チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (39/342)
今年デビュー35周年を迎えたチェロ奏者・長谷川陽子。記念公演でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全5曲を弾く[5月19日(木)東京文化会館 小ホール]。これまでどちらかというと避けてきたというベートーヴェン。「楽譜のあちこちに、暗号のように、いわば〝ベートーヴェン・コード〟が埋め込まれているのですけど、それを読み解く面白さがようやくわかってきました。それを理解したうえで弾くと、やはり作品がものすごく生き生きしてくるんです。いろんな経験を積み重ねて、やっとベートーヴェンを弾く入り口にたどり着いたように感じています」2020年。ベートーヴェンの生誕250周年はコロナ禍と重なり、音楽家は人々の前で演奏する機会さえ奪われた。「チェロ・ケースを開くことさえない時間が続いたのはショックでした。そんな中で、やっぱり自分には音楽しかないのだと再確認させてくれたのがベートーヴェン。彼の意思の強さ、メッセージの深さ、そして人類愛。知識や情報としては知っていたことを、その作品から自発的に感じることができたのです。あの時期、たぶん自分の力だけでは這い上がることができなかった。ベートーヴェンが引っ張り上げてくれました」共演のピアノは松本和将(かずまさ)。新しい扉を開けてくれる、と信頼を寄せる。「音があたたかくてどこにも力が入っていない。飄々としていて、でもどんな球を投げてもうまくキャッチしてくれる。それがすごく魅力的です。音楽性は私と正反対かもしれないのですが、それがかえって互いの長所を引き立てあうのだなあと実感しています」高校1年生で日本音楽コンクール第2位入賞。2年後の1987年にデビュー・リサイタルを開いた。「ずっと手ほどきを受けた井上頼豊先生は、音楽をゼロから作る力を身につけなさいと、レコードで聴くような有名曲はあまり弾かせませんでした。真似をしてしまわないように。ところがデビューしてお仕事で弾かせていただくのは有名な曲ばかり。刺激的でした。憧れだった曲を次々に弾けて、とにかく楽しかったという記憶しかありません」弾くのが楽しい。彼女はそのピュアな感覚をずっと変わらず持ち続けている人だと思う。ナチュラルな音楽家だ。ベートーヴェンはリサイタルに合わせてCDもリリース。充実した録音ができたと手応えを語る。経験を重ねて初めて正面から向き合ったベートーヴェン。ライヴもCDも、名演奏・名盤の予感が漂う。(取材・文:宮本明)
2022年03月02日4月開幕の舞台『銀河鉄道999 THE MUSICAL』の制作発表が、オンラインにて開催された。漫画家・松本零士が生んだ大ヒット作品、その劇場版(79年公開)をベースにオリジナルストーリーを加えた新たな物語で、スリーナインの世界がミュージカルとなって再誕する。会見では脚本・歌詞を手がける高橋亜子のコメント紹介、演出を担う小山ゆうなの挨拶に続いて、音楽監督を務めるミッキー吉野と主人公・星野鉄郎を演じる中川晃教が登場。吉野のキーボード演奏で、中川が美声を響かせて本作のメインテーマとなる楽曲『マイ・ディグニティ』を披露した。爽快なメロディの高揚感を残したまま、あらためて中川と、メーテル役の花總まり、機械伯爵役の佐藤流司、クレア役の梅田彩佳の主要キャストが登場し、本作への思いを語った。2018年、19年上演の舞台に続き、三度目の鉄郎役に挑む中川は「僕自身は39歳だけど(笑)、16歳を精一杯生きていきたいです」と朗らかに宣言。「素晴らしい出会いの中で、気づきを得ていく。そして未来へとまた旅を進めていく、希望に満ちた、人間臭さもあるキャラクターをミュージカルで精一杯お見せしたい」(中川)当初メーテル役に予定されていた神田沙也加の逝去により、本役を引き受けた花總は「とても複雑な気持ちでしたが、神田さんが演じるのを楽しみにしていた役。彼女の分も一生懸命にやりたい、今はただ、それだけです」と丁寧に言葉を紡いだ。「謎の美女でミステリアスといったイメージのメーテルですが、そこには母性があったり、内に秘めた悲しみがあったり。稽古を進めるうちに、想像を遥かに超えたメーテル像が頭に浮かんでくるのではと思います。今までは一人で役に向かって悩んでいたけど、今回の私は一人じゃないので、それが支えになってくれるかなと」(花總)佐藤は、機械伯爵の人間であった頃の姿を「大きな夢があって、平和を愛していて、本当に頭が良くて優しい人間だった」と分析する。「そんな誰にも愛される人間が変わっていくさま、心が機械になって侵されていく自分との葛藤みたいなところが、現代の人々の心を打つのではないかなと思います」(佐藤)ガラスの体のクレアを演じる梅田は「お家で一回、ガラスをつかんでみようかなと」と語り、周りから微笑みを引き出した。「最初は冷たかったけど、私の体温が伝わって暖かくなってくれた。寄り添ってくれるものなのかも…と思ったので、クレア自身の強さにプラス、寄り添える暖かさを出せるように頑張りたいです」(梅田)開幕を前に、3月15日には中川と花總によるラジオの特別番組もオンエアされる予定。実力者たちが集まったミュージカルの舞台で新たに展開する宇宙への旅、その進化形をぜひ劇場で体感したい。取材・文上野紀子
2022年03月02日ゆらぎのある独特の低音、エモーショナルなハイトーンボイスを持つシンガーソングライターmahina(マヒナ)が、3月1日(火)にデジタルシングル『Drive your dreams』をリリース。同時にMVも公開された。mahina チケット情報今作は「夢」をテーマに、mahinaの強い想いが書き綴られた1曲。“起き上がれ何度も・打ち鳴らせ心を・絶対に負けたくない”という自分自身を奮い立たせる言葉が散りばめられ、今まさに勢いに乗るmahinaの心境を垣間見ることができる。特有のコーラスワークとストリングスが何層にも重なった聴き応えのある壮大なアレンジにも注目してほしい。また、5月に開催されるmahina Tour 2022「Drive your dreams」のゲストアーティストも発表に。5月15日(日)愛知・スペードボックス公演にNakamuraEmi、5月20日(金)大阪・心斎橋JANUS公演にDoul、5月22日(日)北海道・cube garden公演に笠原瑠斗、5月29日(日)東京・WWW X公演にロザリーナが出演決定。mahina自身も共演を熱望していた贅沢な顔ぶれとなっており、2組のパフォーマンスをぜひ各地の会場で体感してほしい。3月22日(火)23:59までチケット先行先着プリセール実施中。
2022年03月01日音楽だけでなく、ファッションと食も一挙に楽しめる新たな春フェス『Grooving jam』が、3月26日(土)・27日(日)の2日間、大阪城野外音楽堂で開催される。「Grooving jam」チケット情報発表されている出演者は、26日(土)にKan Sano、kiki vivi lily、SIRUP、TENDRE、Ryohu、aimi(オープニングアクト)。27日(日)にOZworld、JP THE WAVY、Rude-α、Yo-Sea、Bleecker Chrome(オープニングアクト)。タイトルの如く、ついつい身体を揺らしたくなるような音楽を生で感じ、自然に囲まれた開放的な空間で、グルメやファッションも楽しめる一体型のイベントとなる。3月10日(木)23:59まで、チケット先行先着プリセールを実施中。
2022年03月01日やましたりなの、初のバンドワンマンツアー「東名阪ワンマン、やりましたな!」。追加公演が、7月29日(金)大阪・心斎橋JANUSにて開催される。ファイナルは“やっぱり、大阪で!” ということで、急遽開催が決定したこのライブは、“ファイナル感謝編”と題してスペシャルにお届け。ぜひご期待ください!やましたりな チケット情報チケットは、3月13日(日)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、3月6日(日)23:59までHP/SNS先行(抽選)を受付中。
