チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (37/342)
4月9日(土)・10日(日)、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて『サロメ奇譚』が上演される。「サロメ奇譚」チケット情報オペラ、バレエ、映画、舞台など、あらゆる芸術のモチーフとなり、今なお人々を魅了するオスカー・ワイルドの傑作「サロメ」。本公演では、この名作を現代の家族の物語として捉えなおし、新たな視点で描く。脚本をペヤンヌマキが、演出を文学座の稲葉賀恵が手掛け、主演のサロメ役を、芸能生活30周年を迎えた朝海ひかるが演じる。共演には、サロメの母へロディアに松永玲子(ナイロン100℃)、預言者ヨカナーンに牧島 輝、サロメの義父ヘロデをベンガルが演じる。誰もが知る、サロメの「悲劇」がどのように生まれ変わるのか、実力派キャストでおくる新しいサロメにご期待ください。大阪公演の開幕を直前に控え、朝海ひかる、松永玲子、牧島輝、ベンガルからのコメントが到着!◆出演者コメント朝海ひかる『サロメ奇譚』いよいよ大阪公演が始まります。9日、10日と二日間ですが、お客様に楽しんでいただける様、キャスト一同精一杯勤めて参ります。関西のお客様がどの様に反応してくださるか今はとても興味深いです。是非新しい「サロメ」を覗きにいらしてください 。松永玲子俳優が知っている『サロメ奇譚』は稽古場で自分の出ていないシーンだけです。この作品は、セットと照明が大いに世界観を創っているようなので、私には永久に『サロメ奇譚』がどういう作品なのかは解りません。客席からご覧になる方が一番知ることのできる作品です。既に東京公演を終えているとはいえ、主催の梅田芸術劇場にとっても大阪出身の私にとっても、大阪公演こそがホームです。この摩訶不思議な演劇を精一杯務めます。どうぞご覧ください。牧島輝オスカー・ワイルドの「サロメ」を現代に近い世界観で描いたこの作品。年代が違うだけでかなり解釈の幅が広がったり、ギャップのある作品になっていると思います。東京公演を終えましたが、様々な捉え方ができるだけに、『サロメ奇譚』はまだまだ成長していると感じます。是非劇場でその変化を楽しんでいただければと思います。ベンガルあの伝説の「サロメ」を現在の日本に設定を置き換えた、多分初めての試みだと思います。東京で練り上げられたこの舞台を千秋楽の大阪で更なる高みへと持っていければ嬉しいです。
2022年04月08日1993年から市村正親の当たり役のひとつとして上演を重ねてきたミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール籠の中の道化たち』。2008年からはジョルジュ役に市村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀丈史を迎え上演を続け、(鹿賀・市村ペアとしては)今回は5度目の再演となる。見どころは、何といっても“『ラ・カージュ』史上最高のコンビ”と名高い、市村と鹿賀の息の合った名演技。かれこれ50年来の仲という盟友2人が、本作の魅力を語ってくれた。2人が演じるのは、南仏のゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のオーナー、ジョルジュ(鹿賀丈史)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親)。2人は、20年間同棲している事実上の夫婦でもある。ジョルジュには24年前の過ち(?)から生まれた実の息子がいて、アルバンは彼を母親のように愛している。そんなある日、息子が結婚を宣言。その相手がゲイクラブの取り締まりを主張する政治家ダンドン議員夫妻の娘だったことから家族に波乱が…というストーリー。「アルバンは少しわがままなところはありますが、ジョルジュにとってはそれさえも愛すべき存在。そんなアルバンを思う気持ちを前面に押し出して演じてきたのですが、今回は長年一緒に暮らし、深く知り合った間柄だからこそ生まれるルーズさも表現できればと思っています。一見、いい加減に見えるけれども、仕草や言葉の端々にアルバンへの愛や思いやりがにじみ出ている、そんなジョルジュを演じられれば」と役づくりについて語る鹿賀。市村も「初演のときは40代半ばで、僕が演じたアルバンも非常に元気で、華やいでいました。でも年を重ねた今では、年をとることは役を“よりリアル”にしてくれるものだと感じています。そして今鹿賀くんと夫婦役をやれることも運命的です。ジョルジュとアルバンには俳優としての僕らがダブってみえる場面もあるので、そのあたりも楽しんでいただきたいですね」と笑顔で応えた。“いっちゃん”“丈史”と呼び合う2人は、「いっちゃんの強い舞台愛と、表現することへの貪欲さは出会ったころからずっと変わらない。役者として、何ごとも“太く”進化している」、「丈史は昔から色気があって、華があって、大柄で、まるでステーキのような存在感」と、役者としても尊敬しあう仲。「ジョルジュとアルバンは20年一緒に暮らしてきた仲ですが、僕らは50年付き合ってきた仲。そんな2人にしか表現できない夫婦愛や、家族の絆をお見せしたい」と締めくくった。日本のミュージカル界を代表する2人が魅せる、華麗で楽しく愛にあふれるミュージカル。人を思いやる優しさが全編に詰まっていて、観れば元気になれること間違いなしだ。公演は、4月22日(金)~25日(月)福岡・博多座、4月29日(金・祝)~5月1日(日)大阪。梅田芸術劇場メインホールにて。その他、愛知、富山、埼玉を巡る。チケットは発売中。 ※博多座公演中の4月22日(金)・23日(土)17時公演は来場者イベントあり(詳細は博多座HP参照)。
2022年04月07日人気シリーズ“日本文学シアター”でおなじみの劇作家・北村想、演出・寺十吾(じつなしさとる)コンビが、北村の新たなオリジナル戯曲のミステリー『奇蹟 miracle one way ticket』を上演。記憶を無くした名探偵と、その親友が主人公の探偵バディものだ。私立探偵・法水連太郎(のりみずれんたろう)を井上芳雄、彼を支える親友・楯鉾寸心(たてほこすんしん)を鈴木浩介が演じる。探偵の書置きを見て追いかけた楯鉾が深い森へと迷い込み、傷を負って眠る探偵を見つけ出す。が、目覚めた彼は記憶を無くしていて…という物語。もと乃木坂46の井上小百合やベテラン・大谷亮介らの共演で、出口が見えない“迷いの森”を舞台に描くミステリー。間もなく開幕する大阪公演を前に、上演中の東京から鈴木が来阪、作品の魅力や意気込みを語った。「奇蹟 miracle one-way ticket」チケット情報北村想の作品世界は通常のミステリーとは味わいが違う。依頼人が誰かもわからず、どんな事件が起こっているかもわからない状態から始まるミステリー。「これまで観たことのないタイプのミステリーに仕上がっています」と鈴木。「いろいろなミステリーのオマージュが入っていて、ミステリー好きにはたまらない作品になっていると思う」。そこに北村ワールドをよく知る寺十の演出が加わり、ミステリー通でなくても楽しめる舞台に。「子供の頃にワクワクしながら読んだ探偵小説のような実体験ができる舞台になっていて、お客様に見事にハマる瞬間を劇場で体感しています」。鈴木は探偵の高校時代からの親友で医師という役を演じるとともに、冒頭から観客を物語へ誘い込むストーリーテラーの役割も担う。井上とのバディぶりも楽しいと評判。じつはふたりは同郷の福岡の高校で先輩後輩という関係だ。「すごい巡り合わせでご縁を感じます。信頼できる役者さんで、こんなに安心感のある舞台もなかなかないですね」。井上が歌を3曲披露するのも話題。「真近で毎日聴いていて心地よく、ほんとに上手。この煙に巻かれたような作品を全部まとめることができるのは、井上さんの歌の力です」と絶賛する。「劇場で迷いの森を一緒に歩くことができる、体験型のアミューズメントパーク的な雰囲気が作品の魅力。間違いなく大阪の方も笑って楽しめる参加型の舞台になっています」。コロナ禍で東京公演は初日の延期を余儀なくされた。