は使わずにマイムやダンスなど肉体のパフォーマンスで表現。村雨(天羽尚吾)の常に舞っているかのような軽やかな動きや、荘介と完全に動きをリンクさせた四白(美木マサオ)は本作の魅力のひとつだ。布やロープを使った演出も幻想的だった。ゲネプロ後の会見では「それぞれのキャラクターの“生きる意味”が違う形で描かれている。その“生きる意味”を大切に皆さんに届けられたら」(山本)、「オープニングやクライマックスは演じていても鳥肌が立つ。ぜひ観ていただきたい」(畠山遼)、「これほどまでに全員が一丸となって作っているカンパニーも珍しい」(三上俊)と本作の魅力をアピール。最後に松村が「この舞台に立てたことを光栄に思います。原作の世界を尊敬しつつこのメンバーでしかできないものを皆さんにお届けできるよう精進します」、坂口が「またこの作品に参加できることがすごく嬉しいです。前回よりもいい『八犬伝』、前回よりもかっこいい信乃が演じられるように頑張ります」と挨拶した。ミュージカル『八犬伝―東方八犬異聞―』二章は、11月27日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて。取材・文:中川實穗
2016年11月24日1973年のデビューから舞台に立ち続けて43年、さまざまな役に挑んできた市村正親が来年春、ミュージカル・コメディ『紳士のための愛と殺人の手引き』に出演する。そこでまた前代未聞のチャレンジをするそうで、チケットの発売を前に話をうかがった。ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』チケット情報本作は2014年トニー賞で作品賞、脚本賞ほか4冠に輝いた大ヒット作。今回、満を持しての日本初上陸だ。物語の舞台は19世紀初頭のイギリス、伯爵継承順位8番目の男、モンティ(ウエンツ瑛士・柿澤勇人Wキャスト)が莫大な遺産を手に入れようと、とんでもない計画を思いつく。それは継承順位上位の者をすべて消すこと。その殺される役、8役すべてを演じるのが市村だ。「全部ね、殺される役ですよ、要するに僕は邪魔者(笑)。オープニングのコーラスから始まって、次から次へと殺されるのを全部やるという、まさに、僕のために作られた作品です(笑)」。『クリスマス・キャロル』では登場人物54役をひとりで演じたのだから、8役はお手のもの?「いやいや、歌があるし大変です。普通は殺されたらもう楽屋に戻れるんだけど、今回はまたメイクを変えて、次の人。それを8回、体力勝負ですよ。なんで引き受けたんだろう? って(笑)」。貴族に陸軍少佐、女優に牧師など老若男女ばらばら、筋トレ中に、ハチに刺されて、転落死あり、舞台の本番中にと、殺され方も奇妙キテレツだ。そんなドタバタの騒動が軽快な音楽とともに描かれ、ドキドキハラハラ、抱腹絶倒!「8役扮装を変えて撮影するだけで4時間かかりました。それぞれどんな風に演じるのかは、これから、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤していくんですが、演じるっていうのは役を体に入れること。何回も、何回も稽古して、自由自在にセリフが出てくるようになったら力も抜けて、自然と演じ分けられるようになるんです」。大変だと言いながらもどこか楽しそうな演劇界のレジェンド、今回は若手との共演も楽しみだと言う。「ウエンツとはね、前から何か一緒にやりたいね、と話していてやっと実現しました。カッキー(柿澤)とは『スウィーニー・トッド』で一緒だったし、アンサンブルメンバーもみんなパワフル。知り合いばっかで楽しみだね。来年、本番を迎えて、あぁ引き受けて良かった!と思えるように頑張ります」。公演は2017年4月8日(土)から30日(日)まで、東京・日生劇場にて。チケットは12月10日(土)一般発売開始。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、11月28日(月)午前11時まで受付。取材・文:大西美貴
2016年11月24日11月23日より東京・江戸東京博物館1階展示室で「戦国時代展 -A Century of Dreams-」が開催中。同展でコーエーテクモゲームスの人気アクションゲーム「戦国無双」とのコラボを行っている。【チケット情報はこちら】コラボ内容は、同展の音声ガイドをゲームに登場する4人の武将、上杉謙信(中田譲治)、武田信玄(大友龍三郎)、毛利元就(石川英郎)、織田信長(小杉十郎太)が担当するというもの。また、会場ではノートやファイルなどのコラボグッズも販売される。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は織田信長、上杉謙信など、戦国時代に台頭した戦国武将にまつわる歴史資料や、狩野派絵師による美術工芸品など、全会期で190点(うち国宝38点)を展示。展示物は会期によって異なり、11月、12月の前期は西日本の大名、2017年1月の後期は東日本の大名にスポットをあてる。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は2017年1月29日(日)まで東京で開催されたのち、京都、山形を周る。■「戦国時代展 -A Century of Dreams-」【東京会場】東京都江戸東京博物館(東京都)2016年11月23日~2017年1月29日(日)【京都会場】京都府京都文化博物館(京都府)2017年2月25日(土)~4月16日(日)【山形会場】米沢市上杉博物館(山形県)2017年4月29日(土)~6月18日(日)
2016年11月24日アメリカのロックバンド「エアロスミス」のフロントマン、Steven Tyler(スティーヴン・タイラー)のソロ初となるジャパンツアーが4月8日(土)大阪・Zepp Osaka Bayside、11日(火)東京・日本武道館で行われることが決定した。【チケット情報はこちら】これまで1億5000万枚を超えるアルバムセールスを誇る世界的ロックバンド「エアロスミス」。そのフロントマンであるスティーヴン・タイラーは今年の7月にソロとしてキャリア初のアルバム『サムバディ・フロム・サムウェア』をリリース。来日公演は同作を引っ提げて開催される。エアロスミスとしては数万人規模のスタジアムライブが通常となっているだけに、Zeppや武道館の規模で彼のライブを見られるのは日本のファンにとって奇跡の一夜となりそうだ。また、本人とのミート&グリートができるVIP アップグレードチケットの販売も決定。詳細は後日オフィシャルサイトで発表される。チケットの一般発売は12月17日(土)午前10時より。■Steven Tyler LIVE IN JAPAN 20174月8日(土)Zepp Osaka Bayside(大阪府) 開場17:00 / 開演18:00料金:1Fスタンディング 11,000円(税込) / 2F指定席 13,000円(税込)4月11日(火)日本武道館(東京都) 開場18:00 / 開演19:00料金:S指定席 13,000円(税込) / A指定席 11,000円(税込)★以下のリンクより「Steven Tyler(スティーヴン・タイラー)」をお気に入り登録して、最新情報をゲットしよう!