2022年02月28日NAPPOS PRODUCE 舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が、2月26日(土)に開幕。同日昼に行われたゲネプロの模様をレポートする。なお本記事はネタバレを含んでいるので、鑑賞前の読者は注意して欲しい。東野圭吾の小説(角川書店)を演劇集団キャラメルボックスが2013年に舞台化し、2016年にプロデュース作品として再演された本作。今回も過去の上演版と同じく、成井豊が脚本・演出を手がける。児童養護施設で育った幼なじみの敦也・翔太・幸平は、泥棒を働いて廃屋へ逃げ込む。そこはかつて、店主が悩み相談を請け負うことで広く知られた雑貨店だった。廃業してしばらく経つにもかかわらず、店の郵便受けに手紙が届く。3人が開封してみると、相談主は33年前の人物だった。人でなく“手紙”が時を超えるタイムトラベル・ファンタジーで、2017年に映画化もされた感動作であることはすでに知られている。観客の心を揺さぶるようウエットに、いわば“泣かせ”にかかることもできるはずだが、主人公・桐生敦也を演じる猪野広樹やその相棒・太田翔太に扮した松本幸大らキャストは、そういった類のあざとさに走らなかった。どこかクールな現代の若者といった印象で、内輪で揉めても決してヒートアップしない。育った施設が取り壊される危機に接しても刹那的で分別に欠ける行動を取り、罪悪感も希薄だ。家庭の温もりを知らないドライな彼らの人物像を、あくまでさらっと立ち上げる。だからこそ、ラストで見せる彼らの成長や心境の変化が際立つのだ。対して、雑貨店の店主・浪矢雄治は何の見返りを求めることなく人々の悩み相談に乗り続けてきた人徳者。その彼が老人となって死を目前に控え、悩み相談の反応を知ろうと思い立ったことから敦也たちと縁が繋がり、時代を超えた奇蹟が起こる。演じる近江谷太朗は、浪矢の言動が美談になりすぎない絶妙なバランスで劇世界に貢献し、控え目ながらも確かな存在感を残した。奇蹟を検証しようと、2016年の敦也らは白紙を投函する。受け取った1983年の浪矢も返信を出す。人生を終えようとしている老人と、これから広げることのできる若者が、悩み相談を通じて心を通わせる。浪矢の献身が報われ、敦也らに他者を想う気持ちが芽生えた瞬間、涙が頬に伝った。決して交わることのない2つの時代が同じステージ上に成立するのは、観客の想像力を信じる演劇ならでは。とっておきの奇蹟を目撃しに、劇場へ足を運んでみては。上演時間は約130分(休憩なし)。公演は3月6日(日)まで、東京・サンシャイン劇場にて。チケットぴあでは、全席指定の当日引換券を販売中。取材・文:岡山朋代
2022年02月28日ミュージカル『カーテンズ』が2月26日、幕を開けた。会見で城田は演出・主演を務めることについて「日々後悔(笑)。新作で両方を手がけるのは実に大変でした。台本も10回くらい直し、美術や演出の打ち合わせと並行しながら膨大な台詞量との戦いで、帰宅したらヘロヘロ。1月3日と今朝の体重を比べたら9キロ減りました。でもやり甲斐がありますし、新たな挑戦をすることでこの先もミュージカルシーンを盛り上げていきたいです」と意気込みを語った。ミュージカル初挑戦の菅井は「ついに挑戦できるという気持ち。今も夢じゃないかと思うくらいです。自分の実力の足りなさを痛感してトレーニングしてきましたが、お稽古では心を解放することすら難しいと思いました。皆さんを信じてスポンジになったつもりで日々吸収してきました。素敵なニキ・ハリスになれるよう全力で挑みます」、同じく初挑戦の三浦は「ワクワクとドキドキが止まりません。正直こんなに大変なんだなと。台詞をきっかけに音楽が始まる、音に合わせての振付などミュージカルならではの新しい刺激を勉強しました。先輩キャストは本当に上手くて化け物だなと思いますし、まだ自分は実力が足りないと実感していますが、一生懸命取り組みます」。城田はそんな二人を「本当によく頑張ってくれて、彼らは僕のモチベーションでもありました。公演中でも成長するでしょうから、千秋楽が楽しみです」とエールを送った。【公演概要】ミュージカル「カーテンズ」原作:ピーター・ストーン脚本:ルパート・ホームズ作曲:ジョン・カンダ―作詞:フレッド・エッブ追加歌詞:ジョン・カンダ―&ルパート・ホームズ演出:城田優翻訳・訳詞:福田響志出演:城田優、菅井友香(櫻坂46)、三浦翔平、原田薫、岸祐二、中嶋紗希、宮川浩、瀬奈じゅん/中西勝之米本学仁高橋卓士/井上花菜、小山侑紀、坂元宏旬、竹内真里、茶谷健太、常住富大、伯鞘麗名、福田えり、堀江慎也、横山達夫日程:<東京公演>2022年2月26日(土)~3月13日(日) 東京国際フォーラムホールC<大阪公演>2022年3月18日(金)~3月22日(火) 新歌舞伎座<愛知公演>2022年3月26日(土)・27日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール(文・三浦真紀/撮影・伊藤智美)
2022年02月28日新進作家の動向を反映する美術作品の公募コンクール・FACE展。その10回目となる展覧会『FACE展2022』が、3月13日(日)まで、東京・SOMPO美術館にて開催されている。“年齢・所属を問わない新進作家の登竜門”を掲げるFACE展らしく、今回出品されたのは、8歳から94歳までという幅広い年代による1142作品。そこから長時間に及ぶ審査を経て入選した、83点が紹介されている。会場に足を踏み入れた途端、心が浮き立つような感覚を味わった。もちろん本展は新進作家のための公募展であり、彼ら、彼女らのアーティスト人生を左右する厳粛な場でもある。またコロナ禍も影響しているのか、作者の不安や鬱屈した想いがにじみ出ているような作品もある。だが展示空間の大半から感じられたのは、自分が作りたいものを作るんだという、創作に対する前向きな想い。そこにはアートとはこうあるべき、といった堅苦しさは皆無であり、それぞれの作品が伸びやかで、緻密で、自由で、オリジナリティに溢れ、アートを存分に楽しんでいる、ということをひしと感じられる。展示の最初を飾るのは、今回の“グランプリ”受賞作品である新藤杏子の『Farewell』。このタイトルには“長い別れ”との意味があるという。鏡をうっとり見つめていた5歳の息子の姿に、湖に映る自身の姿に見惚れるあまり、衰弱死したナルキッソスの影を見た新藤。彼女は「自己をみつめて、今までの価値観に別れを告げ、新しく思考を変化させて再生していかなければならないことがめまぐるしく起こっているように思えます。それは私たち自身がまるで、ナルキッソスのようではないか、と取り留めもなく考えを巡らせたことからこの作品を制作するに至りました」と、本作に寄せる想いを語っている。また今回はグランプリのほかに“優秀賞”3点、“読売新聞社賞”1点、“審査員特別賞”4点が選ばれている。その中で特に筆者の目を引いたのは、石神雄介の『星を見た日』。寒空の下、身を寄せ合うふたりは、ただ静かに暗闇に走る流れ星を見つめている。冬の夜の一瞬を捉えながら、本作の画面を満たしているのは、何とも言えない温かみ。これは本作以外にも言えることだが、色選び、色使いが光る作品が多いのも、本展を味わう大きな楽しみのひとつだと言えるだろう。会期中には、観覧者投票による“オーディエンス賞”の選出を実施。今の自分の琴線に触れるのはどの1枚か。自身の心に問いかけつつ、83の作品と対峙してみて欲しい。取材・文:野上瑠美子