「お客様がいてくださることが、これだけ自分の勇気に変わるんだということを実感している舞台です。だから、余計にその時間をお客様と一緒に『奇蹟』の舞台で共有したい。無事に大阪公演の初日を開けるよう全力で舞台に臨みます。どうぞ、一緒に迷いの森へ迷いに来てください」。公演は4月10日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、4月13日(水)から17日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年04月07日SKYEとその遺伝子を受け継ぐ SONGS & FRIENDS 第4弾!武部聡志がプロデュースする100年後に残したい音楽をテーマに、荒井由実「ひこうき雲」、小坂忠「ほうろう」、佐野元春「CAFÉ BOHEMIA」と、これまでに開催されてきた一夜限りのプレミアムコンサート、SONGS&FRIENDSシリーズ。この第4弾として、日本のロック黎明期にロック/ポップスシーンを牽引し続けてきたレジェンド・鈴木茂(g)、小原礼(b)、林立夫(ds)、松任谷正隆(key)からなる大型新人バンドSKYE(スカイ)が、「Music Tree Glow to the SKYE & their family」と題して、その遺伝子を受け継ぐ豪華アーティストが集結。すでに発表されている木村カエラ、さかいゆう、JUJU、土岐麻子に続き、今回、ポルノグラフィティと、水野良樹(いきものがかり) 、アソシエイトプロデュース、キーボードとして本間昭光の出演が決定しました。本公演は、2022年4月30日(土)パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催される。<武部聡志コメント>待ちに待ったSONGS&FRIENDS第4弾の開催です。今回は1枚のアルバムではなく、日本のミュージックシーンを牽引してきた4人のミュージシャン達にスポットライトを当て、彼らの作り出してきた音楽に憧れたミュージシャン、アーティストが集って世代や時間を超越したLIVEをお届けします。4人のレジェンドミュージシャンと後に続く後輩達との一夜限りのセッションをどうぞお楽しみに!そして今回初の試みとして、僕の「アフタートーク」、スタッフによる「バックステージツアー」も開催します。そちらの方にも是非ご参加ください。<松任谷正隆コメント>シティポップなんて言葉を聞くようになってずいぶん時間が経ちました。日本のシティポップ黎明期を支えてきた(かもしれない)僕たちが、今度は東京ロックという、シンプルだけどストレートな音楽を提案します。今回のS&Fはルーツミュージックを振り返りながら、これからの未来を探す旅を、若いミュージシャン達と共にしたいと思います。いろいろな人たちが出てくれます。クレジットに書かれていない家族なんかもね・・・。【Music Tree Glow to the SKYE & their family】日程:2022年4月30日(土) OPEN 17:30 / START 18:30場所:パシフィコ横浜 国立大ホール
2022年04月06日“昭和”という時代と“戦争の悲劇”に真正面から向き合った『ミュージカル李香蘭』が、4月23日(土)から5月8日(日)まで自由劇場(東京・浜松町)で上演される。“日中戦争”“満州国”を巡る史実を背景に、日本人でありながら、中国の歌姫として数奇な運命を辿った“李香蘭”こと山口淑子の半生を描いた本作は、1991年の初演以来、900回以上という日本のオリジナルミュージカルとしては圧倒的な公演回数を誇る人気作。1992年には日中国交回復20周年記念公演として中国4都市(北京 / 長春 / 瀋陽 / 大連)を巡演し、1997年にはシンガポール公演も行われるなど、国際的にも高い評価を得ている。本作の見どころのひとつは、劇中に溢れている、人々の心に響くメロディーだ。ポップス界のヒットメーカーにして、ミュージカル作曲家としても評価の高い、故・三木たかしによるオリジナルナンバー20曲の他、「夜来香」「蘇州夜曲」など李香蘭のヒット曲、「月月火水木金金」「海ゆかば」といった昭和の時代を象徴する楽曲が全編を彩っている。本作を企画・製作した演出家、故・浅利慶太は「悲劇が繰り返された“昭和”という時代を、決して風化させてはいけない」と語っていたという。戦後77年が経過し、戦争が遠い過去の出来事となり、さらに戦争体験の語り部が失われつつある今だからこそ、本作は必見の作品である。【公演概要】『ミュージカル李香蘭』■公演期間 / 劇場:2022年4月23日(土)~5月8日(日)自由劇場■発売日:3月13日(日) 一般発売開始現在好評発売中■料金:8,800円(全席指定/税込)※2歳以下入場不可
2022年04月05日2022年5月3日(火・祝) ~ 5日(木・祝)の3日間、東京国際フォーラムホール Cにて「丸の内ミュージックフェス メインコンサート」と題し、国内で活躍するプロの演奏家たちによるクラシック音楽コンサートを1日2公演の計6公演を開催。さらに、会期中は丸の内エリアのGW恒例イベント「丸の内ミュージックフェス エリアコンサート」も無料で開催し、だれでも気軽にクラシック音楽の魅力に触れ、お楽しみいただけるコンテンツが満載。丸の内エリアでは、今後も文化や芸術のイベントや情報発信を展開し、まちのさらなる賑わい創出や活性化を目指す。メインコンサートのチケットは発売中。《メインコンサート日程》■公演15月3日(火・祝) 11:00~12:00動物たちのカーニバル■公演25月3日(火・祝) 19:00~21:00中川英二郎 × エリック・ミヤシロ × 本田雅人SUPER BRASS STARS XXL EDITION■公演35月4日(水・祝) 11:00~12:00セッション⇔セッション・ワンダーランド~親子で楽しむワークショップ・コンサート~■公演45月4日(水・祝) 15:00~17:00鈴木大介プロデュースシネマ・ミュージックとタンゴの饗宴■公演55月5日(木・祝) 11:00~12:00大山大輔プロデュース子どものためのオペラ・ダイジェスト!《セヴィリアの理髪師》■公演65月5日(木・祝) 16:30~18:15ピアノと砂のファンタジー 星の王子さま
2022年04月04日ミュージカル『EDGESーエッジズー2022』が2022年4月27日(水)から有楽町よみうりホールほかで上演される。『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』『ディア・エヴァン・ハンセン』『ドッグファイト』など数々の名楽曲を生み出したコンビ、パセック&ポールの処女作で、誰もが経験した青春の“エッジ(大人と子ども境界)”を描く本作。一つのテーマのもとに、一曲一話完結の楽曲をオムニバス形式で綴るソングサイクル・ミュージカルとなっている。今回、出演する成河は「ソングサイクルということも含めて完成形が想像ができないことが面白みだと思う。正解もなければモデルもないところで物づくりができたら面白いだろうなと思う反面、非常にそれはハードルが高いと思うんです。若者の、本当に自分たちのすぐ横にある感性を描いているにも関わらず、日本ではない地域性が匂ってくると冷めてしまうというか。言語以外の部分をどう埋めていけるかが勝負だと思っています」と話す。成河自身、ソングサイクル・ミュージカルは『35MM: A MUSICAL EXHIBITON』(2020)ぶりで2回目の挑戦。「一つの作品や役を立ち上げていくことに比べて、よっぽど大変ということではないんです。ただ正直、個人的には企画としては素晴らしいと思うんですけど、問題点や課題点はいろいろ見つかって。楽しんでいただいた方は多いと思うんですけど、ソングサイクル自体、まだ“好きな人だけくればいい”という域を出ない気がしていて。もう少し新しいアイディアがないと日本では難しい気がする。よかったところは、僕自身ちょっと歌がうまくなったことかな(笑)」。今回は成河ほか、屋良朝幸、植木豪、草間リチャード敬太、豊原江理佳、ダンドイ舞莉花らが出演。成河は「それぞれの畑で耕してきたものを持ち寄って、みんなで鍋を作る感覚」と印象を語り、「皆それぞれ畑が違うけれども、積極的に物を作っていくぞという感性を感じ取れて。作っては壊し、作っては壊し、という過程を一緒に楽しめる気がしますね」。観客へのメッセージを尋ねると、「ソングサイクルが美味しいかまずいか、好きか嫌いかマジで分からないです。けど、そういうことは一回忘れてもらって。僕らが本気で喋ったり歌ったりして『大人になるとはどういうことか』を見つめている姿を見て、何かが伝わる時間になっていけばいいなと思っています」と話した。東京公演は5月5日(木・祝)まで。大阪公演は5月8日(日)、9日(月)、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール。取材・文:五月女菜穂