2016年11月24日シェイクスピアの歴史劇『ヘンリー四世』二部作が鵜山仁の演出により、11月26日(土)新国立劇場にて開幕する。稽古も佳境を迎えた11月中旬、第一部の通し稽古の模様を取材した。舞台『ヘンリー四世』チケット情報同劇場では鵜山の演出で、2009年に『ヘンリー六世』、2012年には『リチャード三世』を上演。この2作にメインキャストで出演してきた浦井健治が今回、父王ヘンリー四世にとっては頭痛の種である奔放な放蕩息子・ハル王子を演じ、同じく過去2作に出演した岡本健一が、王に反旗を翻す“ホットスパー”に扮する。取材したこの日は第一部の後半、まさにこのふたりの見せ場を稽古。反乱軍と体制側が交互に描かれ、異なる立場のふたりが己の運命に向き合い、やがて、一騎打ちに至るまでが描かれる。物語を包む空気をひとことで表すならば、超ハイテンション。浦井は常に陽気で“正”の磁力とスピード感にあふれるハル王子を体現し、舞台上を何度も全力疾走で駆け抜ける。衣裳は当時の時代風俗に沿ったもので、小道具もしかり。ところが、浦井だけヘッドフォンをぶら下げているのが気になる。また同じハイテンションでも、岡本演じるホットスパーはどこか狂気を宿し、自らの言葉に陶酔しているようにも見える。戦いを前にしてのパワフルな演説は、見る者の胸を熱くさせるが、その裏に、王に反抗する男の悲壮な決意、哀しみさえも感じさせる。そんなふたりがクライマックスで激突。高低差のある遊園地のアトラクションのような巨大なセット(稽古場ではあくまで木が組んであるだけで、本番でどのように仕上がっているかは分からない)が目を引くが、浦井と岡本は縦横無尽に駆け巡り、激しく刃を交わらせる。もちろん、このふたり以外の個性豊かな登場人物たちも魅力的に物語を彩る。ヘンリーの“悪友”の大酒飲みで、シェイクスピア作品の中でもひときわ高い人気を誇るフォールスタッフを愛嬌たっぷりに佐藤B作が演じるほか、ホットスパーの叔父で共に王に反旗を翻すウスター伯を演じる下総源太朗、同じく反乱軍に参加する騎士ヴァーノンの今井朋彦など実力派俳優たちが存在感を放つ。そんなベテラン俳優たちも、浦井&岡本の熱気に乗せられるかのように、演技がどんどんヒートアップしていく。シェイクスピア芝居でありながら、ライブ会場か熱狂的なカリスマ政治家の演説会に来ているかのような錯覚、興奮さえ感じる。唯一、落ち着きを持っているのが王ヘンリー四世を演じる中嶋しゅう。周囲があまりに高揚しているせいか、王の静かにつぶやくようなひとことが、まるで“ツッコミ”のように作用し、何気ないシーンでドッと笑いが起こる一幕も。なんとも不思議な空気とリズムが包むシェイクスピア劇になりそうだ。公演は11月26日(土)から12月22日(木)まで「第一部」「第二部」を交互上演(一部例外あり)。チケットは発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2016年11月23日11月22日に、江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の作品が展示される美術館「すみだ北斎美術館」がオープンした。北斎は1760年に現在の墨田区の北斎通り付近で生まれ、およそ90年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごし、優れた作品を数多く残した。今回、美術館の開館にあわせ、記念展として「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」を開催。同展では、海外に流失し、100年あまり行方知れずとなっていたが、近年競売にかけられ、昨年墨田区が取得した長さ約7メートルの幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」を初公開。そのほか、代表作「冨嶽三十六景」など墨田区所蔵の数々の名品・優品のなかから、北斎の肉筆画、版画、摺物、版本などを前後期合わせて約120点を展示。■開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」会期:11月22日(火)~2017年1月15日(日)【前期】11月22日(火)~12月18日(日)【後期】12月20日(火)~1月15日(日)※作品保護のため前後期で一部展示替えを行います。また、各期においても途中で一部展示替えを行います。休館日:毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始11月28日(月)、12月5日(月)、12月12日(月)、12月19日(月)、12月26日(月)~1月1日(日・祝)、1月10日(火)開館時間:午前9時30分~午後5時30分(入館は閉館の30分前まで)
2016年11月22日川本成が主宰の劇団「時速246億」の最新作『バック・トゥ・ザ・ホーム』が、11月18日に開幕した。時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』チケット情報毎回、バラエティ豊かな作家、演出家、出演者を招く「時速246億」の公演。今作は、作・演出に“見た後に何も残さないバカにこだわったコント”を続ける「男子はだまってなさいよ!」の細川徹とタッグを組んでのSFコメディだ。さらに出演は、和田琢磨、高橋良輔、平子悟、アイアム野田(鬼ヶ島)、小野坂昌也、そして川本と、舞台はもちろんお笑い、声優と幅広いジャンルのキャストが集結。この作品でしか見られない顔ぶれとなった。物語は、道路に飛び込もうとする和田(和田)に川本(川本)が思わず声をかけるところから始まる。「死なせてくれ」と暴れる和田に仕方なくビールを手渡す川本……翌朝、ふたりが二日酔いになりながらも目を覚ますと、なんと宇宙船の中だった!あっという間の2時間。むちゃくちゃな展開に、とにかくゲラゲラ笑ってしまう。それぞれの役柄も絶妙で、和田は暗いし、高橋はチャラいし、宇宙人のふたり(平子、野田)は気弱でかわいい。普段のイメージとのギャップが楽しく、けれどしっかりハマっている。さらに、舞台以外でも共演の機会が多い小野坂と川本のコンビネーションも抜群!コメディのテンポや間合いの良さは言う間でもなく、なにより最初から最後まで出演者がみんな楽し気で、劇場にその空気が充満している。要所要所で入る根本宗子の声もスパイスだった。観劇後も楽しい余韻が続く作品。ぜひ劇場で体感してほしい。時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』は11月27日(日)まで、東京・赤坂RED/THEATERにて。取材・文:中川實穗
2016年11月22日西岡徳馬VS新納慎也、西岡VS音尾琢真(TEAM NACS)というWキャストで上演される『スルース~探偵~』が、11月25日(金)に開幕する。それに先がけ、西岡、新納、音尾と、演出を手掛ける深作健太の会見が開かれた。舞台『スルース~探偵~』チケット情報公演期間の前半を西岡VS新納の<探偵バージョン>、後半を西岡VS音尾の<スルースバージョン>で上演される本作。西岡は「芝居は相手役で全然違いますから、『同じもの!?』と思っていただけるようにがんばっていきたい。『どっちがオススメ?』とよく聞かれるのですが、両方です。両方観てください!」と挨拶。新納は「毎日『楽しい!楽しい!楽しい!』って叫びたいくらい楽しく稽古させていただいています。こういうお芝居がやりたかったんだなって細胞が生き生きしている」と喜びを語った。まだ稽古にほとんど入っていない音尾は「Wキャストは初めてで、しかも僕は稽古に参加するタイミングも遅い。すでに徳馬さんが新納さんと稽古しているところに僕が入るっていう…怖くてしょうがないです!」と不安顔を見せた。そんなWキャストについて深作は「新納さんも音尾さんも役へのアプローチが全然違いますし、それを受け止める徳馬さんが日々柔らかくどんどん役を育てていく。演劇の根源的なパワーを日々感じています。衣裳からキャラクターから、もしかしたら上演時間まで違う2バージョンになると思います」と話した。新納が役柄について「イタリアからイギリスに来た移民で、ユダヤ人の血も入っている。そういうマイノリティをずっと抱えて生きてきた青年」と語ると、音尾が「へ~、新納さんはそういうことを考えてるんですか」と対抗心を露わにし、西岡と新納も大笑い。音尾は「それぞれ深く考えてやっていますし、そこに僕と新納さんが生まれ育っていく中で見たもの聞いたものが投影され、最終的に違うマイロになっていく」と話した。ふたりを受け止める西岡は「寝てると頭の中で台詞が飛び交ってるんですよ。夢の中で作品が映像になってたりして。もう頭の中がずーっと『スルース』ですよ。こんなのは今までなかったな」と笑顔。「通したら汗びっちょりになっちゃって、久しぶりにこういう感じを思い出しました。体力が持つかは心配ですが、こんな幸せなときはないと思っています」と話した。<探偵バージョン>は11月25日(金)から12月11日(日)まで、<スルースバージョン>は12月17日(土)から28日(水)まで、東京・新国立劇場 小劇場にて。その後、<スルースバージョン>が福岡、愛知、宮城を巡演。取材・文:中川實穗