2022年02月28日5月5日(木・祝)・7日(土)・8日(日)に大阪・泉大津フェニックスで行われる『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』の出演者追加と出演日が発表された。新たに追加発表された出演者は、5日(木・祝)にくるり、GRAPEVINE、NUMBER GIRL、ハナレグミ、フジファブリック。7日(土)にUA、OKAMOTO’S、クリープハイプ、サンボマスター、TAIKING(Suchmos)、人間椅子、My Hair is Bad。8日(日)に岡崎体育、THE KEBABS、SHISHAMO、バックドロップシンデレラ、夜の本気ダンスの計17組。初回に発表されていた、AJICO、clammbon、The Birthday、羊文学、フジファブリック、METAATEM(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)、LITTLE CREATURESは初日。打首獄門同好会、キュウソネコカミ、フラワーカンパニーズ、フレデリックは2日目。四星球、ピーズ、マキシマム ザ ホルモン、ヤバイTシャツ屋さん、ユニコーンは最終日にそれぞれ出演する。出演者の最終発表と入浴順(出演順)は追ってアナウンスされる。清水音泉の無料会員サービス「湯仲間」では、3月6日(日)23:59までチケット最速先行受付を実施中。
2022年02月28日「GO BACK!」は北海道各地のイベントやコンサートの企画・運営を行うマウントアライブが、「アーティストとオーディエンス、北海道を拠点とする企業や媒体と、コロナ禍においても“つながりを絶やさない”支え合いを応援する」ことをコンセプトに立ち上げた音楽イベント。記念すべき初回公演は、圧巻のパフォーマンスで見るものを釘付けにする『OKAMOTO’S』、勢い止まらない「世界基準」の最新型ロックンロールバンド『THE BAWDIES』、そして北海道在住3ピースロックバンド『KALMA』の3組を迎え3月27日(日)Zepp Sapporoにて開催される。なお今回出演の『THE BAWDIES』と『OKAMOTO’S』は学校の先輩と後輩の関係にあたり、ステージ上での共演にも期待が高まる。最高に人懐っこいロックが、この日の夜に叫び始める!Mount Alive 13th AnniversaryGO BACK !2022年3月27日(日) Zepp Sapporo17:00開場18:00開演出演:OKAMOTO’S、KALMA、THE BAWDIES料金:全席指定5,500円(税込)▼チケット発売情報2022年2月27日(日)10:00から販売
2022年02月25日京都市京セラ美術館で、4月21日(木)より『ポンペイ展』が開催される。紀元後79年、イタリア南部・ナポリ近郊のヴェスヴィオ火山の噴火により、一瞬にして全てが死に絶えた古代ローマ帝国の都市「ポンペイ」。本展では、2000年前の古代都市の繁栄と、豊かな生活を謳歌した市民の暮らしを5章立てで紹介する。「ポンペイ展」チケット情報質・量ともに世界屈指、膨大なポンペイの遺物を所蔵するナポリ国立考古学博物館の協力を得て開催される今回。同館が誇る第一級のモザイク画、フレスコ画、彫像が並ぶほか、調度品や宝飾品、仕事道具など、本邦初公開の名品を含む約120点の至宝を公開する。また、ポンペイ遺跡でも著名な邸宅の一部の再現展示や、複数の名家から出土した作品群のハイライト展示も。中でも、「葉綱と悲劇の仮面」などのモザイク画の傑作や、「踊るファウヌス」「竪琴を弾くアポロ」などのブロンズ像に注目だ。さらに、18世紀から行われてきたポンペイの“発掘”の歴史を紹介。今、現地ではどんな発掘が行われているのか。発掘作業や作品修復の様子を複数の映像素材を用いて案内する。2000年前の古代ローマ都市の人、街、風景。見どころたっぷりの「ポンペイ展」で、ひとときのタイムトリップを楽しみたい。会期は4月21日(木)から7月3日(日)まで。前売チケット発売中。
2022年02月25日特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』が2022年2月19日(土)から国立科学博物館で開催されている。本展の公式アンバサダーに就任した、お笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザー(37)に見どころを聞いた。本展は、第1章で宝石の元となる原石(ラフ)を科学的視点から紹介し、原石の採掘からカットの加工技術までを展示するほか(第2章「原石から宝石へ」)、ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどよく知られた宝石からフォスフォフィライトやスフェーンなどのレアストーンも紹介される(第3章「宝石の特性と多様性」)。パリに本店を構えるハイジュエラー「ヴァン クリーフ&アーペル」や日本ならではのデザインが特徴的な「ギメル」が所蔵するジュエリー(第4章「ジュエリーの技巧」)や、有川一三氏が集めた世界的な宝飾芸術コレクション「アルビオン アート・コレクション」の展示(第5章「宝石の極み」)もある。「基本的に金目のものが好き」というカズレーザー。アンバサダー就任については「ありがたいですね。2年ほど前からこういう仕事が来るのではないかと着々と準備を進めていたので、その思いが結実して、達成感でいっぱいです」と思いを語る。印象に残った展示を尋ねると「ルビーでつくられたブドウ型のブローチですね。ふんだんに宝石が使われているし、整形の技術が素晴らしい。それから、日本のジュエリーブランドがつくられたハチの形をしたジュエリーも可愛らしくて好きですね」と話し、「長い時間をかけて築き上げられた技術の進歩を1日で見られることが見どころです」。クイズ番組に多数出演し、雑学の知識を豊富に持つカズレーザー。宝石にまつわる雑学を尋ねると「最近知ったんですが、今はダイヤモンドより硬い鉱物があるんです。ダイヤが世の中で一番硬いものだという常識がアップデートされましたね」。ほかにも「昨年末、誕生石が追加されたんですよ。しかも10種類も増えた。誕生石って増えるんだと驚きました」。来場者に対してのPRコメントを尋ねると、「最初の方の展示は、学術的なところが多く、もしかしたら難しいと感じるかもしれないですけど、(音声ガイドを務める)早見沙織さんの説明が面白いので、大丈夫だと思います。宝石という万人が憧れて、絶対に手に入らないものを近くで見られるので、ぜひ来て欲しいです」と話した上で、「いつでも宝石の差し入れお待ちしています!」会期は6月19日(日)まで。休館日は月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館。ただし3月28日、5月2日、6月13日は開館)。開館時間は9時〜17時(入場は16時30分まで)。入場料(税込)は一般・大学生2000円、小中高生600円、未就学児は無料。取材・文:五月女菜穂
2022年02月25日小沢道成の代表作であり、2014年の初演以来4度目の上演となる、小沢道成ひとり芝居『鶴かもしれない2022』が2月23日(水・祝)に下北沢・本多劇場にて開幕、コメントが到着した。東京の繁華街で泣き崩れたひとりの女。通りかかった心優しい若者が「大丈夫ですか」と声をかける。誰もが知る童話『鶴の恩返し』を現代版に置き換えた本作は、たくさんの人に愛されてきた。そんな本作が長い時を経てまた新しい作品へと生まれ変わる。音楽・美術・衣裳・ヘアメイクに加え、物語自体も新しい演出にて描き、本多劇場に一人で立つ小沢の想いを存分に詰めた作品を目に焼きつけてほしい。前作『オーレリアンの兄妹』が第66回岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネートされ、期間限定(2022年2月22日〜3月1日)でWeb公開され、ますます注目を集める。そんな小沢の一年間の創作活動を追ったドキュメンタリー映像『メイキングかもしれない~小沢道成の創作活動に密着~』()は現在YouTubeにて公開中。1年間にわたる創作活動をリアルタイムで発信してきた。「創作の現場を開示することで、演劇界だけでなく、これからのものづくりにかかわるすべての方に少しの刺激と少しのヒントになれば」と、映像ディレクターの谷口恒平とともに歩んできたメイキング映像も、今週末の千穐楽と共に最終回を迎える。■小沢道成コメント本多劇場へやって来ました。舞台美術・衣裳・ヘアメイク・照明・音響・ロビー、全てが揃った風景を目の前に、今、このコメントを書いています。思い返せば、本多劇場と僕の強烈な思い出は、2020年6月に参加した無観客生配信の時のことです。誰も椅子に座っていない、笑い声も聞こえない、そんな中で上演した忘れられない出来事。今、劇場の椅子に座りながら、なんだかあの時よりもあたたかく感じています。あれから数々の舞台が上演され、それを観に劇場へ来た方がいるからなのでしょう。上演し続ける人たちがいて、それを観にくる人たちがいて、やっと劇場の空気が出来上がる。僕もその一員になれたらいいな、あたたかさを繋げていきたいな、そんなことを思いながら、今から始まる怒涛の本番に励むわけです。呼ばれました、行ってきます。5日間だけの上演、儚いけども贅沢で楽しい時間をお届けします。上演は2月27日(日)まで。チケットぴあでは各公演前日までチケットを発売中。