2022年04月01日4月16日(土)・17日(日)の2日間にわたり岐阜市文化センターで開催される、『cinema staff presents OOPARTS 2022』。BUNKA ARENA(Cosmo Hall)、KOGANE STAGE(Small Hall)で開催される本公演のタイムテーブルが発表された。「cinema staff presents OOPARTS 2022」チケット情報BUNKA ARENAは「BLUE STAGE」「GREEN STAGE」の2ステージで構成。16日(土)はthe band apartとcinema staff、17日(日)はcinema staffとアルカラがそれぞれトリを務める。また、KOGANE STAGEは両日ともにONIGAWARAがトリで登場。さらに、『OOPARTS 2022』開催前日の4月15日(金)、『OOPARTS 2022 前夜祭』がEVENT HALL club-Gにて開催される。本祭・前夜祭ともにチケット発売中。
2022年04月01日漫画を原作に、テレビアニメ化や実写映画化された『四月は君の嘘』がミュージカルとして初上演される。ダブルキャストで主役を担うのはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で注目を集め、映像や舞台で活躍する小関裕太。「言葉一つ一つに感動して背中を押され、音楽の力にも元気をもらえる前向きな作品」という小関が取材会で語った。ミュージカル『四月は君の嘘』チケット情報ピアノコンクールで優勝したかつての神童の有馬公生(小関/木村達成)は、ピアニストの母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、音楽から遠ざかる日々を送っていた。高校生になった公生は自由闊達に演奏するヴァイオリニストの宮園かをり(生田絵梨花)と出会い、彼女の影響で次第に変わっていく。小関は「ピアノを弾きたくない公生と、彼に弾いてほしい周りとの関係性が描かれています。弾いてほしいと言われるのは、役者の僕としてはすごくうらやましいこと」と役に憧れをにじませる。楽曲はブロードウェイで活躍する音楽家フランク・ワイルドホーンが手掛けた。彼のかかわった日本上演ミュージカルは今作で20本目。「ワイルドホーンさんはJ-POPもお好きで、今回面白いのは、クラシックやJ-POP、アメリカのポップスなどいろんな文化やジャンルが混じっていること。クラシックの伴奏から気が付いたら日本語歌詞がのって心地よく歌っている。なめらかで魔法のよう。新しい感覚ですね」。ワイルドホーンの楽曲を歌った経験のある役者たちは、皆、喉を酷使して大変だったと口を揃えるが、小関はどうだろう?「やっぱりそうなんですか(笑)。僕は今回が初めてですが、キーがとても高くて感情的な歌が続くので、それに耐えうる体力と精神力を作らなければいけないなと。ピアノに対しての苦悩だけではなく、単なるラブストーリーだけでもない。人の生と死にかかわる嘆きや喜び、悲しみが表現されているので、心して歌いたいです。高いと言っていますが、まずは楽しみたいです」と頼もしい。楽曲に加え、クラシックの演奏シーンも。「僕もコンサートを聴きに行ったことがありますが、指揮者やピアニストがフッと呼吸を整えて演奏が始まるという、独特の緊張感があります。生の舞台だからこそ、映画版やアニメ版には出せない、その日ならではの雰囲気や緊張感が伝わるのではと思います」と期待を寄せる。今作は2020年に上演予定だったが、コロナ禍で全公演が中止になった。「当時はあまりにもこの作品にエネルギーを投じて、成功させることを生きがいにしていたので、生きている意味みたいなことも考えた。そのぐらい喪失感がありました」と振り返る。今は「久々の主演作品なので、自分が大きく変われるチャンス」だと意気込む。無事に幕が開く日を見届けてほしい。取材・文:米満ゆう子
2022年03月31日暑い夏の川崎に音楽の熱風が吹く。恒例「フェスタサマーミューザKAWASAKI2022」は7月23日(土)から8月11日(木祝)。ミューザ川崎シンフォニーホールを中心に17公演が行なわれる。3月下旬、記者発表会が開かれた。「夏、ジャーン♪」が合言葉。もちろん音楽が鳴り響く「ジャーン」であると同時に、神奈川の方言とされる終助詞の「じゃん」にかけたもの。「夏だから、やっぱりサマーミューザだよね!」と思ってもらおうという願いを込めた。いいじゃん。7月23日(土)の幕開けは今年もホスト役の東京交響楽団。音楽監督ジョナサン・ノットが「ジャズとダンス」をテーマに、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーなど20世紀音楽を多彩に。《エボニー協奏曲》では、ノットから「日本のグッドマンを探せ」と厳命が下り、目下ジャズ奏者と交渉中とか。以下、いくつかの公演をピックアップすると─。7月24日(日)は「真夏のバッハVII」にジャン=フィリップ・メルカールトが登場。ミューザのシンボルであるパイプオルガンで、バッハをたっぷり堪能するうれしい機会。7月28日(木)は大植英次が神奈川フィルと恩師バーンスタイン作品を中心に。《キャンディード組曲》を締めくくる感動的な〈Make Our Garden Grow〉は落涙必至。7月31日(日)は恒例の名物企画「イッツ・ア・ピアノワールド」。ピアニスト小川典子が子供たちに真摯に向き合う。この日の小川典子はWヘッダーでもう1公演。自身が審査委員長を務める浜松国際ピアノ・コンクールの2012年の覇者イリヤ・ラシュコフスキーと2台ピアノのデュオ。《春の祭典》ほかのロシア・プロ。8月3日(水)は新日本フィルによる生誕90年&没後20年の山本直純特集。盟友・小澤征爾とともに楽団創設にも関わったマルチ音楽家の魅力をあらためて知るチャンス。指揮は広上淳一。毎年ジャズも組み込むサマーミューザ。昨年他界したチック・コリア追善が2公演。8月4日(木)藤岡幸夫指揮東京シティ・フィルと、同6日(土)サマーナイト・ジャズ。両公演ともチックと深い親交のあったリチャード・ストルツマン(クラリネット)が出演する。8月11日(木祝)のフィナーレも東響。原田慶太楼の指揮でシェイクスピア由来の作品を軸に、岡本誠司独奏のコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲と、武満徹《3つの映画音楽》で20日間の幕を閉じる。(取材・文:宮本明)