2016年11月22日ロッシーニで一番有名なオペラ『セビリアの理髪師』がまもなく新国立劇場で上演される。今回はオペラのフィナーレを飾るアルマヴィーヴァ伯爵の超絶技巧アリア「もう逆らうのをやめろ」が歌われると話題になっている。この曲に挑むテノール歌手のマキシム・ミロノフに話を聴いた。新国立劇場オペラ『セビリアの理髪師』チケット情報「このアリアは、例えて言えばレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会に『モナリザ』が入っているようなものなんです。それがなくてもダ・ヴィンチの偉大さに変わりないけれど、やはり『モナリザ』を観られれば感動が違いますよね?」「『セビリアの理髪師』というオペラは今からちょうど200年前に生まれました。でも、そこに書かれている音楽は永遠に不滅です。長年上演されているうちに、時代の影響で音楽が重たくなったり、難しいアリアをカットしたりして本来の姿がゆがめられていましたが、近年のロッシーニ研究でこのオペラの真価を聴くことが出来るようになってきました」「もっとも重要なのがオペラを締めくくるアルマヴィーヴァ伯爵のアリアです。物語は僕が演じるアルマヴィーヴァ伯爵が、様々な困難を乗り越えて愛する人と結ばれるまでを描いています。このオペラは彼の成長物語でもあるのです。初演した歌手が優秀だったのでロッシーニは彼のためにオペラのフィナーレに「もう逆らうのをやめろ」という超絶技巧のアリアを書きました。ところがあまり難しいのでこのアリアはカットされることが多かったんです。最近はロッシーニ歌手の技術が進んで僕を含めてこのアリアを歌う場合が増えてきました。『セビリアの理髪師』という作品の価値をより輝かせる名曲です。日本のお客さんにもぜひ聴いていただきたいです」演出は人気の高いヨーゼフ・E.ケップリンガーだ。「規模が大きく仕掛けがたくさんある、とても良いプロダクションです。カラフルでモダンなのにオペラのストーリーをきちっと伝えているところが素晴らしいと思います」ミロノフはロシア出身だが、今やロッシーニ歌手として世界中で活躍している。「日本に来る前にはウィーン国立歌劇場で『ラ・チェネレントラ(シンデレラ)』を歌っていました。日本の次はイタリア、次はスイス、次はフランスと、来年も僕が歌うオペラはほとんど全てロッシーニです。自分で自分のことを『ロッシーニ大使』と呼んでいます(笑)。」ロッシーニを世界に広めるロッシーニ大使が歌う名アリア、お聴き逃しなく!11月27日(日)から12月10日(土)まで東京・新国立劇場 オペラパレスにて。チケット発売中。取材・文:井内美香
2016年11月21日開館30周年の記念公演が目白押しのサントリーホール。その掉尾を飾る大型企画「ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN」がいよいよ始まる。1967年、大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが自らの音楽的理想を実現すべく私財を投じて起ち上げた音楽祭だ。開幕前日の11月17日、音楽監督クリスティアン・ティーレマンらが出席して記者会見が行なわれた。「ザルツブルク・イースター音楽祭 in JAPAN」チケット情報音楽祭の中心を担うのはティーレマンと音楽祭のレジデント・オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデン。サントリーホールの名物企画だった「ホール・オペラ」が復活するワーグナー『ラインの黄金』では、普段の彼らと違って舞台の上でオペラを弾く。劇場ではオーケストラ・ピットで演奏するのが常の彼らにとっては特別な形の上演だ。ティーレマンは言う。「歌手の声と音量のバランスをとりながら、美しい響きを作るチャレンジを楽しみたい。録音に近い、クリアな響きになるのではないか。最良の形をお聴かせできると確信している。このオーケストラが伝統的な響きを維持しているのは現代では貴重。丸みのある、暗くて、同時に明るい音。攻撃的に前に出すぎることがない音は、オペラでは特に重要だ」オーケストラ・コンサート2公演では、ベートーヴェンのピアノ協奏曲のソリストに予定されていたイェフィム・ブロンフマンが病気降板のため、キット・アームストロングが代演する。ティーレマンが「第二のブレンデルと呼べる才能」と認める新鋭ピアニストだ。プログラム全体に特別な彩りを添えるのが、創始者カラヤンの長女で女優のイザベル・カラヤンが出演する一人芝居『ショスタコーヴィチを見舞う死の乙女』だ。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番を中心に、音楽と、彼の同時代人たちのテキストを組み合わせた舞台作品(字幕付き)。生前のカラヤンはイザベルに、「もし自分が作曲できるとしたら、ショスタコーヴィチのように作曲したいんだ」と話していたそう。彼女は「こうして『イースター音楽祭』と書いたIDカードを下げてここにいるだけでうれしい。日本が大好きだった父もきっと誇りに思ったはず。父がホールのどこかにいるのを感じながら舞台に上がります」と感慨深げだった。互いに「相性ぴったり」と認め合うオケと指揮者の類いまれな呼吸が、カラヤンと故郷ザルツブルク、カラヤンと日本、父と娘、30周年と50周年。さまざまな思いと交差する。取材・文:宮本 明
2016年11月18日新国立劇場の2016/17シーズンのオペラ第2弾『ラ・ボエーム』(プッチーニ)が11月17日に初日を迎えた。2003年の新制作以来、これが5度目の上演となる粟國淳演出のプロダクションは、奇をてらわない、音楽に寄り添った正攻法のアプローチながら、第2幕の斬新でダイナミックな転換など、観客の視線を楽しませる要素も盛りだくさん。決定版の呼び声も高い定評の舞台だ。数あるオペラのなかでもトップクラスの人気を誇る作品の高水準の上演。やっぱりオペラはこれだ。新国立劇場オペラ『ラ・ボエーム』チケット情報悲劇のヒロイン、ミミを歌っているのはルーマニア出身の美しいソプラノ、アウレリア・フローリアン。これが初来日でミミも初役とのことだが、『椿姫』のヴィオレッタが当り役というだけあって、押し引き自在な高域のコントロールは見事だし、感情表現の振幅も大きい。ミミの薄幸を、どこか透明な存在感の声で演じてみせた。恋人ロドルフォも初顔のジャンルーカ・テッラノーヴァ。第1幕のアリア〈冷たい手〉では名刺代わりに高音もたっぷり聴かせてくれたが、そのスピントのカッコいい二枚目声もさることながら、ほとばしる感情のままに言葉を繰り出すような第3幕の説得力も圧巻だった。ふたりとも、ヨーロッパで大きく知られ始めてからまだ5年ほどという新鋭だ。高まる評価の理由が納得できるとともに、これからさらに大きな名前になることを予感させる充実の出来栄え。初お目見えをぜひ聴いておいたほうがいい。イタリアのオペラ指揮者パオロ・アリヴァベーニ率いるオーケストラも好演。ミミがこときれる最後、一瞬の総休止のあとの悲劇的な総奏で幕が下りると客席からすすり泣きも。『ラ・ボエーム』のいつもの光景だが、実際、結末がわかっているのに何度観てもじわっと来るのは、ストーリーはもちろんだけれど、きっと音楽の力だ。名作!劇場のエントランスにはツリーやリースも飾られていて、クリスマスの雰囲気も盛り上がる。ミュージカル『RENT』の下敷きにもなった永遠のラヴ・ストーリーはクリスマス・イヴから始まるお話。かねてから、ぜひ毎年12月に上演してくれればいいのにと切望していたのだけれど、やっとクリスマスに近い季節に観ることができた。オペラ通はもちろん、初めてオペラを観るという方にもぜひおすすめしたい作品。音楽史上屈指の極上の音楽とともに、ひと足早いロマンティックなクリスマスを!新国立劇場の『ラ・ボエーム』は11月30日(水)まで。取材・文:宮本 明