2022年02月24日3月2日(水)より、京都・南座で「三月花形歌舞伎」が開幕するのを前に、坂東巳之助、中村壱太郎、中村米吉、中村隼人、中村橋之助の出演者5名がリモート取材会に応じた。岡本綺堂作の新歌舞伎『番町皿屋敷』と舞踊劇『芋掘長者』の2演目を午前・午後の部にて、役替わりで上演する。「三月花形歌舞伎」チケット情報『番町皿屋敷』は旗本の青山播磨(隼人・橋之助)と腰元のお菊(壱太郎・米吉)の身分違いの悲恋を描くもの。前半は荒っぽい喧嘩場が見どころで、播磨とやり合う放駒四郎兵衛役の巳之助は「男同士でいる時の播磨を描くことで、男女の関係性になった時の播磨が際立つ」と、“ふたりの播磨”相手に愛の物語の導入部分を盛り上げる。午前の部は隼人&壱太郎が播磨とお菊を勤める。先日、源氏物語を題材としたオンライン舞台「META歌舞伎」でも悲恋を演じたばかりのふたり。「皿屋敷には『女が一生に一度の男』とお菊の台詞にありますけど、隼人君の光源氏だったらいいなとふとそんな思いが生まれたので、その気持ちを大事に、3月公演でも純愛だからこその罪や食い違いのドラマの面白さを見せられたら」と壱太郎。隼人も「壱太郎さんなら愛せる」と応え、相思相愛ぶりをアピールした。播磨役について隼人は、恋人を殺めるような設定にも「僕は純愛物語だと思っているので、理解できない部分も超越できるような播磨にしたい」とアツく語る。初役で挑んだ前回は鳴物など、合方の音楽で台詞に調子を付ける古典と違い、新歌舞伎は沈黙を多用する難しさを感じたと振り返る。「お菊とのシーンは基本的にずっと無音なので、今回は台詞に音楽性を出していけたら」と2度目ならではの一段深い役作りに挑む。午後の部を勤めるのは橋之助&米吉ペア。「お菊への愛を何より大切に勤めたい」と力を込める橋之助。米吉は、そんな橋之助の真っすぐで思い詰める性分が役にぴったりと見る。「思っていることは口にしなくても伝わると思ってるでしょ。そういうところが播磨と同じ。播磨がちゃんと『お前しかいない』と口にしていればお菊だってあんなことはしない」と役の気持ちを代弁する。「愛する相手にはどこか疑いを持ってしまうのは現代人にも伝わりやすい部分だと思うので。お菊の方でも播磨が好きでたまらないという心をしっかり持って、今はほとんどない橋之助さんとの愛を育んで行きたい(笑)」とユーモアたっぷりに“初役コンビ”の魅力を印象付けた。舞踊劇『芋掘長者』は踊り下手な役として、巳之助がわざとぎこちなく踊る様が笑いを誘う。「隼人君、橋之助君と教える役の人が変われば、教わるこちらの踊りも変わると思うので、そこはダブルキャストの面白さ。最後に全員が出揃って、お客様に顔を観ていただけるのもこの演目で良かったなと。何も考えずに楽しめる作品なので、少しでも明るい気持ちになっていただければ」と心和むひと時を約束した。公演は3月2日(水)から13日(日)まで京都・南座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年02月24日青柳翔がパルコ・プロデュース『三十郎大活劇』で主演を務め、銀幕スターに扮する。出演に際しての意気込みを語ってもらった。日本映画の黄金期といわれる第二次世界大戦の前後を時代背景に鈴木聡が書き上げ、自身の主宰する劇団ラッパ屋で1994年に初演した本作。劇中では、激動の中で一夜にしてスターとなった大部屋俳優・紅三十郎とその仲間たちの“青春物語”が繰り広げられる。演出は、同じく鈴木の脚本によるパルコ・プロデュース『阿呆浪士』(2020年)でタッグを組んだラサール石井が手がける。青柳演じる三十郎は、普段は謙虚で穏やかな性格。しかし役にのめり込むあまり、そのキャラクターを現実に持ち込んで荒れ果てた生活を送り、人が変わったようになる一面も。これに対して、青柳は「いままでプライベートに役が影響してきたことはない」とキッパリ。「戦争の前後を舞台にした作品は初めてなので、その時代に生きていた方がご覧になっても違和感のない人物造形をするため勉強に励みたい」と語る。その助けになりそうなのが、当時の映画界を切り取った作品を多数知るラサール。顔合わせでは、三十郎と同じ活劇スターである市川雷蔵の映画を勧められたらしく、「ラサールさんの抱える膨大な知識から考えるヒントを頂戴したと思っています」「たくさん拝見して、僕と親和性のありそうなポイントを雷蔵さんからピックアップしながら自分の中に取り込めたら」と言葉に力を込めた。苦労しそうな点を尋ねると、「三十郎が啖呵を切るシーンでしょうか」と青柳。「台本を読んだら、口上の裏にメッセージがありそうだと感じました」「単にセリフを発するだけでなく含みを持たせたいですね」と青写真を描く。一方、日常会話は現代語で綴られる。「令和の人に見られかねないので、当時の活劇スターであることがきちんと伝わるよう所作や言動にまで落とし込みたい」と役づくりの一端を覗かせた。太平洋戦争の足音が近づくと、政府の統治下に置かれた映画界は戦意高揚の宣伝メディアとして次々と国策映画を製作する。青柳は、劇中で描かれるこうした時代の変化やエンターテインメントに規制の入る状況が「コロナ禍の現代にも置き換えられるのでは」と受け止めている。「舞台の中でどんな結末を迎えるのか、フィクションとして形にできることにやり甲斐を感じています」と述べ、インタビューを結んだ。公演は2022年4月2日(土)~17日(日)に東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、4月23日(土)・24日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールと巡演する。一般発売は、東京公演が2月26日(土)、大阪公演が3月27日(日)にスタート。取材・文:岡山朋代
2022年02月24日2020年に配信シングル『16yrs』でデビューしたDoul(ダウル)が、これまでにリリースした楽曲の中から厳選した7曲に、新たに書き下ろした7曲&インタールード3曲を加えて初のフルアルバム『W.O.L.F』を完成させた。3月9日(水)にリリースされる。Doul チケット情報60年代~現代の音楽・ファッション・アートを自由に飛び回る圧倒的な【個】性で人気を集めるアーティストDoul。全編英語の歌詞とハイブリッドなサウンドで、またたく間に国内外のフォロワーを獲得。作詞作曲からファッションコーディネート、MV製作までクリエイティブ全般のセルフプロデュースを徹底するなど、日本の音楽シーンに新たな風を吹かせ、今後はワールドワイドな活動も視野に入れている。本作も、Doulの圧倒的【個】性がたっぷり詰まった作品になっているので、テーマ・国籍・年齢・性別の境なく全ての人々に聞いてもらいたい。また、3月より全国4都市を巡るDoul初のツアーが開催される。公演は、3月20日(日)・21日(月・祝)福岡・Kieth Flack、3月25日(金)東京・UNIT、3月27日(日)大阪・Shangri-La、4月2日(土)愛知・ell.FITS ALLにて。チケットは2月23日(水・祝)昼12:00より一般発売開始。
