チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (47/342)
新国立劇場のフルオーディション企画として11月に上演される『イロアセル』の取材会が行われ、作・演出を務める倉持裕と新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子が出席。フルオーディション企画の意義、10年前に書き上げた本作がいまなお持つ“現代性”などについて語り合った。小川の芸術監督就任と共に始まったフルオーディション企画の第4弾となる本作。1835人の応募者から、数回の選考会の後、男性役6名、女性役4名が決まった。倉持自身、オファーが来る以前に新国立劇場にてフルオーディションで上演された『かもめ』を観て、「役を役者に寄せるのではなく、役者が役に寄っていく作り方をしているのを感じました。フラットに余計なことを考えず作品を観られて。普段、有名な役者の芝居を観ることが多いけど、(作品そのものではなく)役者を見ていたということに気づきました」と明かす。小川芸術監督は、まさに倉持が口にしたような“フラット”な空気を過去のフルオーディション企画作品の稽古場でも感じたようで、「気後れや遠慮といったものがなく、風通しがいいんですね。いいチーム感がすぐに立ち上がって、贅沢で豊かな創造性の高い現場を作れていることを体感しています」と手応えを口にする。役者の知名度に依ることなくキャスティングをするということは、集客という点では難しさを抱えることにもなるが、小川は「作品の良さで伸びていくことを信じています。作品で来ていただき、観てみたら面白かったと思っていただけるよう、フルオーディション企画を続けていくことが大事」と語り、倉持は「『フルオーディション=知名度のない役者のチャンス』となってもつまらない。結果的に誰もが知っている人になってもいいし、むしろそうなってくれたらいい。時間がずいぶんかかるし大変でしょうけど」と、この取り組みが、日本の演劇界におけるオーディションの概念そのものを変えることになればと期待を口にした。本作は、インターネット上の匿名の発言が抱える“特異性”がテーマだ。倉持が10年前に書き上げ、鵜山仁が演出を手掛けた作品を、今回は倉持自らの演出で上演する。10年前は東日本大震災が起きた年だったが、倉持は「10年経って読み返したら面白かったです。いまはコロナもあって匿名の言葉が塊になって一方向に進んでいくし、偏りもすごい。敵を見つけたら、そこを攻めていくという現象も激しくなっている。権力もその匿名の言葉の塊を利用するようになっていると肌で感じます。いま、これをやることで感じることがあるんじゃないかと思う」と語った。
2021年09月29日1月から12月までの各月をイメージしたキャラクターをベースにそれぞれの月をイメージした楽曲と物語で織りなすシリーズCD「ツキウタ。」の舞台版『2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第11幕「月花神楽~黒と白の物語~」』が、9月30日(木)〜10月11日(月)まで、ヒューリックホール東京にて上演される。昨年の公演中止を経て再始動した本公演にかける意気込みを、お当番を務める中島礼貴(卯月 新役)、上仁 樹(皐月 葵役)、鷲尾修斗(葉月 陽役)、秋葉友佑(長月 夜役)が明かした。2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ(通称ツキステ。)は、芝居とダンスライブの2部で構成され、躍動感と笑いあふれるエンターテインメントが人気を博している。今回は、「武」で争う戦乱の世を終えた時代で、平安貴族にも似た雅な衣装衣裳をまとい「美」を競い合う物語が描かれる。そんな未知の経験に4人は情熱を燃やしているという。中島「僕は和の世界観が大好き。羽衣がついた衣裳で踊る華やかな舞を早く披露したいです」上仁「衣裳にふさわしい立ち振る舞いを身に付け、新しい挑戦をお届けしたいと思います」秋葉「皆様の期待に答えるため、夜と陽の関係性を意識しながら、美しく踊ります」鷲尾「陽と夜と同じように、僕は秋葉ちゃんを信頼しています。僕らにしかできない舞を披露して皆様の期待を超えたいです!」また、熱気に満ちたダンスライブの準備も万全だ。中島は体幹トレーニングを、上仁は腹筋ローラーで体力づくり、秋葉は毎日個人レッスンに励んでいるという。そして鷲尾はランニングでボディを磨き、7キロもの減量に成功したというから凄い。最後に力強く想いを語った。中島「初お当番ですが、心強いメンバーが揃っていますので安心しています。ユニット曲にはSix Gravity6人の個性が出ているので、ぜひ楽しんでください」上仁「僕もコミュニケーションをとりながら踊れるユニット曲が楽しみ。目があうと心が通ったなって嬉しくなるんです。今回、礼貴とは10回は合わせるつもり。楽しい時間を過ごしていただけるよう頑張ります」秋葉「1部幕はもちろん、アイドル全開の2部幕の熱量にも注目して欲しいです。僕らの新たな魅力をお届けします!」鷲尾「好きなものを我慢した分、想いの全て爆発させられるよう全員で励みます。ご時世的に絶対来てとは言えませんが、来ていただけたら後悔させません!」これまでアクティブに駆け回っていた12人が新たに挑む美の戦いに大いに期待したい。取材・文:浅水美保
2021年09月28日老人ホームでの介護される暮らしを体験するワークショップ型のオンライン作品『The Home オンライン版』が、彩の国さいたま芸術劇場と英国との国際共同にて、制作・公開が決定した。本作の元となったのは2019年英国・ロンドンで初演された『The Home』。大学寮をまるごと架空の老人ホームに設え、観客は入居者として48時間滞在する…という、イマーシブシアター(没入型演劇)だ。観客は二日間にわたり明るく衛生的な居住空間、健康的な食事が提供され、遺書の書き方講座や地域住人とのアクティビティに参加し、俳優たちが演じる介護職員・施設スタッフによる手厚い介護を体験。実際に介護される立場に身を置くことで、介護されることをどのように感じ、受け入れるのかを考える機会を提供する、高い評価を受けた意欲作となる。元々はリアルで制作・上演予定だったが、折からのコロナ禍により舞台をバーチャル空間に移し、日英同時進行での発表となる今作。ストーリーは、英国に本社を構える<The Home>は32か所の老人ホームを経営する企業が、アジア進出として日本で有料老人ホーム「あおぞら」を開設することに。様々な芸術文化プログラムを展開し「介護に文化を」をモットーに、施設長・柏原直人(演・菅原直樹)を中心としたスタッフに、演劇好きで個性派ぞろいの入居者たち(演・さいたまゴールド・シアター)がにぎやかな日々を送っている…というものだ。映像を中心としたデジタルコンテンツと、「あおぞらシアター」と称したオンライン・ワークショップで展開し、デジタルコンテンツは9月25日(土)10時より、ウェブサイトを公開(URL: ※アプリ版:10月5日(火)10時公開)。さいたまゴールド・シアターのメンバーの個人史をベースとした短編映像や、コロナ禍での老人ホームを描いた作品などの映像、また画像、ミニゲームといったコンテンツを体験することができる。オンライン・ワークショップ「あおぞらシアター」はWEB・Zoomを使っての開催。入居者、介護スタッフによって結成された劇団「あおぞらシアター」のメンバーとともに、老いや介護をテーマに演劇ワークショップ形式での開催となる。バーチャルで参加できる新しい形の「没入型演劇」、ぜひアクセスしてみてほしい。オンライン・ワークショップは10月8、9、10日の3日間、各11時、14時、16時(各回約1時間)。参加費は500円(別途手数料がかかる場合有)。参加券はチケットぴあにて発売中。