2016年11月18日福岡を拠点に活動する劇団万能グローブガラパゴスダイナモス。“ある一定の状況下でもがく登場人物の葛藤やフラストレーションを、あくまでポップに笑いに昇華させるシチュエーションコメディ”を持ち味に幅広い層から支持を受け、活動も11年目を迎えた。そんな彼らが年末からツアーを開催。公演を前に、脚本・演出の川口大樹、役者の椎木樹人、横山祐香里、西山明宏に話を聞いた。劇団万能グローブガラパゴスダイナモス チケット情報今回の作品「月ロケット」はモチーフが“人間の欲望”。「とある場所に悪魔に誘導されて集まってきた人間たち。彼らは夢を追っているんですけど、そこに『寿命を払ったら、願いを叶えてやるぞ』と悪魔が提案してくるとこから始まるストーリー。最初は『とんでもない!』という反応していても、欲望に負けて『寿命5分だったら…』とか思い出す。で、30分払ったらここまでできるのか、1時間払ったら、3日払ったら…みたいに、どんどんエスカレートしていく。でも、それを深刻に描くのではなく、あくまでコメディに仕立てたいなと思っています」と、川口。その言葉を受け、旗揚げから役者として活躍する椎木が「言うなれば“寿命ガチャ”。でも、だんだん体調が悪くなるとかだとキツいですよね」と苦笑。観客も「そんなものに引っかかるなんて」と笑いながら観ている内に、自分の中の欲望や悪魔的部分に気が付き、ちょっとゾッとする部分もあるかもしれない。「人間の欲望は深いですからね。知らず知らずの内に、悪魔に翻弄されてしまう部分はあるんじゃないかな。その辺りも楽しんで頂きたいですね」(川口)結成10年を経て、今なお進化中の彼ら。今回は福岡、東京、宮崎の他、初めて上演するという熊本を含めての4都市ツアーだ。「うちの劇団は“劇を創る”事だけでなくて、“お客さんが劇場に来て楽しむ空間を作る”というところにかなり力を注いでいるんです。演劇に苦手意識がある人にこそ、観て欲しい」(川口)「福岡・東京・宮崎・熊本、それぞれの宣伝チームでブログの閲覧数を競う「G-1杯」も開催したり、ガラパらしさ全開で盛り上がってます。これも劇場に導くまでの期間の楽しみ方ですね。そういう試みが、作品を創る勢いにも繋がってくると思うので、楽しみにしていてください」(椎木) 「面白い作品を創れば、場所はどこであっても通用すると思うので、初の熊本公演も楽しみです」(横山)。そして、本公演への参加は今回が初だと言う西山は「今回の公演が自分のオーディションのような気持ちで頑張ります」と、それぞれ意気込みを語った。公演は12月2日(金)・3日(土)熊本市男女共同参画センターはあもにい 多目的ホール、12月7日(水)~18日(日)福岡・ぽんプラザホール、1月7日(土)~10日(火)東京・駅前劇場にて。チケットは発売中。
2016年11月18日トップスター明日海(あすみ)りお率いる宝塚歌劇花組の宝塚舞踊詩『雪華抄(せっかしょう)』、トラジェディ・アラベスク『金色(こんじき)の砂漠』が11月11日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。本公演でトップ娘役・花乃(かの)まりあが退団する。宝塚歌劇花組『雪華抄(せっかしょう)』/『金色(こんじき)の砂漠』チケット情報第一幕の舞踊ショー『雪華抄』は「花鳥風月」をテーマに季節の移ろいが表現されている。幕開けは、暗転の中で拍子木の音を合図にパッと照明が舞台を照らす演出“チョンパ”。梅の花に彩られたステージに華やかな衣裳をまとった組子たちがズラリと並び、優雅に舞い踊る様は壮観で、一気にその幻想世界へと引き込まれる。そして専科・松本悠里による花椿の舞へと続いた後、熊鷹と狗鷲の激しい戦いを明日海と柚香光(ゆずか・れい)が、歌舞伎のように見得を切りながらカッコよく魅せる。また彦星と織姫がしっとりと歌い踊る「七夕幻想」、海にちなんだ民謡を粋に歌いつないでいく「波の華」、明日海と花乃が激しい情愛を表す「清姫綺譚」が繰り広げられ、フィナーレでは桜の花が舞い散る中で総踊り。豪華絢爛で日本の美の素晴らしさを改めて感じさせてくれる構成だ。丸山敬太デザイン・監修による衣裳も繊細で美しく、舞台に華やかな彩りを与えている。上田久美子作・演出による第二幕の『金色の砂漠』は、砂漠の王国を舞台にした“愛と憎しみ”の物語。明日海が花乃演じる王女の奴隷役という関係性が面白い。王女タルハーミネの奴隷として育てられたギィは、王女の身の回りのことをすべて世話し、災いがあれば身代りになる。王女に「奴隷は砂や土と同じ」と言われ、自分の背中を踏み台替わりに差し出すことも常識の世界。王女に思いを寄せるギィはいつか王女を自分のものにしたいと考えるが、「侮辱をするな」と突っぱねられる。しかし王女も次第に自分の気持ちに気付き始めて…。立場の違いという大きな壁がふたりを引き裂き、愛は憎しみに変わる。明日海はその愛情も憎しみも沸々と感情を高ぶらせて見せ、花乃は誇りに縛られた傲慢な王女を、ときには切なさを交えながら演じる。また、ギィと対照的な存在で、自身の立場を冷静に見つめる第二王女の奴隷ジャー役の芹香斗亜(せりか・とあ)、タルハーミネの婿となるテオドロス役の柚香らの好演もドラマを色濃くする。明日海・花乃コンビが集大成に見せる壮絶な愛の物語。ふたりの燃えたぎる情熱に感情を激しく揺さぶれるはずだ。公演は、12月13日(火)まで兵庫・宝塚大劇場、2017年1月2日(月・祝)から2月5日(日)東京宝塚劇場にて上演。11月23日(水・祝)11:00まで東京公演の先行抽選受付を実施中。取材・文:黒石悦子
2016年11月18日ミュージカル界のプリンス・井上芳雄と、第23回読売演劇大賞最優秀女優賞を獲得したばかりの小池栄子が、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)作・演出『陥没』で初めて顔を合わせる。『東京月光魔曲』(2009年)、『黴菌』(2010年)に続くこの昭和三部作の完結編を、ふたりはどう捉え、どう見せるのか。舞台『陥没』チケット情報完結編の舞台となるのは、東京オリンピックを控えた1962年。高度経済成長期で日本中浮かれる中、時代の溝にはまってしまった婚約中のカップルと、ふたりを取り巻く人々が描かれる。井上と小池が演じるのは、そのカップルだが、小池曰く、「何となく最初から不穏な空気が流れていて、あまりハッピーっぽくない感じのふたりなんです(笑)。そこがKERAさんらしくていいなと思いますね」。井上も、「昭和の東京オリンピックの話っていうと、“高速道路ができた!わーい!”みたいな印象を持たれると思うんですけど、むしろ、そうじゃないところにいる人々を描くみたいで。それが面白いなと思いました」と、KERAが描く昭和のユニークさを語る。初共演で微妙な距離のカップルを演じることになるが、お互い心配はないようだ。「とにかく怪物的なくらい演技力のある女優さんっていう印象があります。あと、すごく聡明。自分で言うのは何ですが、僕もよく頭がいいって言われますけど(笑)、本当に頭がいいっていうのはこういう人のことを言うんだなと思ったので、一緒に芝居が作っていけるのが楽しみですね」と井上が言えば、小池も「役に距離があるからって、現場でも距離を置いてしゃべらないなんていうことは、する必要がない人だなと思いました。年齢も井上さんがひとつ上の同世代ですしね。歩んできた道は全然違いますけど、どういう考えを持って、どうやって芝居を作っていくのか、近くで見ることで絶対に刺激になると思います」と期待を募らせる。KERA作品に出演するのは初めてだが、観客としてはこれまで何作も観てきた井上。「KERAさんはいろんなジャンルの作品を作られるので、今回は、シアターコクーンでやるKERAさんの作品という楽しみ方もできると思います。たとえば僕も含めた出演者の多彩さとか。そのせめぎ合いは僕も楽しみです」。シアターコクーン初登場となる小池は、「コクーンに立っても演劇ファンの方達が許してくれるような姿、芝居をお見せしたい」と意気込む。いくつもの初めてがある。だが、実力派のふたりはきっと、それを武器にしていくことだろう。公演は2017年2月4日(土)より東京・Bunkamuraシアターコクーンにて開幕。チケットぴあでは11月19日(土)午前10時より先着先行プリセールの受付を開始する。取材・文:大内弓子