2022年02月22日DEAR KISSの2ndシングル『ハッピー』が、3月16日(水)にリリース。このリリース記念パーティーが4月10日(日)に開催される。会場は、デビュータイミングでのリリース記念パーティーでも行われた東京・Veats Shibuya。イベントではない、久しぶりとなるワンマンライブで、たくさんの“ハッピー”を届けてくれること間違いなし。DEAR KISSチケット情報また現在、DEAR KISS『ハッピー』LINE MUSICキャンペーンを実施中!キャンペーン中に『ハッピー』を再生してくれた方の中から抽選で豪華プレゼントが当たります。『ハッピー』をたくさんLINE MUSICで聴いてキャンペーンに参加してみては。リリース記念パーティーのチケットは、2月23日(水・祝)10:00から28日(月)23:59まで先行先着プリセール実施。■2nd Single『ハッピー』2022年3月16日(水)発売【DEAR盤】(CD+DVD)2500円(税別)VIZL-2015【KISS盤】(CD+Photo booklet)2500円(税別)VIZL-2016【DK盤】(CD)1364円(税別)VICL-37624■DEAR KISS ONEMAN LIVE “DEAREST DREAM #9”~「ハッピー」release party ~日時:4月10日(日) 16:30会場:Veats Shibuya料金:椅子席-3900円(整理番号付、ドリンク代別途要)※公演中の発声禁止。※座席位置での立ち見は可能。※事前にオフィシャルサイト、SNSにて公演詳細をご確認ください。問:FIFTY-FIFTY■03-5308-5822
2022年02月22日長年にわたり、幼児の教育・成長をみつめてきた(株)ベネッセコーポレーションから、年間約48万人(2019年度実績)を動員する「しまじろうコンサート」「しまじろう英語コンサート」に続く新企画として、「しまじろうとガオガオさんのサイエンスショー」がスタート!「しまじろうとガオガオさんのサイエンスショー The Science Show」チケット情報本公演は、しまじろうが発明家のガオガオさんと一緒に、無人島から脱出する冒険ストーリーになっている。無人島に迷い込んだしまじろうたちは、カメレオンのサイエンが出す問題に答えられないと島から脱出できない。脱出のカギとなるのは「実験」。それは、ステージ上でダイナミックに繰り広げられる。冒険ストーリーをしまじろうと一緒に楽しみ、テンポのよい音楽と繰り返される「考えてみよう」の心地よいリズムフレーズは、子どもたちが自然とサイエンスに興味を持つきっかけになるに違いない。著しい成長をみせる幼児期(特に年少から年長にかけて)には、興味を深め、好奇心を育む「体験の場」が大切だ。まだサイエンスに興味をもっていない未就学の子どもたちも、「自分で予想して考えること」「実験をして試してみること」といった、理科的な思考を育む場がこのショーの根底にあるという。説明しようとすると複雑になりがちな現象を、楽しいお話の中で実験をして理解させてくれる。2月20日(日)に初演を迎えた東京・立川公演では、実験結果を親子で一緒に予想したり、家族で一緒に楽しみを共有する光景も。公演は、このあと、2月23日(水・祝)神奈川・厚木市文化会館 大ホール、2月27日(日)東京・板橋区立文化会館 大ホールにて開催。チケットは発売中。
2022年02月22日最先端技術を用いて解析された6体のミイラから、古代エジプト人の生活や文明を解き明かす『特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」』が2月5日、兵庫・神戸市立博物館にて開幕した。「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」チケット情報世界最大級の古代エジプト・コレクションを誇り、ミイラ研究の第一線を走るイギリス・大英博物館。これまで世界7か国で180万人以上を動員した同館の国際巡回展を再構成し、日本独自のコンテンツを加えたのが本展だ。主軸となるのは、紀元前800~紀元後100年の約900年の間に生きた6人の人物から作られたミイラ。それぞれ、王家に仕える役人や神官、既婚女性や幼い子どもなど、年齢や性別、職業なども異なるため、古代エジプトに生きた多様な人々の痕跡を知ることができる。最新のミイラ研究で欠かせないのが、現代の健康診断でも利用されるX線を応用したCTスキャンだ。どのミイラも死者が来世でも生きられるよう願いを込め、熟練の技で丁寧に処置されており、全身は亜麻布の包帯で覆われている。そこでCTスキャンを数千か所にわたり行うと、外装を解くことなく、当時の姿のままで2次元/3次元の画像へと構築することができるという。そのため、実際には見ることのできないミイラ内部の構造や、病理の痕跡も発見できるようになった。本展ではCTスキャン画像をもとにした高精度の映像も見ることができ、6体のミイラの中には動脈硬化やがん、虫歯の痕跡があったものも。死後にミイラ化されるのはいわゆる上流階級の人々で、その裕福な暮らしぶりから今の私たちと変わらない現代病に侵されていたと考えられる。また、今回の見どころはミイラ本体を通し、ミイラに込められた当時の人々の死生観や信仰心、食や美的感覚などの生活面にも触れられることだろう。数々の展示品は、「食」「健康」「音楽」「家族」などのテーマに沿って並ぶ。乾燥させた内臓を収める「カノポス壺」といったミイラ作りのための器や道具、死者を守る動物型の護符、食べ物や美しい装飾具など、眺めていると時間を忘れてしまうほど。展示のラストには、本展の日本側監修を務めた河合望・金沢大学教授のチームが発掘した「サッカラ遺跡」のダイナミックな実寸代模型が控えている。遺跡は「カタコンベ」と呼ばれる地下の集団墓地で、その入口と内部を詳細に具現化。通常入ることができない発掘中の様子をうかがい知ることができる、貴重な日本独自の展示に。河合教授は「発掘現場を直に見て、エジプト考古学の面白さ、醍醐味を知っていただければ」と語る。6体のミイラが紡ぐ物語を通して、古代エジプトの人々の生き生きとした生活や、みずみずしい文化の息吹を感じ取れることだろう。開催は5月8日(日)まで。取材・文:後藤愛
2022年02月21日昨年行なわれ「第90回日本音楽コンクール受賞者発表演奏会」のチケット情報はこちらた「第90回日本音楽コンクール」の受賞者発表演奏会が、3月4日(金)、今年も東京オペラシティ コンサートホールで開催される。ピアノ部門の優勝者は現在桐朋高校音楽科3年生の谷昂登(たに・あきと/18歳)だ。小学6年生時の浜松国際ピアノアカデミーコンクール特別賞や、前年の東京音楽コンクール最高位(1位なしの2位)など、優勝候補として注目されるなか、見事に栄冠を手にした。「自分にできることを最大限やる。結果よりその過程が大切だといつも考えています。日本音楽コンクールは歴史も権威もある場ですので、逃げずに正面から、これから音楽とどう向き合っていくかを見せたいと思いました。1次予選の課題曲がベートーヴェンのソナタ、2次予選がバッハと練習曲ということが示すように、ピアニストとしての基礎となるようなプログラムを組まなければならないコンクールです。自分の経験も、コンクールに向かっていくなかで見つけたことも発揮できて、その意味では成長できたと感じています」3月の受賞者演奏会ではリストのピアノ協奏曲第2番を弾く。「リストの協奏曲は2曲とも、自由な形式、新しい形式に挑んでいる作品だと思います。オーケストラとのアンサンブルがすごく濃密で、曲の出だしからそうですけど、オーケストラの中のピアノといってもいいぐらいのところがたくさんあります。そういう部分でオーケストラの各楽器に合った音色を求めていくのはとても勉強になると思って選びました。コンクールの3次予選で選んだリストのピアノ・ソナタとも共通点が見えて、ソナタを深めることにもつながるとと思っています」リストのピアノ作品はつい超絶技巧に注目しがちだが、それを超える音楽性を表現したいという。「どう音楽的に弾くかということは常に考えています。リストのソナタも、調べてみるとゲーテの作品など文学が関係していて、テクニックで魅せるだけではない、もっと深い部分で音楽が作られていることがわかってきます」自分の演奏の特長も、その音楽性の表現、歌ごころにこそあると言い切る。「音楽は歌から始まっています。今の自分ができているかどうかわかりませんが、歌うことを忘れないことで、より人の心に寄り添える音楽が作れるのではないかと思います。それはずっと目指していることです」4月からはいったん桐朋学園のソリスト・ディプロマに籍を置き、秋にモスクワ音楽院に留学する。「エリソ・ヴィルサラーゼ先生に師事する予定です。小さな頃からロシアの作曲家が身近に感じていて、とくにラフマニノフが大好きでした。ヴィルサラーゼ先生はシューマンの研究にも長けていらっしゃるので、そこからドイツ音楽への視野も広げていければと思っています」目標のひとつだったという日本最高峰のコンクールから次の世界へ漕ぎ出す若き音楽家。その洋々たる前途を、まずは3月のコンサートで祝したい。(取材・文:宮本明)