2022年03月31日4月8日から全国5都市ツアーを行う、ダンスエンターテインメント集団・梅棒の『おどんろ』。メンバーの梅澤裕介は「今回は、妖怪と人間の物語。“NEO妖怪”という現代の妖怪を、みんなのところにお届けできるのが楽しみ。はやく会ってほしい」と意気込む。『おどんろ』は2021年7〜8月に全公演中止となったが、出演予定だった小越勇輝の続投が決まった。梅棒の舞台に衝撃を受けて「このステージに立ちたい」という思いで参加したという小越。「去年は上演手前まで行ったけど、残念ながら上演できなかった。再びお届けできる可能性ができたのが幸せ」と喜ぶ。「梅棒は、皆が妥協なく、誰も残さず、納得いかないことはしっかり話し合って前に進んでいく。良いものができても「それで本当にいいのか」と突き詰めながら、壊してでも新しいものを作って前に進んでいく姿勢がすごい」(小越)。そんな小越の印象を、梅澤は「自分に厳しい。しっくりこないところは納得いくまでやる」と信頼を寄せる。新たに参加する大西桃香(AKB48)は「せりふのない舞台も、ダンスで表現する舞台も初めて」と緊張の様子。ダンスに苦手意識があるが「いろんなジャンルのプロの方が集まっていて『スマブラ』(大乱闘スマッシュブラザーズ)みたいな現場。私もいろんなダンスにチャレンジしたい」と意欲を見せる。そんな大西に、梅棒に参加するにあたって2人に質問したいことを聞くと「私の第一印象は……?」とのこと。小越は「すごく人見知りだと言っていたけれどそんな印象はない。きっとすごくピュアな人。作品のプロットを読んで涙したそうで、すごく心が綺麗なんだろうな」と返すと、梅澤も「眩しくて目が潰れそう!」と盛り上げる。温かい2人のコメントに大西も「せっかくの機会なので聞いちゃいました、ありがとうございます!」と喜び、互いを思いやる和気あいあいとした雰囲気に包まれた。今回の梅棒が一味違うところは、これまで多かった学園ものやSFなどファンタジックな世界観ではなく、妖怪が出るとはいえ現代の都会が舞台になること。梅澤いわく「アルフォートでいえばビターチョコレート味。大人っぽく、ほろ苦い感じもある」とのこと。「本当に、本当に、騙されたと思って来てください!損はさせません!」と力強い梅澤に続き、小越も「とにかく観て!面白いから!と自信を持って言えるのが梅棒。ぜひいらしてください」と念押しした。文・取材河野桃子
2022年03月31日ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで創り上げるエンターテインメント集団「梅棒」による14th WONDER『おどんろ』が2022年4月8日(金)から東京・サンシャイン劇場での公演を皮切りに、全国5箇所で上演される。2021年7〜8月の上演が予定されていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全公演中止となってしまった本作。一部キャストを変更してのリベンジ上演となる。物語の舞台は、トーキョー都タイトー区。人間の生活はNEO妖怪たちのイタズラによって脅かされていた。うだつの上がらないサラリーマン・萬代(ばんだい)はひょんなことから妖怪たちと接触するようになり、生活が一変。不思議な事件に翻弄されるタイトー警察署不思議犯罪課と、よからぬことを企むブラック企業をも巻き込んでーー。人間とNEO妖怪たちの不思議でハートウォーミングな物語となっている。初日までおよそ2週間と迫った3月下旬、適切な感染防止対策を講じた上で稽古場を1時間ほど見学した。この日の稽古は主にアクションシーンを確認すると聞いていた。初日も迫るし、てっきり既に振付やミザンス(役者の立ち位置)が決まっていて、その出来上がったシーンをなぞるのかと思っていたが、とんでもない。今まさに“クリエイション”していた。だいたいの芝居の流れが伝えられ、「ゆっくりと動いてみて」と早速実践へ。それぞれのキャストが自身のキャラクターを考えながら、どうしたらカウント内で動けるか計算し、まずは動いてみる。その場にいるキャストで、何度か合わせてみて、だんだんと噛み合ってきたら、スピードを上げていく。曲をかけてやってみて、また不都合が出てきたら修正し、試す。その繰り返しだ。梅棒の稽古場はこれまでも何度か取材させてもらっているが「壊しては創り、壊しては創り」をここまでしっかりと観たのは初めて。作品にとって何がベストなのか、ぎりぎりまで試行錯誤するのだなと思った。ちなみに、見学していたアクションシーンでは、主演の小越勇輝が大活躍。華麗なアクションを決めていた。また、そのアクションシーンを稽古している最中も、そのシーンに出演しないキャストたちがそれぞれ自主的な練習をしている姿が印象的だった。ヘッドホンをつけて振付をひたすら繰り返す者、小道具の扱いになれようとしているのか、何度も同じ動きをしてみる者。休憩時間はまるで部活のような空気感だが、やるときはやるメリハリあるカンパニー。無事に開幕することを願ってやまない。東京公演は4月17日(日)まで。三重公演は4月19日(火)、四日市市文化会館第2ホール。大阪公演は4月22日(金)~24日(日)、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール。高知公演は4月27日(水)、県立県民文化ホール。愛知公演は5月7日(土)~8日(日)、ウインクあいち。取材・文:五月女菜穂
2022年03月31日主人公の星野鉄郎を中川晃教が演じる舞台、『銀河鉄道999』。三度目となる今回は、『銀河鉄道999 THE MUSICAL』として、念願のミュージカル版での上演となる。そこで新たにキャプテン・ハーロック役を担う、三浦涼介に話を訊いた。名作『銀河鉄道999』への出演が決まった時の心境について問うと、三浦はパッと顔を輝かせ、こう切り出す。「まずは作品うんぬんというよりも、中川さんと共演出来るってことが僕にとっては大きな喜びでした。実は僕、舞台のオーディションを初めて10代で受けた時、中川さんの曲を持っていったくらい大ファンなんです!歌声があんなにハートフルで、胸に刺さる人って他にいないですし、子供ながらにすごい人を見つけてしまった!と思っていて。それがまさか、このお仕事を始めて20年の節目で共演させていただけるなんて、こんなに嬉しいことはありません」そんな憧れの中川演じる鉄郎にとっての憧れの男が、三浦演じるキャプテン・ハーロック。「男の中の男というイメージが強いハーロックですが、そこは人間が演じる面白さとして、僕なりの解釈が出来たらいいなと思っています。それこそ優しさ、しなやかさみたいなものがあってこそ、彼の男らしさが引き立ってくるのではないかと思うので。例えば殺陣稽古の時、『ハーロックはあまり動かなくていい』というお言葉をいただいたんですが、僕としてはいいとこ取りが出来たらいいなと。単に動かないのではなく、そこに俊敏さであったり、スピード感をプラスしていく。そういった見せ方にもトライしていきたいと思います」絶大な人気を誇るキャラクター・メーテル役には、三浦とも『エリザベート』(19年)で共演済みの花總まり。「普段の花總さんは、さっきまであんなに光を浴びてセンターに立っていた人とは思えないくらい、普通に素敵に生きられている方なんですよね。本当に大好きな俳優さんですし、マスクがあって良かったなと思うくらい、中川さん、花總さんのお稽古を見ているとニヤニヤしちゃって(笑)。せっかくなので多くのことを学びたいですし、何気ない会話をたくさんしたいなと。はい、ただのファンです!(笑)」そして連載開始から45年を経た今もなお、本作が輝き続ける理由を三浦はこう語る。「SFではありますが、すごく人間くさい作品だと思います。この舞台でも忘れかけていたなにかを思い返していただけるのではないかと思いますので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです」取材・文:野上瑠美子