2016年11月18日尾崎裕哉が11月27日(日)、東京・東京文化会館大ホールで初の大型ホールコンサートを開催する。同公演の開催に際し、インタビューに答えた。【チケット情報はこちら】尾崎裕哉は今年の9月、デジタル1stシングル『始まりの街』をリリース。東京・よみうり大手町ホールで行われた自身初となるソロコンサートを成功に収めた。その後もミュージックステーションに出演し父・尾崎豊の名曲『I LOVE YOU』を披露し、レコチョクのCMでは俳優・村上虹郎とコラボレーションするなど、着実に歩みを進めている。「父親に声が似ていると言われるのは素直に嬉しいと思います。でも、いちばん影響を受けているのは、音楽との向き合い方なのかもしれません。音楽へのひたむきな情熱や純粋な思い、それらを僕が引き継いでいるならありがたいし、『I LOVE YOU』など、父親の曲を歌うたびにその思いに触れる感触があります」父・尾崎豊の音楽以外にも、エミネムやマドンナ、宇多田ヒカル、aikoから、ジョン・メイヤー、エリック・クラプトンといったロックも好んで聴いて育ってきたという。現在影響を受けているアーティストにはエド・シーランの名前を挙げた。「彼の『Lego House』をよく弾き語りでカヴァーするのですが、そのスタイルやセンスには影響を受けたし、自分が目指す方向性のひとつでもあるかなと思います」。また、近年はハナレグミやKREVAといった日本のアーティストも好んで聴いているそうで、「自分がやりたいのは、やはり“日本語で歌うこと”」と強調する。よみうり大手町ホールでの公演をこう振り返る。「オリジナルを中心に、父、尾崎豊の曲、カヴァー曲を披露しましたが、プロデューサーの須藤晃さんのアドバイスを聞きながら、自分なりの色が出せるような選曲を心がけたつもりです。今、ライブで披露しているオリジナルは10数曲あって、ストックをあわせると20~30曲。弦楽クァルテット編成のアレンジに合うような曲を選び、父の人気曲『Teenage Blue』などはピアノとギターで新鮮な印象になったと好評でした」最後に東京文化会館の公演に対する意気込みを語ってもらった。「1回限りのコンサートなのでプレッシャーはありますが、前回とはまた違う僕の世界観をお見せすることができたら。今は、“チャレンジあるのみ!”と、自分に言い聞かせています」チケットは発売中。■billboard classics尾崎裕哉 premium ensemble concert日時:11月27日(日)開場13:00 / 開演14:00会場:東京文化会館大ホール(東京都)出演:尾崎裕哉 / トオミヨウ(ピアノ) / ビルボードクラシックスストリングス
2016年11月17日2019年NHK大河ドラマ抜擢でも話題の宮藤官九郎の新作舞台『サンバイザー兄弟』が11月13日に開幕した。大人計画とパルコが共同プロデュースする宮藤官九郎作・演出のオリジナルロックオペラのシリーズ第3弾。舞台は2033年の池袋、新しい年号は「素敵」。東池袋の歌のうまいヤクザ、サンバイザー兄弟の「兄弟愛」と「父娘愛」を、怒髪天・上原子友康のオリジナル楽曲にのせて描く。舞台『サンバイザー兄弟』チケット情報出演は“ロックオペラ”初参戦の瑛太、初舞台に挑むロック・バンド「怒髪天」ボーカル増子直純。同じくシリーズ初参戦の清野菜名、りょう他、レギュラーメンバー、三宅弘城、皆川猿時らの顔ぶれが揃う。開幕前には宮藤、瑛太、増子が以下のコメントを寄せた。◆ 作・演出・出演:宮藤官九郎今回は、ストーリーが「ブルースブラザーズ」を下敷きにしていて、「ブルースブラザーズ」を日本の池袋に置き換えた時に、根拠はないですけど“ヤクザ”で“サンバイザー”がいいんじゃないかなと思って書きました。他の事を考えながらでも、何も考えなくても楽しめる作品ですし、生LIVEのシーンが多いのでぜひ劇場で観て下さい。◆ 瑛太宮藤さんが書かれた作品(映画『なくもんか』)に出演した事はあったのですが、演出は初めてで稽古から楽しくて今日の初日を前にワクワクしています。出てくるキャラクター全員がバカで、こんなに面白い作品は観た事がありません。「これを観ないで何を観るんだ!」というくらい気合いが入っています!◆ 増子直純32年間バンドをやっていますが舞台は初めてで、安請合いをしてはいけないなと身にしみています。舞台は大人数でバンドを組み直してアルバムを作る感じで楽しいです。スカっとして笑える作品です!よろしく!!東京公演は12月4日(日)までサンシャイン劇場にて。その後大阪、仙台を巡演。
2016年11月17日鴻上尚史のプロデュースユニット「KOKAMI@network」の第15 回公演『サバイバーズ・ギルト&シェイム』が、11月11日に開幕した。KOKAMI@network『サバイバーズ・ギルト&シェイム』チケット情報「サバイバーズ・ギルト」とは、戦争や災害、事故、事件から奇跡的に生還を遂げた人が、周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して感じる罪悪感のこと。日本では特に3.11(東日本大震災)で広く浸透した。本作のタイトルにはそれに日本人ならではの「生き延びた恥ずかしさ(シェイム)」が加わっている。物語は、戦場から1年ぶりに故郷に戻ってきた主人公が母親に「母さん。僕ね、死んじゃったんだ」と告白することから始まる。主人公の水島明宏を演じるのは、本作で初主演を務める山本涼介。明宏が所属していた大学の映画サークルの先輩・夏希を演じるのは南沢奈央。さらに、身体が弱い明宏の兄を伊礼彼方、明宏の所属する部隊の上官・榎戸を片桐仁、明宏の母親を長野里美、その婚約者・岩本を大高洋夫が演じる。明宏が本当に幽霊として戻ってきたのかそうでないのかは、明かされないまま物語は進んでいく。とぼけた母親は息子の帰宅を喜び、堅物の兄は「戦場に戻れ、非国民!」と非難する。そこに母親の婚約者や、明宏の上官まで現れると混乱状態に。そんな中で明宏は「生きた証を残したい」と夏希に出演を頼みこみ、最後の映画撮影に挑む。“抱腹絶倒の爆笑悲劇”と銘打たれた本作。登場人物それぞれの個性は強烈で、ちょっとした会話にいちいち笑わされてしまう。中でも片桐が巻き起こすハチャメチャなやり取りには何度も爆笑が起きていた。その一方で、そんな彼らがそれぞれの理由で抱えている「自分が許せない」という感情。それは懺悔のように吐露したところで終わらない感情だが、物語の中で少しずつ溶かされ、温められ、さまざまに昇華されていく。「映画の撮影が終わるまで」をひとつの支えのようにして進んでいく彼らの結末を、ぜひ劇場で見届けてほしい。笑いながらも泣けてしまうし、泣きながらも笑ってしまう。そんな演劇ならではの体験ができる作品『サバイバーズ・ギルト&シェイム』は、12 月4 日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2016年11月17日FRESH! by AbemaTV&ニコニコ生放送で隔週木曜日に放送されている「アニメぴあちゃんねる」。11月17日(木)の放送で100回と4周年を同時に迎える同番組では、ゲストの登場に加え、記念企画を行う。【チケット情報はこちら】まず、100回記念企画のひとつめとして、声優&アニソンシンガーから届いた祝福のビデオコメントを紹介。「アニメぴあちゃんねる」の元レギュラー出演者の雨宮天や、ゲストとして多数出演しているLiSAなどが、番組の思い出を語る。そのほか、コヒメ、朝倉ゆり、Pyxis、BANBANBAN、鈴木このみがビデオコメントで出演。さらに相坂優歌、前田玲奈、茅原実里、三澤紗千香、福原香織が手紙でコメントを寄せる。100回記念企画ふたつめは、番組恒例のタカオユキが作るキャラ弁を食べるコーナー「タカ弁」で披露してきた全60作品を振り返る。さらに、「タカ弁ベストアワード」では視聴者がニコニコ生放送のアンケート機能でいちばん衝撃的だったキャラ弁当を選ぶ。放送100回を飾るゲストはTVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズや、おそ松さんなどの人気作品に多数出演しているベテラン声優の野島健児が登場。野島のプライベートや休日の過ごし方などを聞く。さらに会員放送では野島の幼少期の写真を公開。声優になったきっかけ、声優である父親と兄についてなど、プライベートな部分についてトークする。「アニメぴあちゃんねる」恒例の「セリフ読み」コーナーでは、レギュラーの秦佐和子、タカオユキ、高野麻里佳が先輩である野島健児との掛け合いに挑戦。もちろん、今回も視聴者に向けたプレゼントを実施。レギュラーメンバーによるユニット、二四六九士ズの3人からサイン入りチェキと、野島健児のサイン入り色紙を用意。詳しくはニコニコ生放送「アニメぴあちゃんねる」のイベントページでご確認を。■アニメぴあちゃんねる日時:11月17日(木)午後8時~午後10時出演:タカオユキ / 秦佐和子 / 高野麻里佳 / 美濃部達宏ゲスト:野島健児
2016年11月17日イギリスのロックバンド、THE STONE ROSESが2017年4月21日(金)に東京・日本武道館で来日公演を行う事が決まった。今年の6月に日本武道館で予定されていた公演は、メンバーのレニ(Dr)の怪我によりキャンセルとなっていたため、ファン待望の開催決定となる。【チケット情報はこちら】THE STONE ROSESは1983年にイギリス・マンチェスターで結成。1996年に一度解散を発表するまで、リリースしたオリジナルアルバムは2作のみ。だが、1990年代以降のUKロックシーンに与えた功績は大きく、Oasisのギャラガー兄弟や、カサビアンも影響を公言している。2011年に再結成を果たし、その後は定期的に活動を行っている。チケットの一般発売は12月17日(土)より。■THE STONE ROSES2017年4月21日(金) 開場18:00 / 開演19:00会場:日本武道館(東京都)料金:アリーナ指定席12,000円(税込) / スタンド指定席9,000円(税込)※4歳以上チケット必要★以下のリンクより「THE STONE ROSES」をお気に入り登録して、最新情報をゲットしよう!