2022年02月18日小沢道成が作・演出・出演する一人芝居『鶴かもしれない2022』が2月23日より下北沢・本多劇場にて開幕する。本作は、童話『鶴の恩返し』をベースに、設定を現代の東京へと置き換えて、犠牲的な女の愛を描く。2014年に明大前の小さなギャラリーで初上演されてから、16年にOFF・OFFシアター、20年に駅前劇場と、着実にスケールと深みを増していき、今回はいよいよ本多劇場での上演となる。ただ小沢は「この作品は、僕が日常生活の中で思うことを大切にしながら作っています。どの劇場でやるのも同じ創作の仕方をしていて、本多劇場だからといってより力が入ることはなく、今まで通りに創作をやっていこうと思っています」と冷静だ。今回の2022版にあたっては、オレノグラフィティが音楽を手掛けるほか、山本貴愛の美術、藤谷香子(FAIFAI)の衣裳など、実に多彩なスタッフ陣がそろう。小沢は「視覚的にも、聴覚的にも楽しめるものを作ろうと思っています。一言で言うなら、こんな豪華な一人芝居、僕は観たことがない。お金を払ってよかったなと思ってもらえる芝居にしたいです」。上演時間は約70分を予定。改めて一人芝居の面白さ、難しさを尋ねると、小沢は「舞台上にいる1人の人間を観続けることって、とてつもなく飽きることだと思います。でも、一人芝居と言っても、周りには面白いアイデアを持つ多くのスタッフ陣がいる。みんなでつくって、みんなに支えてもらって、観にきているお客さんに楽しんでもらおうと思っています。でも舞台上にはひとり。きっとそんな姿を観て、お客さんも『明日も頑張ろう』と思ってもらえるんじゃないかな」と語る。小沢といえば、創作の過程を積極的に公開しているのも印象的。本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎や、歌手で俳優の小泉今日子らと対談を実施したり、「メイキングかもしれない」というタイトルでドキュメンタリー映像を配信したり。現にそれらの企画を通じて、小沢の存在を知ったり、作品に興味を持ったりする人も多いと思う。改めて発信の意図を尋ねると、小沢は「僕はクリエイターなので、モノをつくればいい。けれど、つくったモノを観てもらうことも一つの仕事だと思っています。情報を発信しないと、観てもらえる人にも情報が行き渡らないし、劇場に足を運んでもらえない。クリエイターといえども、制作チームと協力して発信することは大切だと思っています」と説明した。小沢は「僕は誰にでも気に入られたいタイプ」と自身を分析しつつ、「とはいえ、好き嫌いは誰しもあると思うんです。僕も舞台を観ていて『なんか僕は好きじゃないかも』と思う時があるし、それは裏を返せば『こういう舞台が好きなんだ』という気づきにもなる。10人に8人ぐらいには好きになってもらえるものを目指して作っているので、ぜひ楽しみにしていてください」。公演は27日(日)までの計5回。前売り・当日5000円。U22チケット2200円。ぜひお見逃しなく!取材・文:五月女菜穂
2022年02月18日舞台やミュージカルなどで活躍中の俳優 木村達成の生配信イベントが決定した。本イベントは、2月28日(月)に発売する「木村達成 2022.4‐2023.3カレンダー」 完成と、2月17日(木)に千秋楽を迎えた主演舞台「SLAP STICKS」公演終了を記念したイベント。当日は視聴券購入者から事前に受付た質問やメッセージに答えるコーナーも用意されている。カレンダーは卓上と壁掛けの2種類で、カレンダー付視聴チケットは限定特典付。チケットは発売中。出演:木村達成配信日時:2022年2月22日(火)20時~21時配信終了予定視聴チケット:■ファンクラブ会員卓上カレンダー付視聴チケット:4,800 円(税込/特典:直筆サイン入りブロマイド) 壁掛けカレンダー付視聴チケット:5,130 円(税込/特典:直筆サイン入りブロマイド) 卓上カレンダー+壁掛けカレンダー付視聴チケット:8,430 円(税込/特典:直筆サイン入りワンショットチェキ)視聴チケット:1,500 円(税込)■非会員卓上カレンダー付視聴チケット:5,300 円(税込/特典:直筆サイン入りブロマイド) 壁掛けカレンダー付視聴チケット:5,630 円(税込/特典:直筆サイン入りブロマイド) 卓上カレンダー+壁掛けカレンダー付視聴チケット:8,930 円(税込/特典:直筆サイン入りワンショットチェキ)視聴チケット:2,000 円(税込)※特典付きは別途送料がかかります。視聴チケット販売期間:2022年2月16日(水)12:00~アーカイブ配信期間:2022年2月28日(月)23:59まで視聴可能 ※配信終了後、アーカイブ配信スタートまでしばらく視聴出来ない時間がありますので、ご了承ください。
2022年02月18日昨年秋に開催されたショパン国際ピアノコンクールで第4位に入賞した、ピアニストの小林愛実。子供の頃から天才少女として注目され、華やかな演奏活動を続けてきた彼女は、2度目の挑戦となった今回のショパン国際ピアノコンクールへの入賞で、より広い世界に向かう扉を開いた。今、まさに新たな飛躍の瞬間にあり、音楽界から熱い視線を集める。そんな小林が、2月28日、東京都交響楽団の定期演奏会に登場。同楽団音楽監督の大野和士のタクトのもと、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏する。この曲は彼女が、一度目の挑戦となった前回2015年のショパン国際ピアノコンクール前、10代最後の頃からレパートリーとする作品。ベートーヴェン中期の傑作であり、ピアノ協奏曲の新しい表現に挑む作曲家の創意があふれ出すような楽曲だ。以前、小林はベートーヴェンについて、「自らの気持ちをダイレクトにぶつけて作曲しているように感じる作曲家なので、自分も感情をぶつけて演奏する。ただこの第4番のピアノ協奏曲は穏やかな部分が多く、他の作品とは何かが違うように感じる」と話していた。明るく前向きな雰囲気の中に繊細さを備えた楽曲に、彼女の生き生きとして推進力のある音楽性は、よく合うだろう。小柄な体から繰り出されるしなやかな音、パワフルな音のコントラストにも、大いに期待できそう。小林は20代を迎えてから、自らがピアノを弾く意味をあらためて掴んだといい、「自分の個性というものは、音楽にただ真摯に向き合うなかで見えてきたり、築かれたりするものだと思う」と語る。目指す方向を見出し、気持ちの強さを手に入れた今の彼女の演奏は、確信に満ち、想いがまっすぐ聴き手に伝わってくる。ピアノとオーケストラが親しく対話するような作品で、東京都交響楽団、そして初共演となるマエストロ大野に小林はどんな音楽を持ちかけ、そしてオーケストラはそれにどのように応えるのだろうか。楽しみな演奏会だ。チケットはチケットぴあで2月25日(金)まで販売中。(文:音楽ライター 高坂はる香)■東京都交響楽団 第944回 定期演奏会日程:2022/2/28(月) 19:00開演会場:東京文化会館 大ホール