2021年09月28日東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演中の『RUST RAIN FISH』において、「Team White」初日公演を鑑賞した。2014年に初演された本作は、『ONLY SILVER FISH』『+GOLD FISH』に続いて西田大輔が脚本・演出を手がけるミステリーシリーズの第3弾。第二次世界大戦中の日本を舞台に、史実とファンタジーが混ざり合ったワンシチュエーション会話劇が展開される。今回は「Team Black」「Team White」の2チームWキャスト制が敷かれ、取材した9月27日は「White」の初日だった。劇中では、本当の名前を知った時に過去を振り返ることができると言われている魚“オンリーシルバーフィッシュ”をめぐる物語が繰り広げられる。ある館に、冤罪にかけられた過去を持つ14人の男女が集まっていた。「この中に冤罪でない者がいる」「本当の罪人を見つけた者に魚の名前を教える」という館主の言葉を機に、一堂に会した14人はそれぞれ推理を始めるが──。2014年版からの続投キャストが8人を占める「Black」に対して、「White」メンバーは今回から名を連ねた者ばかり。中でも、本作で初舞台を踏んだ歌手の藤澤ノリマサは序盤から持ち前のオペラ発声を轟かせ、客席を圧倒した。「Black」で西田が演じた、探偵然とした振る舞いが特徴的な「黒木1(仮)」役だったが、開幕に際して西田が寄せた「俳優が変われば、物語がこんなにも変わるのかと言うぐらい、生きている俳優たちが舞台上にいます」というコメントを体現するような存在感を発揮する。出演者には天野はな、板倉武志、尾崎由香、鶏冠井孝介、瀬戸啓太、高橋良輔、高柳明音、竹井亮介、廣野凌大、松村龍之介、宮平安春、山本涼介、吉田ウーロン太(五十音順)も並び、重厚でシリアスな世界観の中にも緩急入り混じったユーモアを感じさせた。作品を象徴するかのような冒頭シーンでは、天野と高橋が静謐な魅力で観客を劇世界へと誘う。オンリーシルバーフィッシュが幻想的に漂う、大きな水槽の前で絡み合っていくミステリアスな駆け引き。各自が振り返りたい過去は、やがて国家の命運を賭けた大きな“作戦”の記憶へと繋がる。伏線にまみれたその道筋をたった1回の鑑賞で理解するのは正直難しかったものの、前回の「Black」で結末を知ってから観る2度目にしてようやく輪郭がハッキリしてきた。本作は、趣向の異なる2チームWキャスト制の相乗効果と西田の歴史観を楽しみながら何度も考察を重ねて味わう極上のミステリーなのだ。上演時間は約170分(休憩含む2幕)。東京公演は10月3日(日)まで。その後、10月15日(金)~17日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールに巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年09月28日『RUST RAIN FISH』が、東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕した。初日公演の様子をレポートする。2014年に初演された本作は、『ONLY SILVER FISH』『+GOLD FISH』に続いて西田大輔が脚本・演出を手がけるミステリーシリーズの第3弾。第二次世界大戦中の日本を舞台に、史実とファンタジーが混ざり合ったワンシチュエーション会話劇が展開される。今回は「Team Black」「Team White」の2チームWキャスト制が敷かれ、取材日は「Black」のキャストがステージに立った。劇中では、本当の名前を知った時に過去を振り返ることができると言われている魚“オンリーシルバーフィッシュ”をめぐる物語が繰り広げられる。ある館に、冤罪にかけられた過去を持つ14人の男女が集まっていた。「この中に冤罪でない者がいる」「本当の犯罪者を見つけた者に魚の名前を教える」という館主の言葉を機に、一堂に会した14人はそれぞれ推理を始めるが──。「Black」には西田が主宰するAND ENDLESSの劇団員(佐久間祐人、田中良子、村田洋二郎)をはじめ、2014年版の出演者(赤塚篤紀、杉山健一、塚本拓弥、萩野崇)が8人いるなど総じて“手がたい”印象だ。彼らに加えて、今回新たにキャスティングされたメンバーがフレッシュな風を吹き込む。特に凛とした人物像で作品を引き締める能條愛未、徹底したコメディリリーフぶりでシリアスな展開に緩急をもたらした宮下雄也(特に出オチ感満載の衣装と髪型に期待)の功績は大きい。“オンリーシルバーフィッシュ”が揺れる、大きな水槽の前で絡み合っていくミステリアスな駆け引き。各自が振り返りたい過去は、やがて国家の命運を賭けた大きな“作戦”の記憶へと繋がる。その道筋をキャストとしても支える西田の躍動や、アウトローなたたずまいながら口数の多い谷口賢志、隠しきれない存在感で劇世界を支える堂本翔平、ピュアゆえの不器用さで観客を惹きつける松永有紗、一方で器用に立居振る舞う山口大地にも注目したい。役者が変われば、作品はまるで変わる──。2014年版キャストが一人もいない「White」にはどんな世界が広がっているのか、もう一度劇場に足を運びたくなる鑑賞体験だった。上演時間は約170分(休憩含む2幕)。東京公演は10月3日(日)まで。その後、10月15日(金)~17日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールに巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年09月28日神と人類の死闘を描く漫画『終末のワルキューレ』のアニメテレビ放送に続き、11月には舞台化されることが決定。この舞台の前哨戦となるスペシャルマッチが、9月26日、プロレス団体・DDTのリングで実現した。本作は、累計900万部を突破した人気漫画。1000年に一度天界で開かれる「人類存亡会議」で全会一致により人類滅亡の裁きが下ろうとしたが、半神半人の戦乙女<ワルキューレ>の一人、ブリュンヒルデの提案により免れることに。滅亡を回避する条件とは、神代表と人類代表による一対一<タイマン>13番勝負。人類の存亡はかつてない戦いに委ねられた。格闘技の聖地・後楽園ホールで行われた「終末のワルキューレコラボマッチ~神vs人類~」は、関本“ゼウス”大介、樋口“ベルゼブブ”和貞、納谷“スサノヲノミコト”幸男、“アポロン”彰人の神代表と、勝俣瞬馬、上野勇希、MAO、中村圭吾の人類代表が戦う8人タッグマッチ。主演のブリュンヒルデ役の飯窪春菜がセコンドを務め、戦いの火ぶたは切って落とされた。神々の圧倒的な強さの前に全く歯が立たない人類代表。助っ人として飯窪(ブリュンヒルデ)はアダム(中村圭吾がカツラを被り再登場)を呼び出すが、善戦むなしく関本に止めを刺されてしまい、神の勝利となった。飯窪は、「ブリュンヒルデとしては人類側に勝ってほしかったんですけど、この続きは舞台やアニメで楽しんでいただきたいなと思います!」と、リング上でしっかりアピール。ゼウス役で舞台に出演することが決まった関本も、「いいか人類。お前ら必ず観に来いよ!」とPRした。試合後の囲み取材で、舞台出演について質問された飯窪は、「まさか自分にブリュンヒルデの役がくるなんて」と信じられない様子だったが、「アニメの声優さんが沢城みゆきさんでセクシーなイメージなんです。ですので、そんなプレッシャーを感じつつ、自分も堂々とブリュンヒルデとして舞台に立てたらなと思います」と意気込みを語った。この試合の特別ゲスト解説を務めた長州力は、「この子すごいよ。こんなにちっちゃな体なんだけど、4対4のリングの中でも存在感があるね。だから選ばれたんだろうね」と堂々と振る舞った飯窪に太鼓判を押した。『「終末のワルキューレ」~The STAGE of Ragnarok~』は11月27日(土)~12月5日(日)に、こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて上演。チケットは10月24日(日)から一般発売。座席は人類側、神側に別れ応援するほうを選択できる。取材・文:門宏