2016年11月17日アメリカのシンガー、ノラ・ジョーンズが4月15日(土)に東京・日本武道館でジャパンツアーの追加公演を行うことが決定した。【チケット情報はこちら】10月5日にリリースしたアルバム『デイ・ブレイクス』を引っ提げて行われる来日公演。4月13日(木)・14日(金)の武道館公演がソールドアウトしたことを受け、追加公演の開催が決まった。ノラ・ジョーンズは2002年にデビュー。これまでにリリースしたアルバムのトータルセールスは5000万枚を超え、グラミー賞を11度受賞。 最新作『デイ・ブレイクス』はオリコン洋楽チャートで初登場1位を獲得している。追加公演のチケットの一般発売に先がけて、先行を実施中。受付は11月21日(月)午前11時まで。■ノラ・ジョーンズジャパンツアー2017年4月9日(日) ゼビオアリーナ仙台(宮城県)4月11日(火) ニトリ文化ホール(北海道)4月13日(木) 日本武道館(東京都)4月14日(金) 日本武道館(東京都)4月15日(土)日本武道館(東京都)【追加公演】4月17日(月) 大阪城ホール(大阪府)4月18日(火) 福岡サンパレスホテル&ホール(福岡県)4月19日(水) 広島文化学園HBGホール(広島県)4月21日(金) 名古屋国際会議場センチュリーホール(愛知県)
2016年11月16日自身の劇団「月刊、根本宗子」が注目を集めている劇作家・演出家の根本宗子が、本格的なプロデュース公演に進出する。『皆、シンデレラがやりたい。』と題して描くのは、アイドルの追っかけで結びついた3人の40代の女たちの生態と、そこに若い女が出現することによって起きる修羅。根本作品には初参加で、40代の女性のひとりを演じる劇団☆新感線の高田聖子は、この根本ならではの悲喜劇をどう演じるのか。高田と根本が語り合った。舞台『皆、シンデレラがやりたい。』チケット情報ずっと噂に聞いていながらなかなか足を運べず、去年初めて『超、今、出来る、精一杯』で根本作品に触れたという高田。「噂通り面白かったです。福原充則さんがプロレスを観てる感覚に近いとおっしゃってたんですけど、妙に納得するものがあって。終わって暗転した途端、みんなわーって高く手を挙げて拍手してるとか、演劇ではあまり見ない光景が広がってました」とその面白さを表現する。確かに、日常の切実さを笑いとエンターテインメントに昇華する作風が根本の真骨頂。今回のプロデュース公演でも、高田のほか猫背椿、新谷真弓が揃い、キャリアも実力もある女優陣によって、その昇華の見事さをたっぷり楽しめそうである。根本も言う。「今回の企画は、劇団ではあまり書くことのない年上の女性の話を書いてみないかという提案をいただいたのが始まりでした。何を振っても大丈夫という方々と一緒に、もっと緻密に、大人の芝居が作れるんじゃないかと、私自身も楽しみにしているんです」。大人の女性を描くにあたりアイドルの追っかけを題材にしたのは、「等身大の年上の女性は私以上に書ける人がいるので、私から見て危ないなって思うくらい(笑)、面白い人を書きたかったから」という根本。「自分たちがアイドルを支えているんだと結束している3人の女性の思いも、その結束が崩れたときの関係もすごく面白そうだなと。あと、この豪華な、それも普段は口数が少なそうな女優さん3人が、ずっとしゃべってるのが見てみたくて(笑)。女性特有の、人の話には一切興味なく自分の話しかしないっていう状況を作りたいなと思っているんです」。それに応えて高田も、「決して人の話を聞かないタイプではない3人が、人の話にかぶせるように話すっていうのが楽しそうですし。かわいかったり怖かったり、女の面白さを演じられれば」と期待を高める。もしかしたら、自分の痛いところをも突かれるかもしれない。が、だからこそ、この演劇は、現実のキツさを笑い飛ばす力になるはずだ。公演は2月16日(木)から26日(日)まで東京・本多劇場にて。チケットの一般発売は12月10日(土)午前10時より。チケットぴあでは現在、11月17日(木)午前11時までぴあ特別席(5列目まで)も対象の有料会員向けインターネット抽選先行「いち早プレリザーブ」を、11月21日(月)午前11時まで無料会員向けインターネット抽選先行「プレリザーブ」をそれぞれ受付中。取材・文:大内弓子
2016年11月16日"イギリスの喜劇王”と言われるアラン・エイクボーン作の舞台『扉の向こう側』が、11月11日に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて開幕した。【チケット情報はこちら】男役トップスターとして観客を魅了してきた元宝塚歌劇団雪組・壮一帆が、宝塚退団後、初の女性役、しかも2036年のSMクイーンに扮し、セクシーなコスチューム姿を披露することでも注目を集める本作品。物語は、イギリスの五つ星ホテル「リーガル」のスィートルームが舞台。40年間の時空を行き来しながら、殺すか殺されるかのスリルと、それぞれの時代に生きる女性たちの奮闘ぶりが堪能できる、痛快タイムスリップ・サスペンス・コメディだ。ホテルの部屋には、過去にふたりの妻を殺した罪を悔い、懺悔の心を込めて告白文を書いた70歳の実業家のリース(吉原光夫)がいた。そこに、仕事の依頼を受けやって来たSMクイーン・フィービー(壮)が現れる。壮がコートを脱いだ瞬間、観客が目にするのは黒いこのコスチューム。それだけでもかなりの刺激ではあるが、それ以上に長い足と抜群のスタイルが目を引く。事件に巻き込まれ命の危険を感じたフィービーが開けたドアの向こうに待っていたのは、2016年の同じスィートルームにいるリースの2番目の妻・ルエラ(一路真輝)。様々な人生経験から得た落ち着きと凛とした理知性をもつルエラを、一路は、自然に魅力的に演じている。そして更に20年遡るもうひとつの時代、1996年にはリースの最初の妻・ジェシカがいた。紺野まひる演じるジェシカは、上品で清しく可憐。新婚ほやほやで、まだ未来しか見ていないジェシカにリアリティを与え、フィービーやルエラのような、人生の影を内在する人物とはまた違う空気をもつ人物像が際立つ。男優陣も吉原光夫、岸祐二、泉見洋平と実力派揃い。ミュージカルで主演も多く務めてきた6名のスターキャストが、ストレートプレイでも、実力を遺憾なく発揮し贅沢な劇空間を生み出している。壮は、上演に際し、「とにかく体当たりでぶつかりながら、いいペースをつかむ事が出来たらと思います。絶対に妥協はせず、共演する方の呼吸を感じて、フィービーとしてのボールをどんどん投げて楽しいお芝居にしていきたいと思います」と意気込みを語った。演出の板垣恭一が「この作品の魅力は、タイムワープするという仕掛け以上に、この人間関係がどうなっちゃうんだろう、というハラハラドキドキがずっと続くこと」と語るように、息もつかせぬ展開に心を奪われそうだ。舞台『扉の向こう側』は兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールでの上演後、11月16日(水)より11月23日(水・祝)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、11月28日(月)愛知・名古屋市青少年文化センター アートピアホールで上演。
2016年11月15日3人組ロックバンド、noodlesが11月11日に東京・shimokitazawa GARDENで25周年アニバーサリー・ライブ企画のファイナル「Queen Night」を開催した。【チケット情報はこちら】同公演は、5月、7月、9月と対バンを迎えて開催されてきたシリーズ第4弾のファイナル。オープニングアクトにGlasgow girlというnoodlesのカバー・バンドが登場。メンバーは、山中さわお(the pillows)、楠部真也(Radio Caroline)、上野啓示(かけらフィルム)の3人。「前座で~す」と山中が笑いを取ったあと、「noodlesと出会ったのは1998年。1999年にnoodlesのCDを出すべくDELICIOUS LABELを作って17年、一緒にやっております」と、山中が主宰し現在もthe pillows、noodlesが所属するレーベルの誕生秘話を披露。ライブでの共演などでnoodlesと縁がある上野がリードボーカルを取る曲や、楠部が「歌いたいという曲が(上野)啓示君とカブったんだけど先輩風吹かせて奪い取りました(笑)」というMCのあと披露された曲など、計4曲で場内を盛り上げた。Glasgow girl によるライブの後は、noodlesが登場。『We Are noodles From Sentimental』からライブはスタート。