2022年02月17日ジャズ・ピアノの塩谷哲と大林武司の二人が、東京芸術劇場の「VS」(ヴァーサス)シリーズで2台ピアノのデュオを聴かせる[3月25日(金)東京芸術劇場コンサートホール]。1966年生まれの塩谷と1987年生まれの大林。これが初共演だが、二人の出会いは2006年までさかのぼる。そのきっかけもまさに2台ピアノだった。塩谷と小曽根真のデュオを聴きに行った19歳の大林が、終演後のサイン会に並んで言葉を交わした。大林「2台ピアノを聴いたのはそれが初めて。渡米直前だったのですが、前向きで気持ちの豊かな演奏に刺激を受けて、留学の決意を強くしました」塩谷「その2年後に室蘭のフェスで、寺久保エレナさんのバンドにすごくいいピアニストがいて、えっ、あの時の青年なの!?と」塩谷は東京芸大の、大林は東京音大の、作曲科に在籍・中退という共通の経歴の持ち主。大林「演奏するには作曲も勉強したほうがいいと思って。でも演奏の感動には変え難いものがありました。ただ、東京音大に行っていなければ演奏家としてやる腹がくくれていなかったかもしれません」塩谷「作曲理論という知性で制御された芸術と、即興演奏のように瞬間で生まれる芸術がある。でもどちらにも強烈なリアリティがなければいい音楽とは言えないというのが、僕が辿り着いた答えです」今回はジャズ・スタンダードとオリジナル作品を弾く予定だが、「ジャズ」というジャンルにはこだわっていない。塩谷「作り込んだものでも、スケッチを即興的に膨らませるのでも、大林くんとならなんでもできる。ピアニストが二人いるとぐちゃぐちゃになってしまう怖れもあるのですが、そうならならないのは、彼が〝聴く〟ということがすごくよくできているから。瞬間瞬間で生まれるひとつのものを二人で楽しむことができるのは、このうえなく楽しいことです」大林「デュアルコアみたいに、音楽を創造するイマジネーションが2つあるのがピアノ・デュオ。塩谷さんの洗練された音色やアプローチは無条件にいいなと感じます。そんなピアニスト像は僕の目標です。でも、ずっと仲良しじゃ面白くないので、どこに逆説を投じるか。その〝ヴァーサス〟が音楽を豊かにする栄養になると思っています」塩谷「〝ヴァーサス〟だけど、聴いてくれた人たちに〝ガーサス!〟って言われたいね(笑)」説明は野暮とは思うけれど、【ガーサス:「さすが」の楽隊用語】。いただきました!(宮本明)
2022年02月16日4月16日(土)・17日(日)の2日間にわたり岐阜市文化センターで開催される、cinema staffによる主催フェス「cinema staff presents 『OOPARTS 2022』」。cinema staff presents OOPARTS 2022 チケット情報出演者第二弾として発表されたのは、04 Limited Sazabys、Age Factory、Climb The Mind、envy、GEZAN、HAWAIIAN6、mudy on the 昨晩、OKAMOTO’S、POLYSICS、Wienners、リーガルリリー。すでに発表されている8組に加え、まさにシネマの盟友ともいえるアーティストが勢揃いしている。チケットは、オフィシャルHP2次先行(抽選)を2月28日(月)23:59まで受付中(※2日通し券のみ受付)。cinema staff presents 『OOPARTS 2022』▼4月16日(土)・17日(日) 12:00岐阜市文化センター 催し広場(Cosmo Hall)/小劇場(Small Hall)2DAYSTICKET-13500円(整理番号付、各日ドリンク代別途要)[出演]cinema staff/the band apart/osterreich/アルカラ/ヒトリエ/ストレイテナー/ハルカミライ/KEYTALK/04 Limited Sazabys [NEW]/Age Factory [NEW]/Climb The Mind [NEW]/envy [NEW]/GEZAN [NEW]/HAWAIIAN6 [NEW]/mudy on the 昨晩 [NEW]/OKAMOTO’S [NEW]/POLYSICS [NEW]/Wienners [NEW]/リーガルリリー [NEW]/他[問]ジェイルハウス■052-936-6041
2022年02月14日2012年の移転オープンからかぞえ、2022年4月に10周年を迎える梅田クラブクアトロ。心斎橋での20年の歴史を背負いつつ、梅田の地での一期一会の夜を重ね、気づけばはや10年の節目。日々フレッシュに更新されていくライブの現場から、この先の10年も軽快に突っ走るべく、4月10日(日)よりライブイベント「UMEDA CLUB QUATTRO 10th Anniversary “QUATTRO EXPRESS”」が開催される。“QUATTRO EXPRESS” チケット情報梅田クアトロにゆかりのあるアーティストをはじめ、ライブに根差した関西ゆかりの新進アーティストをラインナップ。チケットは順次発売開始。「UMEDA CLUB QUATTRO 10th Anniversary “QUATTRO EXPRESS”」▼4月10日(日)[出演]NakamuraEmi/藤原さくら▼4月12日(火)[出演]怒髪天/うつみようこ & YOKOLOCO BAND▼4月14日(木)[出演]ハルカミライ/さよならポエジー▼4月15日(金)[出演]Hump Back/Unblock▼4月16日(土)[出演]ペトロールズ▼4月17日(日)[出演]Wienners/ザ50回転ズ/THE TOMOBOYS▼4月19日(火)[出演]The Birthday/T字路s▼4月20日(水)[出演]TETORA/ammo/アルステイク▼4月21日(木)・22日(金)[出演]ハンバートハンバート▼4月26日(火)[出演]eastern youth/THA BLUE HERB▼4月27日(水)[出演]サニーデイ・サービス/MOROHA
2022年02月14日2月11日(金・祝)より、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで、「ミロ展 日本を夢みて」が開催される。スペインのバルセロナで生まれ育ったジュアン・ミロは、ピカソと並ぶ現代スペインの巨匠であり、シュルレアリスムを牽引した画家である。しかし、実は日本にあこがれ、日本文化に深い造詣があったことはあまり知られていない。そこで、本展覧会では、一般的な回顧展の要素をもちつつ、どこかに「ミロと日本とのつながり」という一本の筋を通した、初めての試みがなされている。今回、ナビゲーターとして音声ガイドを務めたのは、いま注目の若手俳優の一人・杉野遥亮氏。音声ガイドを担当したのは自身初だったという。開幕に先立つ内覧会で、オープニングイベントに登壇した杉野氏は、本展の感想ついてこう語った。「僕自身、展覧会というものに来るのが初めてだったので、本物の作品に宿るエネルギーやそこから受ける印象が刺激的な空間だなと思いました。特にこれ(『ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子』)は、自分の好きな絵だったので、こんなに大きい作品なんだってびっくりしました」パンフレットを見たときから惹かれていたという同作の魅力については、次のように語る。「日々撮影で疲れているときに、この絵を見てホッとする自分がいました。描かれているように、月のイメージのある絵で、それが心地よく入ってきたんです。ミロ自身が弱っているときに描かれたと聞いて、僕とミロがリンクした気がして、好きになりました」始めて務めた音声ガイドについても、納得の出来の様子。実際、杉野氏の抑揚ある声で、わかりやすいナレーションとなっている。本展の魅力は、一連の作品からミロの「日本愛」が垣間見られるところにある。浮世絵に通じる風景の表現から始まり、まるで書を連想させるカリグラフィックな文字と絵画との融合、さらに、ミロのアトリエに実際に飾られていた日本の民芸品や書物までがずらりと並ぶ。展覧会の中盤には、ミロが2度来日したときの記録を数多そろえ、その前後で作品にどう影響を与えたかが一目でわかるようになっている。「これぞミロ」という作品も堪能できる一方で、その背景にある我が国が彼に及ぼした影響をうかがい知ることができる本展。日本人であれば、まさに必見といえるだろう。「ミロ展 日本を夢みて」会場:Bunkamuraザ・ミュージアム会期:2月11日(金・祝)~4月17日(日)まで取材・文/飯塚さき