2022年03月31日俳優のイッセー尾形が「創作の実験場」と捉える近鉄アート館で、恒例の一人芝居を5日間開催する。半世紀に渡り市井の様々な人々をコミカルに表現し、多くのファンを魅了してきたが、今回は「コロナと庶民でネタを創れるのは今しかない」と昨年新たに創作した7本に再び取り組むほか、日替わりの新作ネタ1本を加えた計8本を上演する。「この時代に皆が思っている意識を想像して作品にする。合っていれば笑いがくるし、合ってなければシーンとなる。シーンとしても平気なのがアート館でございます」とユーモアたっぷり。合同取材会で見どころなどを語った。『イッセー尾形の妄ソー劇場~文豪シリーズその5~日替わりプラス1』チケット情報昨年は現代の母子物語「新宿ロリータ」や「中華屋のおばさん」といった「大きく変化するものとしないもの」に注目したネタから、自身の深い逃避願望を反映した「雪子の冒険」、さらに批判される側の弁明に好奇心をくすぐられた「高速自転車男」などを生み出した。今回再び同じネタに挑むことで「作品が育ったところを観てほしい」。加えて日替わりの新作ネタは「どっこい、うっちゃる力」をテーマに創作中だ。「コロナ以降の願望ですが、僕らはいつの時代も攻め込まれるもので、その都度いろんなアイデアで乗り切ってきた。攻め込まれても攻め込まれても『えいっ!』とうっちゃる力が備わっている。同時に、因果関係抜きにともかく体験自体を笑っちゃう、おかしいから僕もお客さんも笑っちゃうというものを。それくらい意識が大きくなると信じています」。70歳を迎え「あと10年やり残さないように」との思いを抱く。「70歳だからでっかいことをではなく、心構えだけは謙虚に昔ながらの方法で。これでいいかの問いかけは大きく強くなっている」。本公演の副題には「やっぱみんな生きてるわあ」と付けた。「人間は最後の最後には逞しく大らかに笑って世の中を受け止める、性善説を説きたいんですね。僕にとっては他人の登場人物であり、他人であるお客さんがいて、他人がいるからこそ自分が在ることを何十年と経験してきた。そこから見れば、人間は性善説で間違いないし、生きてるわという実感を自分が持てなくても他者が必ず持ってくれる。そういう人間関係で生きてるんだろうな」との実感がこもる。最後に「コロナ禍では優良芝居です」と改めて一人芝居をアピールした。「今はスマホやテレビをつければ情報が全部現れる時代。想像している暇がないんじゃないかな。昭和27年生まれの想像で育った人間ですから、自分が芝居をやってる時ぐらいはスマホを忘れて想像してほしい。想像に出合い直す時代には一人芝居はうってつけだとおもいます」。大阪公演は4月13日(水)から17日(日)まで近鉄アート館にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年03月31日全員70歳の新人ロックバンドとして、ギネス世界記録登録にもトライするという話題のバンド「SKYE(スカイ)」が7月、初の単独ツアーに出る。SKYEは、「はっぴいえんど」も「サディスティック・ミカ・バンド」も存在していなかった日本のロック黎明期に、高校生だった鈴木茂(g)、小原礼(b)、林立夫(ds)らで結成された伝説のバンドだ。ここに「ティン・パン・アレイ」以降、日本のロック/ポップスシーンをプロデューサーとしてプレイヤーとして編曲家として牽引し続けてきた松任谷正隆(key)が加入し結成された大型新人バンド「SKYE」。SKYEチケット情報全員が作詞・作曲・歌唱に参加する、音楽家集団のバンドだ。日本のポピュラー・ミュージックの、都会的で洒脱なサウンドを支えてきた4人とも言える。彼らが、昨年リリースしたデビューアルバム『SKYE』を携え、東京・名古屋・大阪でのホール公演を開催する。含蓄に富んだ歌詞、重ねたキャリアからにじみ出る音楽性が存分に堪能できるはず。公演は、7月14日(木)愛知県芸術劇場 大ホール、7月20日(水)フェスティバルホール、7月25日(月)・26日(火)オーチャードホールにて。チケットは、4月6日(水)23:59まで主催者先行(抽選)を受付中。
2022年03月30日5月5日(木・祝)・7日(土)・8日(日)に大阪・泉大津フェニックスにて開催される『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』の入浴順(出演順)が発表された。「OTODAMA’22~音泉魂~」 チケット情報“大浴場ステージ”と“露天風呂ステージ”で交互にライブが行われ、初日はAJICO、2日目はキュウソネコカミ、最終日はユニコーンがそれぞれトリを飾る。尚、大浴場と露天風呂のステージサイズと収容人数は同規模となる。また、人気イラストレーターますださえこ&吉本ユータヌキとの音泉魂コラボグッズデザインも公開された。土産品(オフィシャルグッズ)の事前通販は、4月7日(木)22:59まで実施中!入浴券(入場券)、各種バス券、駐車券は発売中。
2022年03月30日バブリーダンスで社会現象を巻き起こした、振付師akaneが仕掛けるダンスエンターテインメント『ベストヒット舞踊祭』が6月に大阪で開催される。公演は6月4日(土)・5日(日)の2日間、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて。『ベストヒット舞踊祭』チケット情報アカネキカクのダンサーたちが、バブリーダンスから新作までダンスの魅力が凝縮されたステージを展開。akaneが生み出したダンスワールドはもちろん、豪華ゲスト陣との夢のコラボも見どころだ。ゲストは4月中旬に発表予定。解禁までお楽しみに!一般チケットに加え、Tシャツ&ジュリ扇&記念写真付きのバブリーチケットも発売。4月11日(月)11:00までファミリーマート先行(抽選)受付を実施中。
2022年03月30日ナードマグネット×Subway Daydreamのスプリット7インチレコード『Re: ACTION』が、4月13日(水)にリリースされる。このリリースパーティーが、東京と大阪で開催決定!東京公演は5月14日(土)LIVE HOUSE FEVER、大阪公演は5月21日(土)心斎橋JANUSにて。両公演ともナードマグネットとSubway Daydreamのツーマンライブとなる。「ナードマグネット/Subway Daydream」チケット情報チケットは一般発売に先駆け、4月3日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2022年03月28日5月4日(水・祝)、大阪・フェスティバルホールにて『SOUND CONNECTION 2022』が開催される。本公演はMBSテレビが開催する、アーティスト、オーディエンスはもちろん、関西の音楽シーン全体を“つなげる”新しい音楽イベント。『MBS SOUND CONNECTION 2022』チケット情報出演アーティストは、Nulbarich、Vaundy、ビッケブランカ。J-POP/J-ROCKシーンを確実に牽引している豪華3組が大阪に集結する。チケットは一般発売に先駆け、4月4日(月)11:00までチケット先行抽選プレリザーブ受付中。
2022年03月28日株式会社スーパーエキセントリックシアターによる“演歌ミュージカル”「明日に唄えば~清き一曲お願いします~」が3月26日より開幕する。初日を直前に控えた稽古場にて行われた通し稽古の模様をレポートする。人口減に悩む田舎の街を舞台に、商業施設の誘致の是非を焦点に行なわれる町議会議員選挙の模様を描く本作。冒頭、演歌歌手の夢破れて東京から故郷に帰ってきたヒロイン・千春が未練を漂わせつつ力強く歌う「ごめんね東京」で幕を開ける。“演歌ミュージカル”と銘打つだけあって、劇中の随所で登場人物たちがそれぞれの心情を乗せて演歌を歌い上げるが、オリジナル楽曲に加え、水前寺清子、新沼謙治、八代亜紀などの誰もが聞いたことのある名曲が次々と流れる。「どんとやれ男なら~♪」(「いっぽんどっこの唄」)、「嫁に来ないか ぼくのところに~♪」(「嫁にこないか」)などの“昭和”の香りのする歌詞と哀愁あふれる街の様子と絶妙にマッチし心地よく響く。物語の軸になるのは町会議員選挙。有力議員・根来川の下で働き始めた千春だったが、昔ながらの利益誘導、男社会の町政に疑問を抱き、自ら選挙に立候補する。千春が立候補を決意するきっかけになるのが、商業施設が誘致されたらなくなるかもしれない商店街主催の夏祭り。ここで美空ひばりの「お祭りマンボ」が流れると、一気に舞台全体のテンションがアップ! ちなみにその後、千春が飛び入りのカラオケ大会で観衆の心を掴むシーンでも、美空ひばりの楽曲が使われている。千春を演じるのはAKB48を卒業後、演歌歌手として着実にキャリアを積み重ねてきた岩佐美咲。彼女の前に立ちはだかる町会議員・根来川をモト冬樹が演じているが、自らの頭髪をネタにしたアドリブを挿入するなど、時にコミカルな面を見せつつ、“いかにも”な昭和のオジサン議員を体現し、さすがの存在感を見せつけている。“選挙”と“祭り”を組み合わせた構成も見事。「選挙とは、民主主義の根幹をなす制度であり、未来を選択するための…」という正論以前に「選挙とはお祭りである」という“真理”を我々は現実の世界でもたびたび目の当たりにしてきた。一方で、選挙が行われるたびに、投票率の低さが話題となるが、本作ではそうした社会的な問題にも触れつつ、大音量の演歌に乗せて、選挙というお祭りを一大エンタテインメントに仕上げている。