「今日は25年間のいろんな曲を演りますので最後まで楽しんでいってください」とのyoko(vo&g)の言葉通り、初期の名曲からライブで定番の名曲、そしてこの日ライブ会場・通販限定でリリースされたシングル『Blood Waltz』に収録された新曲2曲、セルフカバー3曲もすべて演奏。「5年前に20周年のアニバーサリー・ライブをやったんですが、本当にやってよかったと思えるライブで、すごく感動した。あれは一生に一度の記念日。今日はそれほどの”感動”はないけど、それより”感謝”の気持ちの方が強いの。いつもライブに足を運んでくれて、いつもnoodlesの音楽を楽しみにしてくれる人がいるだけで、もっともっといい曲作ろうって意欲も湧くし、夢が見れる。だから一番お礼を言いたいのはみんななのです、ありがとう」とyokoが語ると場内のファンは熱い歓声でそれに応えた。本編で全21曲。yoko、ikuno(b)、ayumi(ds)それぞれの魅力あふれるプレイで、代表曲をたっぷり披露。アンコールでは、アルバム製作に着手していることにも触れ、26周年以降のnoodlesの活躍も予感させてくれた。noodlesはthe pillows主催のカウントダウン・ライブに出演、Casablancaも各地のイベントに出演予定なので、気になる方はご確認を。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2016年11月15日イギリスのロックバンド、COLDPLAY(コールドプレイ)が2017年4月19日(水)に東京・東京ドームで3年ぶりの来日公演を行うことが決定した。【チケット情報はこちら】彼らが東京ドームで公演を行うのは今回が初めて。同公演は2015年12月にリリースされたアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームス』を携えたワールドツアーの一環として行われる。ワールドツアーは今年の3月よりスタートし、現在までに南米、北米、ヨーロッパ合わせて約250万人を動員。「グローバル・インクルージョン(Global Inclusion、世界の調和・一体化などの意)」と「ポジティヴ」をテーマとしたステージでは、鮮やかなスクリーン、照明、バルーン、紙ふぶきなどが演出として施され、希望に満ち溢れた世界観が描かれている。チケットの一般発売は2017年1月28日(土)午前10時より。なお、My Live Nationメンバーを対象に先行を実施。詳しくはLive Nation Japan公式サイトでご確認を。■COLDPLAY 「A HEAD FULL OF DREAMS TOUR」(コールドプレイ 「ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームス・ツアー」)2017年4月19日(水)東京ドーム(東京都)開場16:30 / 開演18:30料金:【VIP席】30,000円 ※特典付(詳細は追って発表)【SS席】18,000円 / 【S席】12,000円 【A席】9,000円※税込 ※未就学児入場不可【先行受付情報 ※抽選受付】1. My Live Nationメンバー特別先行受付:■My Live Nationメンバー登録期間:11月15日(火)10:00~11月17日(水)23:59■チケット先行受付申込期間:11月19日(土)00:00~11月21日(月)23:59※こちらの先行予約申込には、上記メンバー登録期間にLive Nation Japan公式サイトへのメンバー登録が必ず必要です。★以下のリンクより「COLDPLAY(コールドプレイ)」をお気に入り登録して、最新情報をゲットしよう!
2016年11月15日世界中で上演され、日本では1992年に初演以来、再演を繰り返してきた人気ミュージカル『ミス・サイゴン』。ベトナム戦争を背景に、ベトナムの少女キムと米兵クリスの出会いと別れを描く物語で、主人公のキムを過去5回にわたって演じたのは、知念里奈だ。その知念が今回は、クリスを愛するもうひとりの女性、妻のエレン役に挑戦している。その心境を聞いた。ミュージカル「ミス・サイゴン」チケット情報「2年前の『ミス・サイゴン』の公演で、キムを初めて演じてからちょうど10年が経ちました。いつも彼女を近くに感じながら生きてきましたが、年齢を重ね、私の人生も大きく変化して、17歳の女の子を演じるのが難しくなってきたんですね。2年前に、『やれることは全部やり切った。寂しいけれど大好きなこの作品とはお別れだ』と思って千秋楽を迎えたんです」。一度、サヨナラしたはずの作品だったが、日本側のスタッフからエレン役のオーディションを受けてみないかと誘われた。ベトナム戦争のさなかキムとクリスは結ばれるもサイゴン陥落の混乱の中引き裂かれる。アメリカに帰還したクリスは、新たな人生を始めるためアメリカ人のエレンと結婚する。「お客さまにとっても私はキムのイメージがあるから、あまり時間も経たずにアメリカ人になって登場するのはどうかと(笑)。色々悩みましたが、エレンに興味もわき、やってみたらと言われたら、やっぱりやりたくなったんです(笑)」オーディションを勝ち抜き、エレン側から物語を語る立場になった。「クリスはひどい人という女性は多く、そういう面もあるかもしれない。でもクリスを支える奥さんの身としては、クリスが悪いのではない。悪いのは戦争で、誰も悪くないんだと思います」。2012年の新演出版から、クリスとキムとの間に息子のタムがいると知ったエレンが胸中を歌う「メイビー」という楽曲が新しくなった。「『望むのなら彼女(キム)の元へ、私忘れてくれていいの』という歌詞があるんですが、キムがエネルギッシュで能動的なら反対にエレンはすべてを許すことができる受け身の役。そこまで言えるってすごい人だなと思います。ある日の公演でキム役のキム・スハちゃんと対峙した後、メイビーを歌って楽屋に戻ったら涙が止まらなくて。しばらく楽屋でブルブル震えていました」。エレンの苦しみとキムへの思いが激しく去来したという。今年でデビュー20周年を迎えた。「15歳のときにひとりで上京して、寂しかったですね。今は子供を交えて家族でご飯を食べているなんて、そのころは想像もできなかった。もう歌手よりも舞台での生活のほうが長いんです。今回、『キムだったのに何故、エレンに変わるの』という人もいたんですが、やりたいんですよね。やっぱり舞台が好きなんです」と幸せそうにほほ笑んだ。11月23日(水・祝)まで東京・帝国劇場にて上演中。その後、岩手県民会館 大ホール、鹿児島市民文化ホール 第1ホール、福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、大阪・梅田芸術劇場メインホール、愛知県芸術劇場 大ホールで上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年11月15日中山優馬×屋良朝幸のW主演となるミュージカル『CROSS HEART(クロスハート)』。本作品は11月13日まで六本木EX THEATER ROPPONGIにて上演されたLive Versionと12月9日(金)から28日(水)まで東京・ Zeppブルーシアター六本木にて上演される本公演で構成される。本公演に先駆けて、11日にLive Versionのマスコミ向け公開ゲネプロと囲み取材が実施された。ミュージカル『CROSS HEART(クロスハート)』チケット情報公開ゲネプロにて披露されたLive Versionは、実際に本公演で使用される楽曲で構成されており、100年戦争の時代を生きる若者の友情と愛情が描かれている。出演者はLive Versionのための衣装に身を包み、70分間歌い、踊り、更には殺陣までこなす。額に汗を浮かばせながらも最後まで気合充分のパフォーマンスだった。公開ゲネプロ後に行われた囲み取材に登場したのは演出・振付・出演を務める玉野和紀とカミーユ役の唯月ふうか、W主演の中山優馬×屋良朝幸だ。公開ゲネプロを終えての感想を聞かれると、「初めての経験なので、とても新鮮な気持ちです」と笑顔で中山が答えた。すると屋良は「曲に関して(お客さんは)このLive Versionで初めて聴くことになると思うので、どういう反応がかえってくるか楽しみ」と期待を膨らませた。また本公演が上演される前にLive Versionが上演される試みに対して玉野は「本編が初演であるのに、先にLive Versionをすることは自分自身も初めて。でもやるからには思い切ってがっつりやろうと思った」と答えた。主演のふたりを目の前に、キュンとなるポイントを聞かれた唯月が「ダンスしている姿はキュンときますね」と答えると「ダンスと言われると先輩には勝てないな~」と中山。すると屋良が「まあ、今のは俺のことかな」と自信満々に言い、会場は笑いに包まれた。最後に意気込みを聞かれると「僕と屋良君とのクロスハートや共演者のみなさんとのそれぞれの“クロスハート”がどうなっているかをご覧頂きたいです」と中山。Live Versionを経た本公演への期待がますます高まる。公演は12月9日(金)から28日(水)まで、東京・ Zeppブルーシアター六本木にて。