2022年02月14日アダム・クーパー主演の海外ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』。ジーン・ケリー主演の不朽の名作映画を舞台化したもので、2012年にロンドンで誕生した“決定版”が東京公演を経て、2月18日(金)、遂に大阪初上陸を果たす。連日14トンもの雨をステージ上に降らせるダイナミックなステージ。有名なタイトル曲を口ずさみながら雨の中歌い踊り、恋をするアダム・クーパーがこの度、リモート取材に応じてくれた。コロナ禍での延期を乗り越え開幕した喜びと、大阪公演を待ちわびる観客に向けメッセージを送る。ミュージカル「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」チケット情報アダム・クーパーと言えば、英国ロイヤルバレエのプリンシパルとして活躍し、映画『リトル・ダンサー』やマシュー・ボーンの衝撃作『白鳥の湖』の主人公役などで一世を風靡したバレエダンサー。だが、子どもの頃の夢は意外にも「タップダンサー」だったと明かす。「6歳でタップを習い始めたのが最初で、その後バレエをやり、またこの作品でタップに戻ってきました」。子供の頃から、ジーン・ケリーやフレッド・アステアがヒーローというのもうなずける。「今作が僕にとって特別なのはジーン・ケリーの役を演じられること、それも彼のコピーではなく自分自身のバージョンとして。これはとても光栄なことです」。物語の舞台は1920年代のハリウッド。隆盛を誇るサイレント映画だが、次第にトーキー(音声付き)映画の波が押し寄せる。スター俳優のドン(アダム・クーパー)は、表向きはカップルを装う大女優リナが悪声だったため、新作のトーキー映画は大不評。起死回生を狙い親友の作曲家コズモ、若手女優キャシーとの3人でミュージカル化を思いつくが、リナの声をどうするかが問題となって……。コロナ禍の影響で来日や開幕の延期が続いただけに、いま観客を前に踊れることが何よりも嬉しいと語る。「来日できないかもしれないと思った時は沈んだ気持ちにもなりましたが、こうして開幕できて胸がいっぱい。スタッフ、キャスト含め感謝の気持ちでいっぱいです」。アダム自身は何度も大阪の地で公演しているだけに、今作も「きっと喜んで貰えるはず」と自信を見せる。「人生に光と(恵みの)雨を与えてくれるので、僕自身演じていて嬉しいですし、観る人に喜びを与えてくれる作品です」と笑顔で語る。気付けば初演から公演回数は700回を超え、彼のキャリアの中でもっとも長く務める主演作となった。そんなドン役も、今回のツアーが見納めと聞けば、見届けずにはいられなくなるはず。大阪公演は2月18日(金)から21日(月)までオリックス劇場にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年02月10日「声優マダミスコレクション Case.1」が、3月6日(日)に東京・サンパール荒川大ホールで開催される。この度、本公演のライブ配信が決定した。本イベントは男性声優6名が舞台でマーダーミステリーにチャレンジするイベント。堀内賢雄、平川大輔、阿部敦、代永翼、岡本信彦、畠中祐による豪華声優陣が、今回のために書き下ろされたオリジナルシナリオのマーダーミステリーに挑戦する。第1部ではクルージングパーティー、第2部ではバーチャル世界と現実世界の間で起こる殺人事件という、世界観の全く異なるストーリーが描かれるという。キャスト全員が両公演でまったく雰囲気の違う役どころを演じる点にも注目だ。会場チケットと配信チケットの販売は2月11日(金・祝)10:00より開始。配信はライブ視聴のほかに、1週間アーカイブ視聴も可能となっており、それぞれの場所と時間で本公演を楽しむことができる。■公演情報「声優マダミスコレクション Case.1」3月6日(日)第1部:開場11:45 / 開演12:30第2部:開場16:45 / 開演17:30会場:サンパール荒川大ホールチケット料金:全席指定8,000円(税込)DVD付チケット料金:全席指定14,600円(税込)一般販売:2月11日(金・祝)10:00~3月6日(日)各公演開演1時間前まで※1回の申し込みで4枚まで購入可能配信料金:配信チケットのみ:4,000円(税込)DVD付き配信チケット:10,600円(税込)DVD付き第1部&第2部通し券:14,000(税込)販売期間:2月11日(金・祝)10:00~3月13日(日)18:59までアーカイブ期間:ライブ配信終了後、準備ができ次第〜3月13日(日)23:59まで<DVD収録内容>第1部、第2部の両公演に加え、特典映像を収録。※会場チケット、配信チケットともに付属のDVDの内容は同一(c)SOLABITA DESIGNS
2022年02月10日2月10日(木)より、東京・上野の東京都美術館で、「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が開催される。ドイツ東部・ザクセン州にあるドレスデン国立古典絵画館は、世界有数の西洋絵画コレクションを誇る絵画館。今回は、その数あるコレクションのなかから、17世紀オランダ絵画の名品約70点が集結した。今回の目玉となるのは、ヨハネス・フェルメール『窓辺で手紙を読む女』の修復プロジェクトと、その修復後の姿である。同作は、ドレスデン国立古典絵画館にて19世紀初頭から早くも一般公開されており、同館の至宝のひとつとして親しまれてきた。1979年、サンフランシスコでの展覧会で、初めてX線調査が行われ、女性の背後の壁にもともとキューピッドの画中画が描かれていることがわかった。その後、2017年から始まった大規模な調査・修復プロジェクトにおいて、この上塗りの手直しが、作者であるフェルメールの没後に行われたものであることが判明。これを受け、所蔵館は上塗りを除去することを決め、約4年もの歳月をかけて、2021年9月、フェルメールが描いた当初の姿がお披露目された。修復後、同作が所蔵館以外で公開されるのは、今回が世界初となる。本展覧会では、修復前(複製)と実際の修復後の作品を並べて展示しているだけでなく、綿棒でニスをぬぐったり、顕微鏡とナイフで上塗りの部分を削ったりした修復作業の様子が、パネルや映像などでわかりやすく紹介されている。これらを見れば、4年もの月日を費やした修復作業が、どれだけ神経をとがらせる途方もないものだったかが、手に取るようにわかる。そうした修復過程を見た後に、実際の作品を見たときの感動といったら――。目の前に立ち尽くし、ため息をつくほかない。「光の画家」フェルメールによる暖かな光が、手紙を読むのに夢中になっている女性を照らす。修復によって現れたキューピッドの画中画は、女性の読む手紙がラブレターであることをわかりやすく示唆する。このキューピッドが塗りつぶされた頃は、レンブラントの作品だとされたというのだから、時の移り変わりというのは面白いものである。長年“自省のキャンバス”と化していたその大きな空間に現れ、ようやく本来の姿を見せたフェルメールの「幻のキューピッド」。一度その目で見て、心の中で「おかえり」と声をかけに来てみてはいかがだろうか。1枚の絵画が、長い歴史とその深みを映し出している。「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」会場:東京都美術館会期:2月10日(木)~4月3日(日)取材・文/飯塚さき
2022年02月10日