2021年09月27日先日の東京オリンピック開会式で話題を集めたピクトグラムのパフォーマンス。その“中の人”を務めたHIRO-PONと20年間、パントマイム・デュオ「が~まるちょば」として活動した相棒のケッチが、デュオ脱退後初となるソロ公演、フィジカルコメディ舞台「ケッチスケッチ」を11月27日(土)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演する。駆け出しのソロパフォーマーだった頃、初めて遠征したのも兵庫県だった。偶然の巡り合わせに「いいスタートが切れそうな予感!」と声を弾ませるケッチが、報道陣を前に見どころを語った。フィジカルコメディ舞台「ケッチスケッチ」 チケット情報が~まるちょばのサイレントコメディに対し、ソロ活動では「フィジカルコメディ」を掲げる。「シンプルだけど面白おかしいものを、言葉を使わず、身体表現で見せていく。技というよりもやっている僕を見てもらいたい」。カバンの空中固定、エスカレーターなどピエロでもお馴染みのパントマイムやクラウニング、さらにジャグリング、手品、即興の要素も盛り込みながら年齢や国籍を問わないパフォーマンスを展開する。「例えばマスクが中々手から外れなくて四苦八苦するとか。小さなことを一つずつ大切に、いまを生きるみたいな演技方法が好きなので多く取り入れたい」。何より得意なのがお客さんを巻き込んでの即興パフォーマンスだ。代表作「ペットボトル」はDX版をお届けする。2019年3月31日にが~まるちょばの脱退公演を終えると、4日後にはドイツで生活していた。その後、イギリス、フランス、イタリアを回り、フィジカルコメディについて学び直し、並行してワークショップや大道芸を行った。2020年3月からはフィジカル面の演出家としてオーストラリアの劇団で働き始めたが、間もなく新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて緊急帰国となった。時期こそ早まったものの「海外でソロのやり方を確立できたら日本でもやりたいと思っていたので。今回は海外で学んだことをショーに入れ込みながら、いま持てるエネルギーのすべてを出し切りたい」と気合十分に本番に挑む。子どもたちにも笑顔を届けたいと、下は4歳から入場可能とした。「まずは楽しんでいただきたいなというのが一番です。家に帰って真似できそうなこともたくさんあるので、ご家族に見せたり学校で真似したり。道具がほとんどなくても面白いことができるねと、楽しく朗らかに帰っていただければ。舞台上で大声を出すこともないですし、ご家族で安心して観に来ていただけたらと思います」。公演は11月27日(土)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年09月27日cinema staffのフルアルバムが完成、リリースとそれに伴う全国ツアーが決定した。4年ぶりとなる7枚目のフルアルバム、発売日などの詳細は後日発表される。全国15箇所に及ぶリリースツアーは11月よりスタート。海の底で火が燃えている、意味深なアートを使用したツアーポスターが公開されているが、バンドのオフィシャルSNSなどで詳細が明らかになるのを待とう。cinema staff チケット情報さらに今年6月にリリースしたばかりの『白夜/極夜E.P.』から「白夜」のリリックビデオも同時公開された。このリリックビデオは「白夜/極夜E.P.」のアートワークを担当した『YAR』 Shinya Hanafusa氏が手掛けている。リリースツアーのチケットは、10月3日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2021年09月27日タイ発大人気ドラマ『2gether the series』で主演を務めたブライトとウィンによるファンミーティングが、2021年10月9日(土)に開催されることが決定した。2020年2月のタイ本国のオンエア、そしてYouTubeでの配信直後から世界中で話題になり、Twitter世界トレンド1位を記録するなどタイBLドラマのブームを巻き起こした『2gether the series』。本イベントでは、主演を務めたブライトとウィンによる、日本のファン限定のオンラインファンミーティングとなる。2020年6月に開催されたブライトとウィンによる初めてのGlobal Fan Meetingとは異なり、日本のファン向けに企画されたオリジナルの内容になる予定だ。チケットはアーカイブ視聴が可能な10月10日23時59分まで販売中。限定グッズ付きチケットには、オリジナルラミネートパスが用意されている。ラミネートパスには、ファンミーティングタイトルがプリントされたネックストラップ、シリアルナンバーが刻印されたメタルチャームが付属される。「BRIGHT WIN 1st FAN MEETING IN JAPAN 」日程:2021年10月9日(土)開場 17:30 開演 18:00 予定(日本時間)出演:Bright(ワチラウィット・チワアリー)、Win(メータウィン・オーパッイアムカジョーン)配信プラットフォーム:PIA LIVE STREAMチケット:通常チケット 3,500円(税込)限定グッズ付きチケット 5,500円(税込)
2021年09月24日8月に大阪・心斎橋JANUSで開催された“ODD”で“踊れる”摩訶不思議な夜、『ODDL PARTY』が、大好評につき、10月27日(水)東京・WWW Xで開催決定!「ODDL PARTY in TOKYO」 チケット情報ジャンルレスに集められたダンサブルで中毒性のある3組の競演が実現。第一弾発表として、大阪公演ではメジャー初ライブながらソウルフルな演奏で観客を魅了したマハラージャンと、ソロアーティストとしてもそれぞれ高い人気を誇るZEN-LA-ROCK、G.RINA、鎮座DOPENESSによるユニット・FNCYの出演が決定している。そのほか、後日解禁される追加アクトにも要注目だ。ここでしか見られない特別な一夜になること間違いなし!チケットは、チケットぴあにて9月28日(火)23:59までプレイガイド最速先行(抽選)を受付中。
2021年09月22日NAPPOS PRODUCE 舞台『トリツカレ男』が、10月16日(土)に開幕する。初日を約1ヵ月後に控えた稽古前の想いを、キャストの野田裕貴(梅棒)、畑中智行、原田樹里の3人に尋ねた。いしいしんじの小説(新潮文庫)を演劇集団キャラメルボックスが舞台化し、好評を博した本作。2009年にはアトリエ・ダンカンプロデュースによる音楽劇も上演された。レストランでウェイターとして働くジュゼッペは、何かを好きになると寝食を忘れて没頭することから“トリツカレ男”と呼ばれている。三段跳びに熱中した結果、世界新記録まで出すほどの彼が次に取り憑かれたのは、外国から来た少女ペチカだった──。初演(2007年)・再演(2012年)とジュゼッペを演じた畑中を横に、2021年版で同じ役に扮する野田は「先輩が偉大すぎて自分でよろしいんでしょうか……」と不安げ。すると畑中はすかさず「野田くんが楽しんで演じれば、おのずとオリジナリティは発揮されるから大丈夫!」と背中を押す。聞けば野田自身には“アイドルオタク”な一面があるらしく「何かに“トリツカレ”てしまうジュゼッペに共感しながら演じられそう」という。劇中で、ジュゼッペは原田演じるペチカに恋をする。その恋路を応援するのが、畑中扮するハツカネズミのトトだ。同じ作品内での役替わりを、脚本・演出を務める成井豊から「主人公の幸せをいちばんに願うバディ役は、これまでジュゼッペを演じて気持ちを掴んでいる畑中が演じるにふさわしい」と語られたエピソードを明かした畑中は、「とにかく野田くんが楽しんでくれるよう“給水”します」と稽古場での女房役も買って出る。二人の様子を微笑ましく見守っていた原田は、本作の初演を観てキャラメルボックス入団を決意し、再演にはジュゼッペ幼なじみのカメラマン・イザベラ役として出演している。人生の岐路を左右したこの作品の魅力について聞くと、「出番の多寡を問わず、登場人物すべてに存在意義があるんです」と熱っぽく語る。原田は続いて「中にはジュゼッペの気質をバカにする人もいると思うけど、ペチカを想って懸命にひた走る彼を周りのキャラクターが全力で支える姿を見たら『欠点含めて、ありのまま生きていいんだ』と肯定されます」と作品が発するメッセージにも踏み込む。