2022年03月24日5月8日(日)大阪ザ・シンフォニーホールの「三浦一馬キンテート2022熱狂のタンゴ」は、バンドネオンの若き第一人者・三浦が、腕利き揃いのキンテート(五重奏)を率いる、ピアソラ三昧のコンサート。バンドネオン(三浦)とヴァイオリン(石田泰尚)、ピアノ(山田武彦)、コントラバス(黒木岩寿)、エレキギター(大坪純平)。ピアソラ本人が最も深く探求したのがこの編成=キンテートだった。「一番ベーシックなピアソラだと感じる編成です。これが4人でも6人でもいけない。完成されているんです。非常に低重心のバランスで、ピアノの低域やコントラバス、さらにはエレキギターも下を支えて、そこにバンドネオンやヴァイオリンのメロディが気持ちよく乗ることができる。とても安定感があります」「もうひとつ面白いのが、ピアソラって、メロディがどんなに暴れても、下のリズムはそのまま、いわばメトロノーム的に進むんですね。たとえば歌曲のように、歌に伴奏が合わせたりしない。その中でわれわれメロディ側は、頭の中ではきちんとカウントしながらも、あえて大幅に遅らせてみたりするんです。そういう面白さがあるのがキンテートの醍醐味です」ピアソラの音を忠実に再現するために、録音から自分の耳で起こしたスコアを使用する。「ピアソラ自身のスコアがどれだけ残っているかはわかりません。出版譜の多くはたぶん第三者の手によるもの。だからまず最低限の準備としてスコアを作るんです。時間はかかりますが、そこは手を抜きたくないですね。そしてもちろん、そこから先がそれぞれの個性が輝くところです」まずスコアありきという姿勢は、クラシック的。実際、「ジャンル」を考えることはほとんどないという。「自分もタンゴの人間というより、バンドネオンの人、という感じです」公演では、三浦たちにとっても〝初出し〟の、私たちがこれまであまり聴いたことのないピアソラも何曲も弾いてくれる。《ルンファルド》《レビラード》《カリエンテ》 《ムムキ》などがそれ。「ピアソラといえば《リベルタンゴ》《アディオス・ノニーノ》《オブリビオン》《四季》等々。そろそろ他のも行こうよ!という気持ちがありまして。珍しいから持って来ました、ではなく、有名曲と並んでも遜色ない、ひょっとしたらそれよりも……という、これからの時代のスタンダードになりうる名曲揃いです。ぜひ聴いてください」(曲目は変更の可能性あり)(取材・文:宮本明)
2022年03月24日天童よしみとコロッケが共演する『天童よしみ・コロッケ スペシャルコンサート』が4月8日(金)より新歌舞伎座にて開催される。昨年、初共演が実現したものの、コロナ禍のため4日目から中止に。「今年はさらにパワーアップする」というふたりが取材会で語った。「天童よしみ・コロッケ スペシャルコンサート」チケット情報第1部はコロッケものまねオンステージ。「今まで扮装してやったことはない玉置浩二さんや徳永英明さんのほか、BTS、森山良子さん、おなじみの岩崎宏美さん、五木ひろしさんらをやろうと思っています」とコロッケ。第2部は、今年デビュー50周年を迎えた天童よしみのオンステージで、「50周年記念曲の『あなたに咲いた花だから』や、昨年発売したアルバム『Buddy~素晴らしき相棒~』からもセレクトして歌います」と天童。また、「『月の法善寺横町』では、コロッケさんに板前を演じてもらい、私がこいさん(末娘)に扮します」と天童が言うと、コロッケは「誰がいいですかね、武田鉄矢さんだったら普通ですし、北島三郎さんかな?やっていいのかは別として(笑)」と応じた。楽しみなのは、コロッケによる天童のものまねだ。コロッケは「天童さんは歌っている時、目がまっすぐなんですよ。僕の場合、目線をはずしていろんな動きをするものまねが多いのですが、天童さん、逆に微動だにしない。歩いては出てきますけど」と言うと、天童は「当たり前ですよ(笑)」と返し、「でもそれだけ特徴があるということ。ものまねされる側としてはうれしいですよ」と喜んだ。コロナ禍でも、毎日練習は欠かさないというふたり。「部屋でマスクをしたままや、半身浴をしながら発声練習しています。ヒーとかファーとか、ファルセット(裏声)で始めて、出るかな? 裏声がハスキーだったらヤバいなと」と天童。コロッケは「僕は一通り“顔マネ”して顔の筋肉を動かさないと、一瞬で五木さんや岩崎さんにはなれないんです(笑)。歌の練習? お客様は僕がどんな変なことをやるかに集中していて、実はそんなに歌は聞いていない(笑)。玉置さんや徳永さんも30%似ていれば、70%は別の生き物だと思ってもらいたい(笑)。それでも今回だけで30種類の声を出します」という。天童の曲も今回を機に1000を超える自分のレパートリーに入れると宣言し、「すみません、大事な曲なのに。いつも歌手の皆さんの大事な曲をグチャグチャにしてすみません(笑)」と謝った。「僕のものまねで笑ってもらい、天童さんの歌をじっくり聞いていただいて一度で二度おいしい舞台になると思います」とコロッケ。天童も「暗いニュースが続く中、皆さんに元気と勇気を届けます。笑うことが一番身体によくて、血糖値が下がると言われているので、血糖値を下げにきてください(笑)」と呼びかけた。公演は4月8日(金)から14日(木)まで新歌舞伎座にて上演。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2022年03月24日富士山1合目に位置するふじてんリゾート特設会場にて4月23日(土)、雪化粧が残る富士山の絶景を背に約1万発の花火を打ち揚げるイベント『The 絶景花火@Mt.fuji』が開催される。同イベントを主催するThe 絶景花火実行委員会は、2020年10月に世界遺産である富士山の敷居内にて日本で初めての花火大会を開催。昨年はコロナの影響により開催を断念することとなったが、今年は紅屋青木煙火店、磯谷煙火店、齊木煙火本店、菊屋小幡花火店という名実ともに日本を代表する花火師BIG4が再び集結し、世界最高峰の花火の競演が行われる。特設会場となるふじてんリゾートは、世界遺産・富士山の一合目に位置する特別な場所。「全ての方に最高の花火をお届けしたい!」という想いから、『The絶景花火@Mt.Fuji』は特別席のみが用意される。約1万人が入場可能な会場に約1000名限定で観客を招くことで、車の渋滞や人混みといったストレスを軽減し、優雅なシチュエーションと時間を届ける。ぜひ特等席で唯一無二の臨場感あふれる花火大会を堪能してほしい。
2022年03月24日4月4日(月)に初開催される「MBSらくごスペシャル 春蝶・吉弥と一之輔 三人噺」。上方落語からは桂春蝶、桂吉弥が、江戸落語からは春風亭一之輔が登場する。演目も発表され、桂春蝶は『浜野矩随(はまののりゆき)』。元は講談噺で、名工と呼ばれた父を持つ息子と、息子を思う母の姿を描いた人情噺だ。桂吉弥は京都が舞台の『愛宕山』と、にぎやかな上方らしい噺を口演。そして一之輔は滑稽噺の『青菜』を、江戸前の情緒たっぷりに披露する。「春蝶・吉弥と一之輔 三人噺」 チケット情報開催を前に取材会を行った3人。それぞれネタを選んだ理由について尋ねると、春蝶は次のように話した。「僕は2011年から東京を拠点にしていて、今は東京のネタを上方落語の自分の立場でリライトするというようなことをやっています。『浜野矩随』もそのひとつで、“東京の名作を大阪の噺家がやるならこういう感じ”というふうにやっています」。1993年に亡くなった春蝶の実父は、名人と呼ばれた二代目春蝶。二世という同じ境遇に自身を重ねた。「前から自分の立場と重ねてやってみたいという思いがありました。二世としていろいろ言われたこともあるから…」。また、実母がこの3月3日に急逝したことも明かし、「この日だけは、お客様と母にささげたい」と胸の内を語った。吉弥は一之輔との共演も意識して、三味線や太鼓がBGMのように入る上方らしい演目を選んだというが、そこには師匠への思いもあった。「『愛宕山』は50歳で亡くなったうちの師匠の吉朝がやっていました。僕は今51歳になって、年だけは師匠を越えたので、それを機に師匠がやっていた素敵な『愛宕山』をやりたいなという気もありました」。一之輔は「そもそも事前にネタを発表してやるのはすごく嫌いなんですよ。やりたくなくなっちゃうんですよね」とざっくばらん。だが「当日決定する出番順も意識した」と、細やかな配慮も欠かさない。「すごく単純な滑稽噺なので、最初の導入としてもいいし、休憩を控えた2番目でドン!と笑ってもらうのもいいし、最後、ぐったりするほど笑っていただくのもちょうどいい。どのポジションでも僕がやる『青菜』は喜んでいただけるかなというセレクトです」と自信をのぞかせる。この噺は落語協会会長の柳亭市馬から習ったという。「習って、市馬師匠の前でやったら『跡形もないな』って言われて。跡形のない『青菜』、スムージーみたいになっていると思います」と“飲みやすさ”もアピールした。「舞台の上では遠慮しても仕方ない」と意欲を燃やす3人。初めての競演だけに、東西落語界に新たな潮流が生まれるのではと期待も募る。その瞬間をぜひ見届けてほしい。取材・文:岩本