2016年11月15日現在8巻まで刊行され、累計25万部を突破している鉄道トリビアコメディ『青春(あおはる)鉄道』(青春作、KADOKAWA/メディアファクトリー刊)。日本全国の鉄道路線を擬人化し、硬軟さまざまな鉄道ネタを盛り込みながら、彼ら(?)の日常を綴った大人気コミックだ。そのキャラクターを忠実に再現した舞台が初めて上演されたのは、2015年11月のこと。その待望の第2弾ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』2~信越地方よりアイをこめて~が、11月9日より東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoで開幕した。ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』2 チケット情報山陽新幹線(滝川英治)をトップバッターに、京浜東北線(高橋優太)、西武池袋線(Kimeru)らが路線紹介をメドレーで歌い継ぐオープニングが終わると、舞台上には長野新幹線(板垣李光人)の姿が。北陸新幹線へと成長(延伸)中のため、まだ少年の風情だが、彼には最近、夜道で誰かの視線を感じるという悩みがあった。そんな長野新幹線を物陰から見つめる信越線(高崎翔太)をよそに、王道をゆく東海道新幹線(永山たかし)と東海道本線(鯨井康介)の兄弟や、謎の愛憎を交わす東北新幹線(石渡真修)と上越新幹線(田中涼星)ら、個性豊かな鉄道路線が入り乱れて……。物語は開通日におけるハプニングや、併走する2路線での紛らわしい駅の名前など、鉄道に詳しくなくとも充分楽しめるエピソードで展開。メジャー路線をひた走る東海道新幹線をキビキビと演じる永山、500系車両をこよなく愛する山陽新幹線役の滝川、西武グループへの愛を叫ぶ西武池袋線役のKimeruら、各路線のキャラクタライズもうなずいてしまうものばかり。乗客を運ぶ使命に燃えながらも、どこかほのぼのとした彼らの交流を見ているうちに、鉄道への親しみも湧いてくるから不思議だ。真面目だが不器用な東北新幹線役の石渡、制服の前をはだけてキザに振る舞う上越新幹線役の田中も印象に残った。初日前の囲み会見では永山と鯨井、高崎、田中、板垣が登壇。「今回は北に話が進んで、新幹線も多く登場します。長野新幹線が大人になる成長物語でもあって」と永山が解説すると、隣の鯨井も「本編から離れた、今までにないシーンも見どころ」と第2弾ならではの魅力をアピール。さらに田中が「在来線と新幹線との絡み、新幹線同士の絡みも見てほしい」と語ると、高崎も「前作を観た方も今回初めて観る方も裏切りません!」ときっぱり。ところが「長野新幹線の可愛らしく、でもブラックなところも見せたいです」と板垣が話し始めると、役柄同様、表情がゆるみっぱなしに。あげくに「一番優しいのは誰?」と板垣に尋ね、「鯨井さん」と返されるなど周囲の笑いを誘うひと幕も。舞台上のチームワークの良さも納得の会見となった。東京公演は終了。11月18日(金)から20日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場で公演。取材・文:佐藤さくら
2016年11月14日日本文学の名作を人気声優が読むドラマリーディングシリーズ第2弾『三四郎/門』が11月30日(水)よりTOKYO FMホールで上演される。舞台『三四郎/門』チケット情報キャストは上演回ごとに異なり、置鮎龍太郎、岸尾だいすけ、武内駿輔、野島健児、濱野大輝、古川慎、浅倉杏美、、阿澄佳奈、石川由依、大久保瑠美、加藤英美里、下田麻美、藤田咲が出演。今年3月に上演した『それから』に続いて夏目漱石作品を取り上げる。構成・演出は映画監督として知られるが、近年は舞台演出にも意欲的な深作健太。深作は「「声」という洗練された表現力を武器として、近代の日本文学の代表作が放つ言葉の魅力を、普遍的なものとして、時代を超えてお届けしたいと願っております。このプロジェクトが、現代の新しいスタンダードとなって、末永く続くことを祈りまして」とコメントしている。チケット発売中。■『三四郎/門』回替わりキャスト11月30日(水)19:00開演…野島健児 古川慎 加藤英美里 大久保瑠美12月1日(木)13:00開演…岸尾だいすけ 濱野大輝 石川由依 大久保瑠美12月1日(木)19:00開演…岸尾だいすけ 武内駿輔 阿澄佳奈 下田麻美12月8日(木)19:00開演…岸尾だいすけ 武内駿輔 石川由依 浅倉杏美12月9日(金)19:00開演…置鮎龍太郎 古川慎 加藤英美里 藤田咲
2016年11月14日『ミュージカル★マーダー・バラッド』東京公演が11月11日、天王洲 銀河劇場で開幕した。NYのバーを舞台に、男女の愛憎劇のすえに起こった未解決殺人事件を描く物語。キャストは4人のみで、中川晃教、平野綾、橋本さとし、濱田めぐみという、歌唱力抜群の4人が揃う。11日、初日を控えた4人が取材に応じた。『ミュージカル★マーダー・バラッド』チケット情報作品のキャッチコピーに「HOT&SEXYな90ミニッツ」とあるように、刺激的な作品だ。トム役の中川は「まるで昼ドラを見ているような内容。ブロードウェイ発の4人ミュージカルですが、とてもカッコいい音楽に乗せてお届けする愛憎劇です」と見どころを話す。トムと不倫の恋に落ちるサラ役の平野は「演じていて、どんどん作品にのめり込んでいく。今まで(の出演作)とちょっと違うような感覚があります。観終わったあと、お客さまも“マーダー・ロス”になるだろうなというくらい、すごく中毒性のある作品」、ナレーター役の濱田は「これをテーマにしてはいけないのではというものだらけの90分。ある意味エグい作品だと思いますが、皆さんが(観て)どのような感覚をお持ち帰りされるのか、楽しみ」とそれぞれ作品の魅力を語った。歌唱力に定評のある4人が揃ったという面でも、ミュージカルファン必見の舞台になっているが、サラの夫・マイケル役の橋本も「なかなか今まで集まることがなかったし、これからもあるかわからないような素敵なキャストが集まった。僕らにしか出来ない空気感を堪能してほしい」と、この奇跡の共演をアピール。その魅力を「カリスマ性のある濱田さん、セクシー&ワイルドの晃教君、そして、見てのとおり“荒くれナイスボディー”綾ちゃん!」と紹介すると、平野が「そういう歌詞があるんです!」と慌てて補足説明をする一幕も。そんな平野はセクシーな衣裳に金髪という、今までにないビジュアルで登場。「ここまでキスシーンが多かった舞台はなかったし、その一歩先、「あっ」とつい目をそらしたくなるようなシーンも演じたことがなかった。私にとってかなりの挑戦の役」と語っていた。公演は11月27日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。チケットは発売中。
2016年11月14日11月12日、京都劇場(JR京都駅ビル内)にてディズニーミュージカル『美女と野獣』が開幕した。京都での本作の公演は6年半ぶり、3度目の上演だ。劇団四季「美女と野獣」チケット情報『美女と野獣』は、エンタテインメントの雄ディズニーが、演劇ビジネスに初進出した作品。迫力の舞台装置、豪華絢爛な衣裳とめくるめくイリュージョン、そして流麗なメロディーの数々と、同名アニメーションを忠実に再現した舞台は、ディズニーらしい魅力に溢れている。劇団四季では1995年にディズニー初提携作品として初演以来、9都市で5,500回の上演を重ねてきた。開幕直前の11月11日には同劇場において公開舞台稽古が行われ、緊張感あふれた稽古が進行。キャスト、スタッフらによって全体の最終チェックが入念に行われた。ビースト役の田邊真也は「初めてビースト役を務めさせていただくことになり、身の引き締まる思いです。『美女と野獣』には、男女の愛、親子愛、友情など、人間の様々な愛の形が描かれています。子どもから大人の方まで楽しめる、深い感動を持つ作品です。作品を通して、“人を愛する心”の大切さ、そして“生きる喜び”をお伝えできればと思います」と開幕に向けての意気込みを語った。『美女と野獣』京都公演は2017年2月26日(日)公演分までを発売中。早くも千秋楽が決定し、2017年3月1日(水)~5月21日(日)公演分のチケットは、11月19日(土)一般発売開始となる。一般発売に先駆け、11月16日(水)11:00までぴあスペシャルシートS1席の最速抽選先行を実施中。
2016年11月14日