野田と畑中も「迷いや葛藤している人が観たら励まされるよね」と同意し、インタビューを結んだ。公演は10月24日(日)まで、東京・こくみん共済coopホール / スペース・ゼロにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年09月22日中山優馬が主演する「ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー ~The Pandemonium Rock Show~』」が開幕した。初日公演の様子をレポートする。森雪之丞が作・作詞・楽曲プロデュース、亀田誠治が音楽、河原雅彦が演出を手がける本作は、昭和の音楽業界を舞台に激動の時代を生き抜く若者たちを描いた音楽劇。 劇中ではロックの魅力に取り憑かれ、夢中になっていく主人公・楠瀬涼(中山)を中心とした物語が展開される。1966年、ザ・ビートルズの来日に日本中が沸き立つ中、中学生の涼は隣に引っ越してきた“お姉さん”にロックを教わる。1973年、20歳になった涼が結成したバンドは若者から熱狂的な支持を得るものの、アイドルの恋人との逢瀬や楽曲制作に明け暮れた夢のような日々は1980年に起きたジョン・レノンの射殺を機に崩れ落ちて──。いがぐり頭の学ラン姿から当時の流行だった長髪ベルボトムまで自在に着こなす中山は、スターダムにのし上がり没落していく涼の激しい“ロッカー”としての生き様を熱量高く体現する。フォークソング調の「濁流に飲まれた木の葉のように」や、結成バンド名の由来となったロックチューン「REASON」、表題曲「The Pandemonium Rock Show」など、現代のヒットメーカー・亀田が全曲書き下ろした劇中ナンバーで見せるさまざまな表情に注目だ。涼の恋人でアイドルユニット・ウエハースの及川真実役には、自身もアイドルを経験した桜井玲香(元・乃木坂46)がキャスティング。デビュー曲として披露される王道のアイドルソング「渚のUSOPPIE!」ではありし日を彷彿とさせる姿でファンを喜ばせる一方で、真実の秘められた一面もシリアスに立ち上げる。ウエハースの相棒で姉の愚美を演じる野口かおるとの掛け合いも楽しい。水田航生は、涼をバンドに引き入れた「THE REASON」リーダーの山下勝也役だ。2幕では、バンドメンバーを演じる汐崎アイル(ドラム)、小松利昌(ベース)、山岸門人(キーボード)と一緒にギターの生演奏で客席を湧かせるひと幕も。涼にロックの手ほどきをする“お姉さん”こと荒木三枝子役の玉置成実は、安定のボーカルとダンスでコメディエンヌとして抜群の存在感を発揮していた。グループサウンズとしてデビューが遅れた「ザ・カニバルズ」ボーカル・野村正嗣(ノッチ)としての焦燥感を、浜中文一は「哀愁のGS」に乗せてシュールに歌う。このナンバーには、歌詞に実在したザ・スパイダーズ堺正章やザ・テンプターズ萩原健一(故人)の名前や顔写真も登場。当時の熱狂を知っているであろう年配の観客から、楽しそうな笑い声が上がっていた。公演は10月3日(日)まで、東京・日本青年館ホールにて。その後、8日(金)〜11日(月)に大阪・森ノ宮ピロティホールへ巡演する。各回の開演60分前まで購入できる当日引換券も販売中。取材・文:岡山朋代
2021年09月21日現在上演中の『物理学者たち』において、開幕2日目の公演を鑑賞した。スイスの劇作家フリードリヒ・デュレンマットによる戯曲を、ノゾエ征爾の上演台本・演出で立ち上げる本作。とあるサナトリウムを舞台に、自らをニュートンやアインシュタインと名乗る精神病棟の患者と、院長をはじめとする施設スタッフらの会話で構成される。第二次世界大戦での原爆被害も記憶に新しく、ベルリンの壁建設や水爆ツァーリ・ボンバの爆発実験など世界情勢が緊迫した1961年に執筆され、時代背景にあった科学技術をはじめ、"核"をめぐる人間のモラルと欲望が描かれる。──と説明すると一見難しい作品のように感じるだろう。しかしシリアスな内容の中にはふんだんに“笑い”の要素が盛り込まれており、130分(休憩含む2幕)の上演時間があっという間に感じられた。精神病棟の患者による看護婦殺しの顛末が明かされるサスペンスでありながら、浮世離れした各キャラクターのシュールな掛け合いに客席から笑い声が漏れてくる瞬間も。草刈民代演じる院長はサナトリウムの責任者であるにもかかわらず、2度目の事件が起こっても悠然と警部(坪倉由幸)に渡り合う底知れない人物。ト書きに「背中の曲がった老嬢」とあることから、草刈はバレエダンサーとして培った姿勢のよさを封じ、背中を丸め杖をつき特徴的なしわがれ声を出すなど、ひと筋縄でいかない人物像をステージ上に立ち上げる。患者である“物理学者たち”の狂人ぶりは三者三様だ。自称ニュートン役の温水洋一は、ウェーブがかったカツラをかぶって登場。異様に口数が多く殺人現場でも旺盛な食欲を見せ、出オチに負けない存在感を発揮する。自称アインシュタイン役の中山祐一朗は、殺人を犯してもひたすら眠りこけ、好きでもないバイオリン演奏に執心する様子を独特の“間”で表した。「ソロモン王が見える」と言って施設に15年も入院しているメービウス役には、入江雅人。8月末にリモート見学した稽古より幼児性が増しており、彼の世話係である看護婦(瀬戸さおり)とのマウント合戦はより異彩を放つシーンに仕上がっていた。突然放り込まれる博多弁(福岡県は入江と瀬戸の出身地)やオーバーな英語に笑って油断しているうち、1幕ラストでメービウスが見せる激情に息を呑むだろう。公演は9月26日(日)まで、東京・本多劇場にて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年09月21日屋良朝幸が主演を務めるミュージカル『DOGFIGHT』が2021年9月17日(金)から、東京・日比谷シアタークリエで開幕した。初日を前にした16日(木)、プレスコールと記者会見が行われ、出演者らが本作への意気込みを語った。ベトナム戦争出征前のアメリカ・サンフランシスコ。エディ(屋良朝幸)とボーランド(藤岡正明)、バーンスタイン(大久保祥太郎)の3人は訓練期間を終えた若い海兵隊員。各々のイニシャルをもじって「3匹の蜂(スリービーズ)」と称するほどの親友同士だ。彼らは出征前の最後の夜を楽しむべく、街で大騒ぎを始め、「ドッグファイト」に参加する。それは、海兵隊で代々受け継がれてきた、一番イケていない女の子をパーティに連れてきた者が賞金を得るという最低のゲームでーー。この日は、本作の代表的なナンバーで、ダンスシーンが満載の「最後の夜」、エディがウェイトレスのローズ(昆夏美)をパーティに誘う「パーティに行こう」など3曲が披露された。2015年の日本初演、17年の再演に続き、3度目の主演を務める屋良は「前回をなぞることなく、新しい『DOGFIGHT』をつくる気持ちで臨んでいる。新鮮な気持ち」と話す。特に“新鮮”なのが、ヘアスタイル。役柄に合わせ、20センチ以上髪を切り、ミリタリーカット姿となった。屋良自身も髪型を気に入ってるようで「ドライヤーをしても17秒で乾く」。屋良は8月に新型コロナウイルスに感染し、2週間の療養をしていた。「ご心配をおかけして、本当に申し訳なく思っている」と話すが、記録映像をもとに家で自主練をしたり、リモートで稽古場とつながったりしていたといい、「いろいろな配慮をしていただいて、本当に感謝。回復後は10日ほどしか稽古ができなかったが、みんながいい雰囲気を作ってくださったので、そんなに不安はなかった」。療養期間があった分、思いも強い。「今の時期に初日を迎えることは、もしかしたら奇跡的なことかもしれない。幕が開けられるのは本当に幸せなこと。千秋楽までは誰1人欠けることなく走り抜けたい」。最後に、観客へのメッセージとして、屋良は「今まで見てくださった方も、そうでない方もいると思うが、本当に新しい『DOGFIGHT』がここに誕生した。これだけ踊る『DOGFIGHT』は、世界でも日本だけ。楽しんでいただきたい」と語った。東京公演は10月4日まで。愛知公演は10月6日、日本特殊陶業市民会館ビレッジホール。大阪公演は10月21日~24日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ。取材・文:五月女菜穂