2022年03月24日昨年11月にプレイベントを開催して反響を呼んだ、チケットぴあ主催の若手バンドを応援するライブハウス企画「Grasshopper supported by チケットぴあ」が4月より本格始動する。ぴあスタッフ一押しの若手バンド3~4組迎えて奇数月は下北沢CLUB Que、偶数月は下北沢DaisyBarにて毎月開催を予定している。記念すべき第一回目の「Grasshopper vol.1」は4月25日(月)下北沢DaisyBarでの開催となり、出演バンドに「kalmia」と「月追う彼方」の2組が決定!合わせて、3月23日(水)20:00よりチケットぴあにてチケット販売がスタートした。ロックバンド好きに自信をもってオススメするこちらの2バンドのライブは必見!ぜひこの機会にチェックを。なお、出演バンドは今後も追加発表を予定している。◆kalmia東京発 4ピースギターロックバンド2017年結成。2018年9月には一度活動を休止するも、そのわずか4ヶ月後、2019年1月新メンバーを迎え活動再開。2020年5月には初の全国流通盤 2nd EP「エンドロール」をリリース。言葉では伝えづらい大切な部分を歌に乗せ、Vo.千葉の透き通る声で届ける。◆月追う彼方2019年に結成。福岡を中心にライブ活動を開始。ラストラム主催のオーディション、ニューカマー発見伝では決勝まで進出し、島村楽器賞を受賞したりと、業界からの注目度も高まる。(決勝戦はコロナウイルスによる影響にて中止)2021年から活動拠点を東京に移し、精力的に活動を行っている。2022年2月6日には2nd EP「雪月花を思い出す」をリリース、初となるリリースツアーも開催し全国に活動範囲を広げている。本イベント名の"Grasshopper"(=バッタ)には、「若手バンドがたくさんの人に知ってもらって勢いよく飛び立てるようなイベントにしたい!」という思いが込められている。まだ見ぬアーティストとの新しい出会いへ。新進気鋭のバンドによるアツいライブをお見逃しなく!
2022年03月24日俳優の小林且弥が初めて舞台演出を手がけ、主演に安西慎太郎を迎えて4月に上演される『象』。新たな挑戦を前にした小林に加え、彼と長い付き合いで共演経験が豊富な安西に話を聞いた。コロナ禍で廃業を余儀なくされたサーカス団における“最後の一日”を描いた本作は、映画監督でもある齋藤孝が脚本を担当した。養護施設で育ったクラウン見習いの主人公・松山悠太役を安西が務め、アクロバットの才能にあふれるも生意気な後輩・苫坂光役を菅原健が演じる。キャストは他に鎌滝恵利、伊藤裕一、伊藤修子、木ノ本嶺浩、大堀こういちの名も並ぶ。実はこの小林演出・安西主演タッグによるプロジェクト、2020年8月に向けて別の作品で走り出していた企画だった。しかし新型コロナウイルス感染症の流行で公演延期に。満を持しての“リベンジ”に安西は「今度こそ必ず、という想いがあります」と意気込み、小林も「舞台芸術は社会情勢と密接に繋がっていると痛感したからこそ、コロナ前より“意味”がもうひとつ乗っています」と続く。演出はプロデューサーからの提案で「自分からやらせてください、と言ったわけではないんです」と控え目な小林。しかし歳を重ねるうち、内面に変化が生まれたという。「これまで役をいただく・頂戴するばかりだった分、自分の人生そのものと言える芝居の世界に何か“還元”というかお返ししたい気持ちが芽生えて」──。安西はその萌芽に「且弥さんは作品に対して思考する量がすごいので、初演出に立ち会えるのが楽しみでなりません」と期待を寄せる。小林も、2014年からの付き合いである安西を「役として自然にたたずむ“生き物”になれる俳優」と称える。「芝居は“人間とは何か”を見せるアナログな行為だと思う」「デジタル化してそういう感覚が希薄になる世の中でも、慎太郎にはどこまでも生き物として歩んで欲しい」と背中を押す。そのエールに応えるように、安西も「生き物になれる最大のチャンスが『象』だと思って取り組みたい」とコメント。「たぶん今までの僕で演じても意味がない」「ひとつ殻を破って新しい自分を手に入れたいですね」と愛想笑いが癖になっている繊細な人物像になり切る決意を語った。公演は4月6日(水)〜17日(日)に、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。チケットの一般発売は、3月27日(日)10時にスタート。取材・文:岡山朋代
2022年03月23日舞台「『チコちゃんに叱られる!on STAGE』~そのとき歴史はチコっと動いた!~」が2022年3月18日から日本青年館ホール(東京都新宿区)で開幕した。NHKの人気バラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』を、人気コメディ劇団のヨーロッパ企画が全面協力して舞台化した本作。好奇心旺盛な永遠の5歳児・チコちゃん(声:木村祐一)と、チコちゃんと仲良しの江戸川の黒い鳥キョエちゃんがリアルな舞台に登場するのは今回が初めてだという。ある日、いつものように大人たちに素朴なギモンを投げかけていたチコちゃんのもとに、突然、タイムマシンに乗って、“タイムパトロール”と名乗るダイゴ(髙橋颯)とミライ(浅川梨奈)が現れるところから物語が始まる。なんでも過去の偉人たちがボーッとしてしまい、歴史がねじ曲がってきているといい、チコちゃんたちは過去へタイムスリップの旅へと繰り出すのだが――。初日の舞台を観た。お馴染みのセリフ「ボーっと生きてんじゃねーよ」を生で聞いたり、チコちゃんの七変化を楽しめたり、いつものように素朴な疑問を考えさせられたり、同番組のファンにはたまらない舞台だろう。とはいえ、番組の公開収録とは違い、ちゃんとストーリー仕立てになっている。はちゃめちゃな展開も見受けられるが、有名な歴史上の人物たちが夢の“共演”をしたり、俳優たちの個性を活かしたセリフがあったり、髙橋颯と浅川梨奈を中心に歌とダンスが披露されたり、映像を駆使してSF感を満喫したり、エンターテイメント要素は十分。老若男女が楽しめる舞台に仕上がっている。全日程日替わりのゲストが登場する。初日は、本公演の振付を担当したDA PUMPのTOMOが登場。カーテンコールでTOMOは「初めてリハーサルをやったときに、皆さんが踊れなさすぎてびっくりした」と話しながらも「本番には仕上がっていた」とコメントしていた。主演のチコちゃんは「初日が楽しみすぎて、昨晩は寝られなかった」と明かしつつ、「歌が素敵」と作品をPR。本作に出てくる歌がずっと頭の中でリフレインしていたそうだ。いろいろと出演者にツッコミをいれながらも、「最後までよろしくお願いします」と座長らしく締め括っていた。その他の出演者は、久保田秀敏、藤村忠寿、石田剛太・土佐和成・中川晴樹(ヨーロッパ企画)、青木さやか、小川菜摘、大竹まこと(※声のみ出演)。東京公演は3月21日(月・祝)まで。大阪公演は3月26日(土)、27日(日)、サンケイホールブリーゼ。取材・文:五月女菜穂