2021年09月21日神戸市六甲山上で自然を散策しつつ点在する現代アート作品を楽しむ展覧会『六甲ミーツ・アート芸術散歩2021』が、9月11日(土)に開幕。各方面で活躍中の招待アーティスト19組と、公募で選出されたアーティスト15組の計34組が参加し、絵画や立体、映像作品など幅広いジャンルの作品が、六甲山上をはじめとする各会場で展示されている。「六甲ミーツ・アート芸術散歩2021 鑑賞パスポート引換券」チケット情報六甲山の緑や光、川のせせらぎなどの自然環境の中で気軽に現代アートにふれ合えるのがこの展覧会の大きな特徴。会場の六甲ガーデンテラスエリア、六甲高山植物園などの12会場間は徒歩で周遊できるところが多い。サテライト会場である有馬温泉エリアには六甲有馬ロープウェーが便利だ。また、新たな試みとしてJR三ノ宮駅前に過去の作品が特別展示されているので、こちらの作品を観て気分を盛り上げてから六甲山上に向かうのも期待感を高めそうだ。風の教会エリアにある、建築家安藤忠雄氏設計の「風の教会」では、神戸出身のアーティスト束芋(たばいも)が、教会内の空間と対話して感じた感覚を、アニメーション映像化し天井にプロジェクターで投影。この空間でしか表現・成立できない映像作品が観られると注目されている。ROKKO森の音ミュージアムでは、明和電機が80年前の巨大な自動演奏オルガンの心臓部であるパンチカードに代えて、コンピューターの制御によりオリジナル曲を演奏。迫力ある音楽とコミカルなロボットの動きに自然と楽しい気持ちになりそうだ。天覧台(一部TENRAN CAFE内に展示)で展示されている「キオクノカナタへ」は、公募で集まった248作品の中から「六甲ミーツ・アート芸術散歩2021公募大賞」グランプリにも選ばれた作品。古着やハギレを使った衣装をまとったモデルが六甲山の豊かな自然の中で溶け込むことで、廃棄物となってしまったものたちが再び輝きを取り戻すことを表現した作品だ。旧パルナッソスの休憩小屋で展示されている「山々を泳ぐ方舟」は、アートユニット「パルナソスの池(淺井裕介・高山夏希・松井えり菜・村山悟郎)」が、通称「廃墟の女王」とも呼ばれる旧摩耶観光ホテルに滞在し、窓枠を模したステンドグラスや雨漏りを利用して描いた絵画や写真を制作。ホテルに残されていた遺物などとともに、会場全体を使って表現した作品となっている。ROKKO森の音ミュージアムの屋外で展示されている松田美由紀の作品「光彩」は、『ジェンダー』をテーマに、柔らかさ、美しさを表現する女形・早乙女太一をモデルにして、性別関係なく共通する感情と誰もが両方の性質が交互に現れて生きていることを表現した。ほかにも見ごたえのある作品が揃い、六甲山がもつ自然のパワーと、作品に込められたアーティストのパワーが相まって、元気をもらえるはず。会期は11月23日(火・祝)まで。ゆっくり鑑賞していると、とても一日では回りきれないほど。周遊には、会期中に有料施設6会場に入れる「鑑賞パスポート」の購入がお得でおすすめだ。取材・文・撮影:滝野利喜雄
2021年09月17日東京芸術劇場でリサイタル・シリーズ「VS」(ヴァーサス)が開催される。ふたりの異なる個性を持つピアニストが出演し、ピアノ・デュオ演奏により互いの表現力や感性、技術をぶつけ合う本シリーズ。ライブでしか味わえない熱狂的な空間を創造する、新しい形のリサイタルとなる。“衝突”や“戦い”という意味を持つ「VS」という挑戦的なシリーズ・タイトルは、初顔合わせとなるふたりのピアニスト、ジャンルの違うふたりのピアニストなど、表現の交歓の中で即興的に生まれていく、予想することのできない“衝突”を観客にも一緒に体感してほしいという思いから生まれた。また東京芸術劇場コンサートホールの空間にも負けない、多彩なレパートリーや表現の可能性を秘めた2台のピアノにこだわっている。第1回目に登場するのは、反田恭平と小林愛実。2016年デビュー・リサイタルでサントリーホールを満席にし、圧倒的な演奏で観客を惹きつけた反田。そしてわずか14歳でデビューし、同じくサントリーホールで日本人最年少の発売記念リサイタルを開催し話題となった小林。ふたりはショパンコンクールで共に第一次予選を勝ち抜き、10月の本大会に駒を進めている。本大会での結果が注目されるふたりのピアニストが闘いを終えて挑む「VS」の舞台。旬を迎えた若手ピアニストが互いの才能をぶつけ合う、記念すべき第1回の公演は12月8日(水)に開催される。東京芸術劇場 リサイタルシリーズ 「VS」 Vol.1Aimi Kobayashi × Kyohei Sorita公演日時:2021年12月8日(水)会場:東京芸術劇場 コンサートホール
2021年09月17日10月の「アジア オーケストラ ウィーク」でセントラル愛知交響楽団を振るのは常任指揮者・角田鋼亮。東洋と西洋を複眼的に対照するプログラムだ。[7日(木)東京オペラシティ]取り上げるのは、山田耕筰の《序曲》、貴志康一の《ヴァイオリン協奏曲》、アルヴォ・ペルトの《東洋と西洋》、そしてドビュッシーの《海》。「山田耕筰の《序曲》は、どのフレーズも上行型で始まり、ポジティブな雰囲気があります。日本人初の管弦楽曲という事で、ニ長調の明るい響きに祝祭性を込めたのだと思います。貴志康一の《ヴァイオリン協奏曲》は、当初は和楽器を入れた編成だったらしいのですが、最終的には西洋の楽器だけで和の響きを追求、再現した作品です。独奏は辻彩奈さん。旋律を完全にご自身の言葉や歌として、叙情的に演奏して下さる素晴らしいヴァイオリニストです。」日本の洋楽黎明期と普及期、2世代ほど年齢の違う二人の作曲家。西洋音楽と対峙するスタンスも異なるのが興味深いという。「二人ともベルリンで、その前の時代の音楽に影響を受けているんですけれども、山田耕筰はとにかくそれらの音楽に近付こうとしていた。ベートーヴェン、シューベルトやR.シュトラウスなどの書法を真似る事で、一度自分の言語として、そこからどう自分の個性を出していくか考えた。貴志康一は、日本の感情を西洋の人の心に寄せていく事が大事だと言ってはいるのですが、むしろ西洋音楽を自分の慣れ親しんだ音楽に引き寄せている感じがあります。私もベルリンに留学していましたが、彼らの両方の面を大事にしたいと思いながら、過ごしていました。ヨーロッパの文化を学ぶと同時に、そこにないものはなんだろうとも考えていました。」プログラム後半のペルトやドビュッシーは、西洋音楽から離れようとしていたのではないかと語る。「それまでの西洋音楽の流れの中で作曲していても新しい表現は生まれないと考えて、伝統的な音楽表現に則るのとは別の方向を探した。ドビュッシーの場合は東洋的な五音音階が入ってきたり、ペルトの場合は西洋音楽が形作られる前の時代に戻って、もっと人の心の深いところに入っていったり。ペルトの楽譜には西方教会、東方教会でも用いられているニカイア信条(クレド)のテキストが書き込まれています。東も西もなく、ひとつに融合できるというマインドが背景にあったのではないでしょうか。今回の4つの作品は、西洋音楽に対するアプローチがそれぞれ異なるという事が感じられる、興味深いプログラムかと思います。」(宮本明)
2021年09月17日FM802 DJ・中島ヒロトが自身の50歳を機に、自分の好きなモノ・コト・ヒトをオーガナイズし立ち上げたイベント『Happy and Fun Music Festival』。このHAPPYでFUNでMUSICに溢れるイベントの第3回が、11月13日(土)大阪・BIGCATにて開催決定!「第3回!Happy and Fun Music Festival supported by Orange」チケット情報出演アーティストは、the band apart、TOKYO No.1 SOUL SETの2組。ヒロトのパワフル痛快トークもお楽しみに!チケットは、9月16日(木)17:00から24日(金)23:59までHFMFオフィシャル先着先行受付を実施。
2021年09月16日ナードマグネットが10月より新ツアー「そうふくしゅうツアー~アナザーラウンド」を開催する。ナードマグネット チケット情報現在、新メンバーのお披露目として全曲演奏ライブ「そうふくしゅうツアー」の真っ最中であるナードマグネット。今回のツアーはその“おかわり”編として、ファンからの希望が多かった地方、そして東京・大阪のツアーファイナルワンマンを追加したもの。ゲストバンドも合わせて発表になっており、バンドと関係の深いTransit My Youth(※岡山公演)、THIS IS JAPAN(※栃木公演)、メメタァ(※岐阜公演)がそれぞれ参加する。9月16日(木)12:00から20日(月・祝)23:59まで各公演のチケットオフィシャル先行受付を実施。
2021年09月16日日本古典の名作を“朗読×日本舞踊”で届ける新感覚エンターテインメント、朗読舞踊劇Tales of Love「お七-最初で最後の恋-」が9月10日(金)に開幕、9月12日(日)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演された。『朗読舞踊劇Tales of Love』とは、日本の古典芸能の中で生まれ育まれてきた数々の恋の物語を解きほぐし、“朗読×日本舞踊”という異色のコラボレーションで伝えるエンターテインメント・シリーズ。今回はその第1弾として、実在したといわれる“八百屋お七”(井原西鶴『好色五人女』巻四「恋草からげし八百屋物語」より)を題材に、少女・お七の命を賭した激しく切ない初恋を描く。主演のお七を演じたのは女優の大空ゆうひ、お七の心情を舞い踊った舞踊家・花柳幸舞音、日替わりで吉三郎を演じたのは声優の、中島ヨシキ〈9月10日(金)出演〉、福山潤〈9月11日(土)出演〉、神尾晋一郎〈9月12日(日)出演〉。さらにギタリスト・KOHKIと尺八奏者・大河内淳矢が生演奏で参加した。上演台本は与田想。演出は中屋敷法仁(劇団「柿喰う客」)。艶やかな振袖姿の花柳が膝をついてうなだれ、頭にはすっぽりと白い手拭いがかけられているという、ショッキングな姿から始まった本作。そのすぐ近くで朗読が始まり、声優が演じる奉行が、大空演じるお七に対し、火付け(放火)の罪を確かめている。舞台セットは、KOHKIと大河内が演奏するための台と、段がひとつだけあるシンプルなカタチで、演者はそこに立って朗読したり、段に座って朗読したりする。衣装もシンプルで、声で物語を届けることを際立たせていることがわかる。冒頭の朗読で、お七の16歳という年齢を知り、大空の朗読をどこか大人っぽくも感じた。けれどそれが、この物語でこれからお七が体験する“最初で最後の恋”を経て辿り着いた姿であることは、そこからの朗読でじっくりと感じることになる。お七を表現する花柳の舞は実に表情豊か。朗読と舞が説明のしあいにならず、「掛け算」や「化学変化」とはまさにこれなのだと納得させるほどに、朗読が広げる世界に舞が色彩を乗せ、舞が表すカタチのないものを朗読が鮮やかにし、これまでに観たことのないコラボレーションが生まれていた。そして中島、福山、神尾は、吉三郎役をはじめ、お七の家に仕える下女・お杉、お七を裁く奉行と、演じ分けが見事。それぞれの姿がありありと浮かんでくるような朗読は、一人ひとり違う温かさや慈しみを感じさせ、それがこの物語をより切なく繊細なものにしていた。朗読と舞と音楽が三位一体となり、お七の恋が劇場を満たす作品となった。取材・文:中川實穗
2021年09月15日2019年ロンドンで幕を開けた話題作が、早くも日本人キャストにより上演決定。主人公のルースを大竹しのぶが演じる。2年前にすでに本作を観劇していたという大竹。出演が決まった心境、作品にかける想いを訊いた。初演を観た際、役者たちのレベルの高さに驚き、感銘を受けたと振り返る大竹。しかし自らがその作品に立つとは露にも思っていなかったようで…。「向こうで観ている時は、自分がやりたいとか、自分が出来るなんてことは、まったく思っていなかったんです。だからすごくびっくりしましたし、ホンを読んでさらにびっくりしました。こんなにもすごい話だったのかと。というのもありとあらゆる問題、ジェンダーに宗教、医療など、現代人が抱えるありとあらゆる問題が描かれている。人間はこんなにも多くの問題を抱えながら生きていかなきゃいけないの?と思うくらい(笑)。そしてこの作者は、なんでこんなにもいっぺんに問題を提示するのだろう?と。でもそれこそが、この作品の面白さなのだと思います」大竹が演じるのは、高名な医療研究所の所長で、エリート医師のルース。「やっぱり強さってある美しさだと思うんです。人に敵意を持たれるかもしれないけれど、信念を持って前に進んで行く。ルースのそういった姿勢は、とても強いし素敵だなと。以前、ある作品でトラブルが発生した時、演出家が『このまま改善されなければ上演を中止する』と言ったんです。みんなは一瞬『えー』という重い雰囲気になったんですが、私は『ブラボー!』って。お金を払っていただいている以上、お客さまに不完全なものをお見せするわけにはいかないですし、自分が正しいと思うことに対して、簡単に諦めちゃいけないなと。私もルースのように、自分が守りたいもののためには批難や中傷を受けても構わない、と思えるような人間でありたいと思います」演出の栗山民也とは何度も現場を共にしており、大竹も厚い信頼を寄せる。「最初に栗山さんの演出を受けたのは『太鼓たたいて笛ふいて』(02年)だったんですが、もう楽しくて楽しくて!栗山さんのつける一つひとつのお芝居が、また得しちゃった、またなんかもらっちゃった、みたいな感じで、毎日スキップしながら稽古場に通っていたほど(笑)。いい芝居が出来ると、栗山さんが本当にニコニコしてくれるんですよ(笑)。栗山さんに出会えて心からよかったですし、早くまた稽古場で、栗山さんのニコニコする顔が見たいなと思います」10月30日(土)からの埼玉公演を皮切りに、東京公演は11月4日(木)開幕。その後、兵庫、豊橋、松本、北九州と各地を巡る。取材・文:野上瑠美子
2021年09月14日若手アーティストにスポットを当てたイベント『STYLE PARK』が、11月6日(土)に大阪・なんばHatchにて開催される。出演アーティストはAnonymouz(アノニムーズ)、HONEBONE(ホネボーン)、Myuk(ミューク)の3組。『STYLE PARK』チケット情報Anonymouzは“ある日突然自分の名前を失った19歳の少女…”をコンセプトにする謎多きシンガー。5月21日に二十歳の誕生日を迎え、東京・LIQUIDROOMで1stワンマンライブを開催した。今回は初の大阪での公演となる。HONEBONEは、EMILY(ヴォーカル)とKAWAGUCHI(アコースティックギター)のフォークデュオ。アコースティックギターと歌のみのスタイルで、日本語にこだわったリアルな歌詞を歌う。老若男女が集うライブは笑いあり涙あり。「ネガティブなのにスカッとする」と評判を呼び、各地でチケット完売が続出。今年公開された品川庄司・品川ヒロシ監督の新作映画『リスタート』にEMILYが主演として抜擢され、劇中音楽・主題歌もHONEBONEが担当するなど、注目アーティストの1組だ。熊本県出身のMyukは、シンガーソングライターとして活動していた熊川みゆの音楽プロジェクト。Myukとは、スウェーデン語で「やさしさ」「やわからさ」の意味を持つ“Mjuk”と本名(Miyu Kumagawa)からの造語。『FUJI ROCK FESTIVAL』出演経験を持つなど、その実力はお墨付き。音楽に救われた経験から、自分もそういった存在になれるようにと、柔らかくも意思の強さを秘めたその歌声で、音楽を発信していく。若き才能がぶつかりあう本公演のチケットは、9月16日(木)23:59まで、各出演アーティストのオフィシャルサイトにて先行販売受付中。