2022年03月18日久本雅美と藤原紀香がW主演を務める『毒薬と老嬢』が、東京・新橋演舞場で3月16日に開幕。これに先立ち、初日前会見とゲネプロが行われた。1941年に米ブロードウェイで初演されたジョセフ・ケッセルリングの戯曲を、錦織一清の演出で繰り広げる本作。ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街に暮らす老姉妹のアビー(久本)とマーサ(藤原)は、自家製の“ぼけ酒”を身寄りのない年配者に振る舞うなど街で評判の慈善家だった。しかし、このふたりはある秘密を抱えていて──。なお本作は2020年3・4月に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった経緯がある。仕切り直して再出発する想いを、久本は「キャスト・スタッフ、何とか元気で初日を迎えられました。一致団結して最後まで乗り切りたい」とコメント。藤原も「懸命にみんなで積み上げてきた『毒薬と老嬢』を一人でも多くの人に届けたい。こんな時代だからこそ、クスッと笑える楽しい作品を」と続く。話題は全編“関西弁”で展開されるという会話劇へ。大阪府出身の久本、兵庫県出身の藤原はもともと“使い手”だが、ブルックリンが舞台のブラックコメディを郷土の言葉で立ち上げた実感を問われると、久本は「関西弁では“どういう言い回しになるの?”と相談したね」と稽古中のエピソードを披露する。藤原は「日ごろ喋っている標準語が出ないようにしないと」と注意するものの、会見中のイントネーションはすっかり関西弁だ。両者揃って挙げる見どころは、ずばり「会話劇の応酬」に。特に久本は海外の人名が次々と登場することに苦戦した様子を「テディ(渋谷天笑)だのモーティーマー(納谷健 / 劇団Patch)だのジョナサン(室たつき)だの……誰?」と再現して会場を湧かせる。藤原は「セリフにも韻を踏んでいるところがたくさん散りばめられているんですよ。役者の集中力を要する作品ですが、そのぶんお客さんは楽しめるのでは」と笑顔を見せた。ゲネプロは全編にわたって、アビー&マーサの邸宅を訪れる各キャラクターが老姉妹のマイペースぶりに翻弄される様子をおもしろおかしく描くコメディが展開された。応接間のチェストに死体を隠しても「私たちのお客さま」で押し切るブラックさを、久本と藤原は和やかな笑顔と陽気な関西弁で表現する。ラストには安楽死や高齢化社会への風刺がにじむものの、どこかほくそ笑んでしまう後味だ。東京公演は3月20日(水)まで。その後、26日(土)・27日(日)に愛知・御園座、4月2日(土)に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、9日(土)・10日(日)に北海道・道新ホール、16日(土)~24日(日)に大阪・大阪松竹座と巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年03月18日セーターを肩に巻いたプロデューサーは実在する?配信演劇「あの夜を覚えてる」三四郎・相田インタビューオールナイトニッポン55周年を記念して、ニッポン放送の館内を舞台にした生配信型演劇として上演される「あの夜を覚えてる」。オールナイトニッポンのパーソナリティやスタッフたちが繰り広げるドタバタや人間ドラマを描く本作に番組プロデューサー・野々宮役で出演するのが「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当する「三四郎」の相田周二だ。相田が本作で演じるのは「上層部と現場に挟まれる立場の憎まれ役。ラジオ愛はあるけれど、それをなかなか表現できず、現場の人間には『あいつ来たよ…』と煙たがられるタイプの男」とのこと。「僕が知ってる“プロデューサー“ってニッポン放送の冨山さんだけで、僕らがパーソナリティの時は挨拶するだけで、聴取率が良かったら目録をくれる人ってイメージなんですよ(笑)。今回、いろいろ教わったんですけど、とりあえず『金髪のプロデューサーはいない』ってことなので、もう少ししたら黒くしたいと思います」。ちなみに世間がプロデューサーと聞いてイメージする“セーターを肩に巻いた“いかにも”なプロデューサーは都市伝説ではなく実際にいるのか尋ねると「いますね!」と即答。「冨山さんは違うけど、いますよ、そういう人(笑)。あと、今回の物語で言うと第一部の植村(高橋ひかる)のバタバタしたADの感じとかも『あるある』ですね。なんでそんなミスを? という失敗したり、卓の向こうで放送中に立ち上がってバタバタし始めて『何か起きたな』とわかったり」。なお、生配信となる今回の作品でも「絶対にミスが起こると思う。それをみんなでどうカバーするのか…? 絶対に何か起こるので(笑)、盗み見る感覚でリアルさを楽しんでほしい」と笑う。パーソナリティをやるようになって感じたラジオの魅力はファンの「純度の濃さ」だという。「ラジオのファンってよほどのことがない限り離れないんですよ。ラジオからライブに来てくれる人も多いし、“ホーム感”があるんですよね」。つい先日、相方の小宮浩信がラジオで結婚を発表したばかりだが「ラジオで重大発表ってかっこいいですよね。ニッポン放送の駐車場でマスコミに取材されるのも込みで(笑)。まあ、小宮のマネになるのはちょっと嫌なので、僕の重大発表はしばらくないと思いますけどね(笑)」
2022年03月18日本当にあったことを2時間以上もしゃべり倒すオリジナル話芸=鶴瓶噺の原点は、ラジオ番組と学生時代の喫茶店での雑談であるという。では、笑福亭鶴瓶にとってテレビの存在とは? 昭和26年うまれで、2歳の時に民放テレビが開局した芸人は、こんなエピソードから教えてくれた。「ラジオは若手の頃から好きでしたけど、テレビは疑っていた時期がありました。こっちの実力がないからですけど、しゃべり方までああせいこうせいと言う人がいて……。僕も若くて生意気でしたから〝やかましいわ!〟と(笑)。だから、自分で自分のテレビを作る努力をしたんです。テレビなんですけど、言うたらライブというか。いまみたいに観覧者を募集するとかじゃなしに、自分で人を集めて番組を作ろうと企画したこともあって。そしたら、ごっついおっさんの声で〝おりゃー!〟と誰かが殴り込んできたんですよ。自分の番組で自分の企画だし、いかなしゃあないじゃないですか。〝なんやこらぁ!〟と声のするほうに向かっていったら、うちの師匠だったんですよ。〝え?〟ってなって〝すみません!〟と謝ったら〝よかったなぁ。お前がしたい番組ができて〟と言うてくれて。僕ですか? 号泣でした(笑)」自分のテレビを作り、己の話芸をうみだす。鶴瓶噺そのものの原点ではないが、テレビとの向き合い方にもオリジナルを目指すという共通点があった。では、自分の名を冠する話芸=鶴瓶噺における〝個性〟の自己分析ならばどうか。「動と静の表現があるとしたら、鶴瓶噺は静だと思うんです。テレビのようには派手にいかないですから。たとえば、70歳の高校の同級生が脳梗塞になったと。無事に治ったから会う約束をしたら、なぜかハリセンを持ってきて。〝お前らはよく俺の頭を叩くけどいまはまずい。だから、なんかあったらこれで叩いてくれ〟って(笑)。それはもうツッコんでくれということですから〝いま言葉に詰まったやろ?〟なんてハリセンで叩くのが、めちゃめちゃ楽しかったんです。派手じゃなく静な出来事ですけど、そんな70歳、おもしろいじゃないですか。いまではテレビも大好きですし、ずっと出ときたいですけど、鶴瓶噺の個性であり原点は、やっぱり喫茶店でのツレとの雑談なんでしょうね」今年のテーマは「なにがなんだかわからない」になりそうとのこと。御殿場で出会った女性が思わず口にした言葉であり、もちろん本当にあった出来事がベースである。「TSURUBE BANASHI 2022」は、4/13(水)~17(日)東京・世田谷パブリックシアターにて、4/20(水)~24(日)大阪・森ノ宮ピロティホールにて開催。取材・文:唐澤和也
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