2021年09月14日『八つ墓村』以来、1年8ヶ月ぶりとなる新派本公演が2021年10月2日(土)から新橋演舞場で開幕する。大正から昭和にかけて活躍した新派の名優・花柳章太郎(1894-1965)を追悼し、花柳章太郎ゆかりの『小梅と一重(こうめとひとえ)』と『太夫さん(こったいさん)』の二本立てで上演する。初日まで1ヶ月を切った9月9日(木)、都内で記者会見が行われ、出演する水谷八重子、波乃久里子、喜多村緑郎、河合雪之丞が出席した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、公演中止や延期が相次ぐ現状に触れた上で、八重子は「また新橋演舞場に戻ることができて、私としてはこんな嬉しいことはございません。まだまだ安心できない日々が続きますが、ほんの瞬間、コロナのことを忘れられる舞台をお見せして、花柳先生に『いい子だね』と言われるような芝居ができればなと思います」と語った。花柳章太郎にまつわる思い出について尋ねられると、八重子は「最後の舞台をものすごくよく覚えております」として、役をつくってくれたこと、稽古の際に天丼を分けてくれたこと、襟足がとてもきれいだったことなど、多数のエピソードを感慨深そうに話していた。一方の久里子は「今になって花柳先生の懐の深さを思います。亡くなってからもいろいろビデオで作品を拝見して。お芝居はすごい方でしたね」。雪之丞は「(花柳章太郎の)生の舞台を拝見したことがないのですが、映像からでも素晴らしさが伝わってくる。素晴らしい女方で、大尊敬している大先輩。その花柳先生の追悼公演に出させていただくことはありがたいことですし、身の引き締まる思いです。一生懸命、舞台を勤めたいと思います」などと話した。また、緑郎は「歌舞伎の様式美と、新派のリアルな演技が重なって、本当にお洒落で見事な作品。たくさんのお客様に見ていただきたい」と意気込みを語った上で、「もっともっとやりたいなという作品がたくさんある。演劇の宝庫だなとつくづく思いますし、スペシャリストの集まり」と新派に対する愛も述べた。千穐楽は10月25日(月)。出演者は水谷八重子、波乃久里子、喜多村緑郎、河合雪之丞のほか、藤山直美、田村亮、大津嶺子ら。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂
2021年09月13日シンガーソングライターのLANAが、自身の主催ライブ第二弾を10月6日(水)、今年40周年を迎える東京・渋谷の老舗ライブハウスeggmanで開催する。「LANA presents Freely! vol.2」チケット情報本公演は “コロナ禍でもアーティストの表現活動の場を”という願いの下、 “より自由に”をコンセプトに開催されるシンガーイベント。今回は、海外での精力的なツアー活動でも注目される盟友「DEAR KISS」のメンバー「齋藤里佳子」、和製ジェニファー・ロペスとも言われる超ハイレベルなライブパフォーマンスが必見の「Meik」、週刊SPA!の表紙を飾るなどマルチな活動で知られる「転校少女*」のメンバー「松井さやか」がラインナップに。元アイドルとしての幅広い活動経歴と、現在のアーティスティックな音楽活動、双方の側面を垣間見ることができる、LANAならではのエンタテインメントライブが実現する。会場では換気、除菌、人数制限など、政府要請を基準として更なるコロナ対策が万全に施された環境で、今の時代に行われるライブハウス公演のモデルとなる安全性で来場者を迎えるという。時代の逆境を乗り越える力強さを体現した本公演、ぜひ会場で体感してもらいたい。チケットは、チケットぴあにて9月16日(木)11:00まで先行抽選プレリザーブを実施中。
2021年09月13日ゾンビをテーマにしたパフォーマンスが集結する『ゾンビフェス THE END OF SUMMER 2021』が2021年10月2日(土)と3日(日)、CBGKシブゲキ!!(東京都渋谷区)で開催される。ゾンビフェスは、ゾンビをテーマにした作品を数多く手掛けてきた入江雅人がホストを務め、2017年にスタート。5年目となる今年は、アーティスト・中村 中の参加も決定。一人芝居、ダンス、弾き語り、落語......とジャンルを問わないイベントになりそうだ。もともと中村のファンだったという入江は、good morning N˚5『ただやるだけ』(2020年)での共演を経て、ゾンビフェスへの出演をオファーしたという。一方の中村も、2019年のゾンビフェスを観客として見ており、打ち上げにも参加したそう。中村は「演劇畑とか、音楽畑とかって垣根を超えて色んな表現が混ざっていたし、それでいて全部尖っていたので雰囲気がすごくよかった」と振り返る。“ゾンビ”と言ってもさまざまな解釈ができる。中村は「こういう性格じゃなかったら、もうちょっと生きやすかったな?とか、言葉選びが上手ければ喧嘩しなかったかな?とか、あの人と別れずにすんだかな?とか、生きていれば多分誰もがそういう後悔を抱いたことがあると思うんですけど」と話した上で、「できなかったことって年をとればとるほど増えていくじゃないですか、でも後悔を抱いたままじゃ死んでも死にきれない!というか、その状態もある意味“ゾンビ”だと思うし。あとは“ゾンビ”になれたら、蘇ってやれなかったことをやりなおせるかも知れない!とか。“ゾンビ”って色んな可能性を秘めてるなって思ってて」。そんな着眼点から「コロナ禍で自由に身動き取れない人が世界中にいますよね。私もツアーが思うように組めなかったりと、生き地獄で死にきれない"ゾンビ"状態なので、ゾンビフェスでやれなかったことを取り戻そうと思います」といい、今回のゾンビフェスで新曲の制作・披露する予定を明かした。一方の入江は、毎年大切に演じてきた一人芝居『帰郷』と、オクイシュージとの新作芝居を上演する。映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』に刺激を受けて、これまで10本以上の“ゾンビもの”の舞台を作ってきた入江だが、このゾンビフェスに関しては「ゾンビというテーマはなんとなくあれば良くて、どちらかといえば、夏の終わりの切なさを感じてもらえれば嬉しい」と話す。「出演者がどんな作品を見せてくれるか僕自身も毎年楽しみにしてます。色んなジャンルの至高の芸が味わえる唯一無二のフェスです。良かったら遊びに来て下さい!」。そのほかの出演者は、入手杏奈(ダンス)、清水宏(スタンダップコメディ)、立川志ら乃(落語)、塚本功(エレクトリックギター演奏と歌)。取材・文:五月女菜穂
2021年09月09日2004年に滝沢秀明が主演して以来、代々演じ継がれてきた『DREAM BOYS』。昨年に引き続き堂本光一が演出をつとめ、2015年にチャンプ役を演じたSexy Zone・菊池風磨が主演となり、2011年にチャンプの弟役を演じたSixTONES・田中樹がライバルのチャンプ役として、ジャニーズJr.内グループの7 MEN 侍、少年忍者とともに今年の舞台に立つ。今年の『DREAM BOYS』も、新曲を堂本光一がプロデュース。7MEN侍、少年忍者と田中樹が披露した「SUPER HERO」は田中の特技であるラップも交えた1曲。菊池風磨が過去を振り返りながら歌う「hourglass」や、少年忍者の新曲「Knock Out(K.O.)」など、出演者の魅力を一番に引き出す楽曲のプロデュースに堂本光一の演出のセンスが光る。ジャニーズの同期として入所した菊池風磨と田中樹の2人が作品の中で出会い、すれ違い、お互いを認め合う姿は、実際の彼らにつながる部分を感じられる。ゲネプロ後に行われた囲み取材で、田中は「チャンプの弟役としてこのステージにたったときから、チャンプ役はやりたいと思っていたし、風磨とライバル関係でステージに立つということもあり、このチャンプという役は自分の中でも一回りも二回りも大きくなっている」と語り、菊池は改めて2人で出演できた思いを、「DREAM BOYSを樹以外と立つということは考えられなかった。同期ということもあり、Jr.のときからグループは違っていたのでDREAM BOYSと重なる部分が多い」と語った。すかさず、田中が「僕は(誰と立ちたいか聞かれたら)中島健人と答えるかな」と話すと会場は笑いに包まれた。また実際に同期である2人が最後に手を握って対峙して歌うシーンに関して、「お客様を目の前にすると自分たちの感情も大きくなると思うのでもしかしたら涙が溢れるかも」と田中が思いを。会見の最後に菊池は「仕事を始めてから十数年になるが、その時から一緒にいる樹と帝国劇場の真ん中まで連れてきてくださったファンの皆さん、スタッフの皆さんに感謝している。キャストのみんなと一生懸命楽しくときに厳しく31公演届けたれたらと思う」と意気込みを語った。帝国劇場で9月29日まで上演中。
2021年09月08日豪華客船の中で生まれ、生涯一度も船を降りることのなかった天才ピアニスト・ノヴェチェントの数奇な人生を描いたアレッサンドロ・バリッコの戯曲『海の上のピアニスト』が、全編に渡ってピアノの生演奏で綴る音楽劇として9月16日~20日東京芸術劇場シアターイーストで上演される(のち栃木、富山、石川、大阪でも上演)。主演ノヴェチェント役としてこの音楽劇に挑む内博貴は作品と役柄をどう感じているのだろうか。「映画版でご存知の方が多い作品だと思いますが、僕はたまたまこれまで観る機会がなかったんです。それでノヴェチェントを演じさせていただくと決まった時に観ようとしたのですが、演出の星田良子さんが『全く違うから観なくて良いよ』とおっしゃって(笑)。ですからあくまでも台本から、作品や彼の人生を感じていこうと思っています。僕自身台本に書かれている台詞、ト書きから人物を捉えていくのが好きなので、道を歩いたことも全くなく、船の中しか、ピアノしか知らない人物を、稽古を通してつかんでいきたいなと。元々ライブで歌う時にも正確に音を捉えてくれるピアノの音色って生命線で、ボーカルの僕としてはとても頼りにしている楽器ですし、弾けたらいいなとずっと思ってきたので、ピアニスト役が演じられるのも嬉しいです」藤本隆宏との二人芝居も内にとって新たな挑戦となる。「藤本さんとの芝居はすごく楽しみにしているのですが、意外と台詞の掛け合いが少ないんですよ!藤本さんがストーリーテラーとして状況説明をしてくださって、僕は自分の心情とか、外に出たとしたらの想像を詩のように語りながら歌に入っていくことが多いので、台詞がすごく覚えにくいです!(笑)それが一番の挑戦かなと思っていますが、二十歳位の頃にジャニーさんに『舞台に立てる人間が最後まで生き残れるんだ』と教えられて以来、舞台に対する気持ちが自分の中で固まったので、今回も真っ直ぐな気持ちで務めていきたいと思っています」インタビュー:橘涼香
2021年09月08日ミュージカル『オリバー!』が2021年10月から東急シアターオーブほかで上演される。本作は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作に、『メリー・ポピンズ』や『レ・ミゼラブル』を生み出したサー・キャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、超大作ミュージカル。今回、日本ではおよそ30年ぶりに新演出版が上演される。ナンシー役としてWキャストを担う、濱田めぐみとソニン。2人は10年以上前に、共通の知人の紹介で、お互いの舞台を見に行ったことを契機に、プライベートで親交が深いという。今回、念願かなっての“共演”なのだが、Wキャストということで、同じ舞台に立つことはできない。ソニンは「それだけが悔しい」と話す。ただ、濱田が「役を一緒に作り上げることはとてもデリケートな作業で、正直Wキャストの相性もある。(今回、ソニンとのWキャストは)アプローチの仕方が違うけれど、目指すべき根幹が同じだから、最終的には不思議と一致する。楽だし、無理をしなくていい関係性が心地よい」と話すように、この2人だからこそできるナンシー像が今まさに形作られていることが伺える。互いに俳優として尊敬している点を聞くと、濱田は『ミス・サイゴン』のキム役を演じていたソニンの演技に「度肝を抜かれた」ことを語った上で、「情熱の激しさたるや。本気で泣いて笑って汗かいて。その吸引力がすごいし、見終わった後に、何か得るモノがある」。一方のソニンは、濱田が演じる『ウィキッド』のエルファバを見てから「説明がつかないけれど、魂が震える感じに感動した」といい、以降濱田の出演作を見る度に「いち観客として、めぐさんが歌い出した瞬間に、今日来てよかったと思う」と話す。観客へのメッセージを尋ねると、濱田は「皆さんがイメージしている『オリバー!』とは違う舞台が見られると思う。見終わった後に何かを持って帰れる素敵な作品なので、劇場という空間の中で時間を共有して、それを是非体感してほしい」と話し、ソニンは「超大作ではあるが、それ以上に、生々しくそこに生きる人々の生命力を感じる作品になると思う。コロナ禍でも私たちは生きていくんだという、今の役者の気持ちも伝わる舞台になるはず」とコメントした。東京公演は2021年10月7日(木)から11月7日(日)(※プレビュー公演は9月30日~10月6日)、東急シアターオーブ。大阪公演は12月4日(土)〜14日(火)、梅田芸術劇場メインホール。取材・文:五月女菜穂
2021年09月07日秋元松代の傑作『近松心中物語』を、4月にKAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任した長塚圭史が演出。9月20日(月・祝)まで同劇場にて上演され、北九州、豊橋、兵庫、枚方、松本へとツアーが続く。物語の舞台は元禄時代の大阪。飛脚宿亀屋の養子・忠兵衛と見世女郎の梅川、古物商傘屋の婿養子・与兵衛とその妻のお亀という、ふた組の男女の悲恋を描く。長塚がこだわったのは、セットを極力排除したシンプルな舞台。幕開け、そのなにもなかった舞台に、人々が集い、鳴り物と歌によって一気に華やかな遊郭街が立ち上がる。そこに溢れるのは人々の“生”のきらめきであり、これから「心中物語」が展開されるとは思えないほど。だがこの賑やかな“生”があるからこそ、後の“死”がより鮮明に浮かび上がるのだろう。忠兵衛と梅川の出会いは突然。舞台奥から梅川が登場し、ゆっくりと忠兵衛とすれ違う。その一瞬でふたりはお互いに心奪われ、離れがたい存在だと悟るのだ。婿養子という立場にあるためか、それまでは常に奥手でお人よしであった忠兵衛。だが梅川の存在は、そんな忠兵衛を大きく変化させていく。演じるのは田中哲司。梅川に対する実直でひたむきなその姿に、強く心打たれる。梅川役には、数多くのミュージカル作品でヒロインを演じてきた笹本玲奈。忠兵衛への熱い恋心が遊女らしい色気の中に滲み、俳優として新たな一面を垣間見せている。忠兵衛と梅川が王道の悲恋の物語だとするならば、与兵衛とお亀は少し様相が異なる。ふたりはすでに夫婦であり、そこに障壁はないように思えるからだ。またどこか頼りない与兵衛と、与兵衛ひとすじの箱入り娘・お亀のやり取りは、傍から見ればとてもかわいらしい。特に遊女との仲を疑い、その想いを真っすぐ与兵衛にぶつけるお亀の嫉妬ぶりは、つい笑ってしまうほど。演じる松田龍平、石橋静河もそれぞれハマり役だ。しかし身分違いの恋、という点では忠兵衛、梅川と変わらず、ふたりも心中の道を歩んでしまうことになる。演出の長塚は、「死は生を鮮やかに照らします」と語る。ふた組の死を取り巻く、日常を生きる市井の人々の生があってこその、『近松心中物語』なのだろう。ここで起こった事件は悲劇ではあるが、観劇後の胸に残るのは、希望という名の灯だ。人間という生き物はどうしようもないほど情けなく、そしてたくましい。ラスト、劇場に鳴るスチャダラパーのラップは、迷える人々への応援歌のようにも響いた。『近松心中物語』ぴあ半館貸切公演2021年9月10日(金)、9月11日(土)会場:KAAT神奈川芸術劇場ホール取材・文:野上瑠美子
2021年09月07日『FM802 MINAMI WHEEL 2021』が、10月8日(金)から10日(日)までの3日間、大阪ミナミエリア一帯にて開催される。「FM802 MINAMI WHEEL 2021」チケット情報これからの日本の音楽シーンを担う新人・中堅アーティストを中心にジャンルを問わず350組以上のアーティストが20会場以上(予定)に出演する。このたび、第3弾出演アーティストとして、梅田サイファー、w.o.d.ほか63組が発表された。チケットは発売中。ぜひご参加ください!
2021年09月07日